スタンドアローンの“はぐれクリスチャン”が、励まされる言葉 ~「私たちひとりひとりが教会です 」

 新型コロナウイルスの影響で、いま国内の多くのキリスト教会は、毎週日曜、教会堂に集まる形での礼拝を自粛して、You TubeやZoomを使ってのオンライン礼拝をしています。
 私はこのところ、横浜のインターナショナルチャーチ「横浜国際バプテスト教会(YIBC)」のオンライン礼拝を視聴させていただいています。

↓YIBC公式サイトのオンライン礼拝のページはこちら。

 本来は、私は日本の改革派の教会の教会員なので、YIBCのメンバーではありません。でも家が近いので、何度かリアルでお邪魔したことがあり、見知った人もいるため、YIBCには親しみを抱いています。教派の異なる私をウェルカムで迎えてくれて、またいつでも来てねと言ってくれる、温かくてオープンな雰囲気の教会です。
 現在の牧師はアメリカ出身で、メッセージ(説教)は英語です。その隣に通訳者が立ち、フレーズごとに英語と日本語を交互に語るバイリンガルで発信してくれるので、英語のヒアリングに自信がなくても内容を理解することができます。

 多くのプロテスタント教会の礼拝がそうであるように、YIBCの礼拝でも最後にBenediction(祝祷)があります。牧師が、会衆のために祝福を祈り、新しい一週間を神さまとともにがんばって生きようね、という意味をこめて、集まった人びとを世に送り出す言葉です。
 これまでに私が参加したことのある他の教会の礼拝では、だいたい「主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがた一同と共にあるように。アーメン」みたいな感じでした。

 YIBCのベン・ハワード牧師の祝祷は、そうしたものとは少し違っていて、私はいつも、とても励まされています。
 ハワード牧師は、「今日の礼拝はこれで終わりですが、教会は終わりではありません。なぜなら、私たちひとりひとりが教会だからです」という内容のことを毎回、話してくれます。
 礼拝に集うことだけが教会の営みではない、ひとりひとりが社会のなかで、また生活のなかで信仰を実行し、キリスト者として役目を果たしていくことが大事、ということだろうと思います。
 そして、祝祷についてはご自分で、日本語の部分も話してくれます。そういう姿勢にも誠意を感じるというか、祝祷を自分の口から直接、信徒に贈りたいという気持ちが伝わってきます。

 彼は何回か前の説教で、信仰とは、聖書を何回通読したとか、礼拝に毎回出席しているとか、そういうことによって大きさを計るものではないと言っていました。
 どんなときも揺るぎなく主を信頼し、み旨に従うこと。ご自身にとっても難しいことだけれど、信仰の確かさとはそういうところにあるという話をされていて、私は救われた思いがしました。

 もちろん私にとっても、どんなときも揺るぎなく主を信頼して従うというのは、難しいことです。その意思を持っていても、心は人間社会のいろいろなことや、自分の弱さによって揺れ動きます。
 キリスト者といえど人間なので、それはみんな同じだろうと思うのです。
 だからこそ教会に集い、仲間に会い、聖書に立ち返り、一緒に神さまを讃美し、はげまし合って再び社会に出て行く。そのためにも礼拝の場は大切です。
 けれどもそれは、ハワード牧師の言うとおり、出席回数の多少によってその人の信仰の大きさを計る場ではないと、私も個人的に思っています。
 ただ、キリスト教の信じ方は、クリスチャンでも人それぞれですから、なかには礼拝の出席回数が多い=信仰が厚い、という考え方の人もいらっしゃるかもしれません。

 私はフリーランスで、出版やWEB媒体の原稿執筆、編集、校閲といった仕事をしています。そのため、土日に稼働することも多いです。(たとえば金曜に発注を受けて月曜納品というケースは珍しくありません)
 日曜朝の礼拝に、必ず出られるわけではないので、ハワード牧師のような考え方には気持ちが救われます。
 礼拝に出席することがすべてではない、と。

心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼らず、常に主を覚えてあなたの道を歩け。そうすれば、主はあなたの道筋をまっすぐにしてくださる。(箴言3:5-6 聖書新共同訳)

 何より大切なのは、上記の聖句にもある、主への信頼。
 神さまと自分は、一対一の関係です。そばにいて補助してくれるのは、イエスさまと聖霊だけ。私はそう考えています。
 とはいえ、はげまし合える仲間がいれば、やっぱり頼もしいですね。

 ふだんはスタンドアローンで、群れから離れた1匹の羊=はぐれクリスチャンとして暮らしていても、何かのときに顔を出せる教会を見つけておくと、すこし安心できます。
 私も自粛期間が終わったら、YIBCをまた訪ねてみたいと思っています。オンライン礼拝を拝見していることで、親しみが増しました。

 オンライン上に、たくさんの教会が開かれている(礼拝の模様が配信されている)この期間は、通っていた教会となんらかのご事情で離れてしまっている人が、自分に合いそうな教会を探しやすい期間でもあると思います。



◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、hanakokoroさんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。
  

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