品薄の繁忙期を迎えて・・・できることをしよう!
小売業の皆さまに研修を提供することが多い筆者としては、おおよその集合研修は12月前半までに研修収めを迎えます。
繁忙期に向けて、「VMD」「クロージング強化」「クレーム対応力」などのテーマが例年続きます。
店舗の皆さんからの質問も具体的で、現在の在庫状況や年間の売上が目標にどのくらい到達しているか等も含めてアドバイスを求められ、断片的な視察だったりするのですが、出来る限り見たこと・お聞きしたことを加味して、何とかお役に立てないものか思案して返答しております。
さて、今年の夏ごろからでしょうか。
「商品量が薄くなってしまって、本来この店舗では展開していないものも入荷しています」
店舗前に置かれた貼り紙には
「スタッフ不足のため、ご案内や料理の提供に時間がかかることをご理解の上、入店してください」
「想定以上に売れていて、生産が間に合わない」
そんな声も頻繁に聞くようになりました。
繁盛していることや売れていることは嬉しい話である一方で、いよいよ繁忙期を迎えた2022年師走。
本当に大丈夫!?と思うことも増えてきました。
上記のツイートは、数日前にベテランの店長がいらっしゃる店舗を視察した際に感じた1コマです。
多くの小売店・飲食店は、想定以上の繁忙期を迎え、残業はもちろん(終電すら間に合っていないのでは!?コロナ禍以降、終電も早まっていて、私の現役時代よりも15分は前倒しになっていることを考えると、仕事が終わらなかった新人時代を思い出すだけで震えます・・・・・)
なかには、1か月休みなく働いているという、経営者が把握していたら危機感を持って対応して欲しいことも耳に入ります。
本当に店舗で働く皆さんのおかげで、人々は年末年始も慌て過ぎず、お買い物やお食事ができることに感謝しています。でも身体には気を付けてほしい!!店舗が休みになってもどうにかなる・理解できる世の中にしないとバテてしまうことが何より心配です。
◆品薄のときに対応したいこと
①スタッフ不足もあると思うので、できるだけ「商品を棚・陳列台」に埋めること。
”いつもあるところにない!”という常連の方もいらっしゃることと思いますが、店舗のメインとなるところは何かしらの商品を陳列することが、お客さまをがっかりさせないことにつながります。
高級店や品薄をアピールしたい店舗コンセプトやポリシーを掲げ、売上を作れていると確信のあることは除外です。
②お客さまが「○○○はない?」と在庫がないことをスタッフに確認されたときには、代替商品の紹介を必ずしましょう。
ただし、いったんオウム返し「○○○をお探しでいらしゃいますね。」と確認をしましょう。
確認をすることで、
「そうなの。あのふんわりした感じが好きで・・・」とか
「昨年もプレゼントしたら、喜ばれたから・・・」など
商品への購入動機を把握できることもあります。
「あいにく、商品が完売しておりまして、申し訳ありません」
「せっかく足を運んでいただきながら、当店でご用意できず申し訳ありません」
といったお詫びをしてから、代替商品をご紹介することをお勧めします。
特定の商品を目指してきてくださったという行動の背景には、何らかの気に入ってくださっているポイントがあるはずです。
商品の素材・食感・数量はもちろんですが、ブランドや価格など、目の前のお客さまのニーズを正しく理解することで、今回は予定のものでは無かったけれど、新しいものに出会えた!というリアル店舗でなければ・スタッフが介在しなければ購入する機会が無かったものを手に取ることにもなりますよね。
日頃から、「お客さまのニーズを把握」することを大切とは申し上げていますが、目的の商品が無かった・普段ならセルフショッピングで完結しているけれど、陳列棚に並んでいないからスタッフに声をかけたということも生じています。
スタッフ不足の中、「全てのお客さまに丁寧な対応はできない」と仰る方もいらっしゃいますが、在庫が無いことを詫びる前に≪商品名のオウム返し≫をすることはできると思います。
ほんの少しの工夫で、貴重な年末の慌ただしい中に自社・自店に来店してくださったお客さまに私たちの歓迎・感謝の気持ちが伝わると嬉しいですよね。
陰ながら、応援しております!!!