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【短編小説】もうすぐ、また、夏が来る。今年は、君のいない夏が。

 お金も知識もないけれど、時間だけが死ぬほどあった大学2回目の夏休み。

 恋人と1日ひたすら怠惰に過ごした夕暮れ。

 昼に茹でたパスタのお皿が洗い終わった食洗機の音で目を覚ます。

 夕日にオレンジに照らされた恋人の背中のくぼみが綺麗だと思った。

 寝相ではだけたタオルケットを、白い肩にそっと掛け直しながら、ゆりかごみたいに優しく肩を揺らす。

 「スーパーに、アイスと夕食の食材を買いに行かない?」。

 もうすぐ、また、夏が来る。
 今年は、君のいない夏が。

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