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夏に聴きたいヨルシカのプレイリスト

こんにちは。桜小路いをりです。

今回は、ヨルシカさん縛りの「夏うたプレイリスト」をご紹介していきます。

先日、「私の『夏うた』プレイリスト」という記事を出したのですが、入れたいヨルシカさんの曲が多すぎて、「いっそヨルシカのプレイリストにしちゃえ!」ということになりました。

最後までお読みいただけると嬉しいです。

「ただ君に晴れ」

思わずスキップしたくなるような、軽やかな曲が印象的な「ただ君に晴れ」。
爽やかなMVと切なげな歌詞も、何度も聴いて、何度も見たくなります。

バス停、鳥居、錆びた標識、坂道、写真。
そんな郷愁を誘うような歌詞もあり、それぞれが思う「あの夏」に想いを巡らせてしまうような曲になっているように思います。

MVの2:54くらいから文章が表示されているのですが、そのいちばん最後の言葉が私はすごく好きです。

これから先の人生、躓くことなんて当たり前だ。
それでも、ただ君に、晴れぬ空などないことを。

大事な御守りになっている言葉です。

「藍二乗」

流れるような曲が印象的な「藍二乗」。
私は、こはならむさんの歌ってみたを聴いて更に好きになりました。

歌詞の韻の踏み方がとても気持ちが良くて、夏のお散歩では必ず聴きたくなります。

どこか厭世的な歌詞の中に、それでもあきらめられない、それでも音楽が好き、という想いが見え隠れしていて、そんなせめぎ合う感情の描写も魅力です。

夏の爽やかさ、青春の苦みと痛み、そして、そのかけがえのない眩しさを、ぎゅっと閉じ込めたような1曲だなと思います。

「だから僕は音楽を辞めた」

私が初めて聴いたヨルシカさんの楽曲が、これでした。

爽やかで美しいMVに一気に惹きつけられて、メロディーもすごく綺麗で。
なのに、歌われている歌詞は心の内に溜まった苦しさとつらさを吐き出すような生々しさがあって。

その対比の鮮烈さに、ドキッとしたことを今も覚えています。

私は、「辞めた筈のピアノ、机を弾く癖が抜けない」というフレーズがすごく好きです。

「机を弾く」のは、もしかしたら主人公にしてみれば、「癖」とすら思っていない日常にしみついた仕草だったのかもしれない。でも、ピアノを辞めて初めて、それが「癖だった」と気づいた。
そのはっとしたような表情や、なんともいえない心の揺れまで感じられるような歌詞だと思います。

「言って。」

この曲も、初めて聴いたとき、とても衝撃を受けました。

あのね、私 実は気づいてるの
ほら、君がいったこと

最初のフレーズの「いったこと」は平仮名で書かれていて、「言ったこと」なのか「逝ったこと」なのか分かりません。

suisさんの歌い方も、サビは叫ぶように感情的な歌声なのに、それ以外ではどこか無邪気で子供っぽい印象です。
なんだか、「君」が亡くなったことを本当は分かっているのに、それを受け止め切れなくて、「死」という概念を理解していない子供のフリをしているような、そんな苦しげな切なさが滲んでいる気がします。

「花に亡霊」

ヨルシカさんの曲の中で、個人的にいちばん好きな曲です。

私の『夏うた』プレイリスト」でも紹介させていただいたのですが、このプレイリストにも入れさせてください。
(大好きなので。)

私はよく、「この曲はどんな色かな」と考えるのですが、「花に亡霊」はこんな色のイメージです。

ちょっと青が強めの藤色、という感じでしょうか。

触ったら綺麗な音を立てて割れてしまうような儚さが、この曲の魅力だなと思います。

「夜行」

「花に亡霊」と「夜行」は、なんだか続けて聴きたくなります。

アルバム「盗作」での収録順とは逆なのですが、私は、「花に亡霊」は昼間のイメージ、「夜行」は夏のお日様がゆっくりと傾いて、夜になるまでのイメージなので、この順番で聴くのも、とてもお気に入りだったりします。

初めて聴いたときは、初めましてのはずなのにどこかで聴いたことがあるような、少し懐かしい感じがしました。
童謡を聴いたときのような温かさと、それが遠い昔のことのように思える切なさが共存している曲のようにも思います。

はらはら、はらはら、はらり 晴るる原 君が詠む歌や 一輪草」というフレーズが私は特に好きです。

n-bunaさんの作詞センスって、本当に繊細で素敵だなと、いつも歌詞を熟読しながら思っています。

「雲と幽霊」

suisさんの語りかけるような優しい歌声が素敵な、「雲と幽霊」。

いきなり「幽霊になった僕は」という言葉から始まり、初めて聴いたときは衝撃を受けました。

「幽霊」って、どこかこの世に恨みをもったまま留まっている存在、という印象だったのですが、その見方ががらりと変わりました。

だからさ、もういいんだよ」という歌詞の通り、自分のことをまだ忘れられない「君」に対して、「もう忘れていいよ」という優しさと寂しさが垣間見える歌詞だと思います。
柔らかい切なさと温かさが印象的です。

個人的に、どこか神秘的な雰囲気のお盆の時期に聴きたくなります。

ちなみに、この曲の「夜しかもう眠れずに」というフレーズが、「ヨルシカ」という名前の由来だそうです。

「靴の花火」

夏の終わりを感じさせる「靴の花火」で、このプレイリストは終わりです。

どこかノスタルジックな雰囲気のMVも綺麗で、何度も聴きたくなります。

suisさんの台詞を朗読するような歌い方が、この曲ではさらに際立っているような気がします。ところどころの声の掠れ、震えまでもが、作品の一部分になっているようで、たった一瞬すら聞き逃したくない、と思ってしまいます。

この曲の「花火」は、個人的には足元の水たまり(涙が落ちた水たまりなのかな……)に映った花火だと思っています。

どこか、線香花火のような儚さとかけがえのない煌めきまで見えるような、かすかに残る火薬の匂いの切なさも感じられるような、ドラマチックな1曲です。

まとめ

「ただ君に晴れ」が夜から朝焼けの時間。
「藍二乗」が朝から眩しい正午。
「だから僕は音楽を辞めた」が昼下がり。
「言って。」が少しお日様が傾き始めて、でもまだ夕焼けには早い頃。
「花に亡霊」は夕陽が綺麗な時間帯。
「夜行」が日の入り。
「雲と幽霊」はまだ生まれたての夜。
「靴の花火」が濃密な闇に包まれた夜。

そんなイメージで、プレイリストを組ませていただきました。

ヨルシカさんの曲には色んな解釈があって、その余白もまた魅力だなと思います。

このプレイリストが、皆さんの素敵な夏の一部分になれたら、とても嬉しいです。

今回お借りした見出し画像は、ラムネの写真です。しゅわっと爽やかで、透明で、傾けるたびにビー玉が音を立てる。炭酸飲料は得意じゃないのですが、ラムネのそんなところは、とても好きです。あの透明感がヨルシカさんの曲の切なさに通じるかな、と思い、選ばせていただきました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。