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「きらめくヒント」をくれる1冊〜田辺聖子さん『歳月がくれるもの』〜

こんにちは。桜小路いをりです。

最近、大切な御守りになる1冊と出会いました。

それが、田辺聖子さんの『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』です。

このエッセイは、月刊誌『MISS』で連載されていたもの。
私よりも少し年上のお姉さん世代の方に向けたものなのですが、だからこそ、「素敵な大人になるヒント」が散りばめられて、今、出会えてよかった本でした。

「聞き書き」の形式で、本当に実際にお話しを聴いているような気持ちになれる距離感、親しみやすさも魅力のひとつ。
200ページに満たない薄さなので、御守り代わりに、いつもカバンに忍ばせておきたいです。

(ちなみに、「持ち運びやすいし、この本を読みつつマックでおやつにしよう!」と思ったら、マックで食らいつくように一気読みしてしまいました。)

特に印象に残っているのは、「涙を瓶に詰めて」というエッセイ。

田辺聖子さんの幼い頃の記憶から始まり、小説を書くことについて、生き方について。軽やかに、優しく諭すように書かれています。

特に、この部分が好き。

 みんなが喜ぶような話を、いつもそれとなく気をつけて心に留めていると、書くときにそれを思い出すんですよ。物書きというのは、常日頃からそういうものをいっぱい拾い集めてるところがあります。
 そういうものはみなさんもやってらっしゃることよね。生きてる以上は、きっとそう。小説は、それを瓶詰にして「はいどうぞ」って差し上げるようなものかもしれません。

私みたいなひよっこが、こんなことを言うのもおこがましいかもしれませんが。

私自身が書く小説も、こんなふうに、素敵なことをいっぱい瓶詰にしたキラキラしたものでありたい、と思います。
たとえ重いストーリーであったとしても。「読んだ人に喜んでほしい」という気持ちは、忘れないようにしたい。

そして、あわよくば、私の文章を読んだことで、日常の中の素敵なあれこれに、はっと気づけるようになったらいいな。

また、田辺聖子さん自身が、人生の様々な場面で「書くこと」を諦めなかった方なのだなと、この本を読んで感じました。

だからこそ、この本を開くたびに「書くこと」についても、初心を思い出させてくれる気がします。

他にも、心がふわっと軽くなるような、心の栄養になる言葉がたくさん。
まさしく、素敵な言葉、ごきげんになれる言葉の瓶詰です。

おもしろいことを、先にやりましょ。そうして自分を喜ばせてあげないと。思い出すと口元がほころぶようないいこと、素敵なことを、いっぱいいっぱい集めて、いい匂いのする素敵な人になりましょう。

「どっちにいこう」と迷ったとき、この言葉を思い出せたら、私はより私らしく、素敵でいられそうな気がします。

その場にいるだけで、思わず視線を向けてしまうような。
話していると、ほっと安心してもらえるような。
不思議と、きらめいて見えるような。

そんな人になれるように、この本に綴られている言葉を大切に心に留めておきたいです。

そのためにも、まずは、身の周りにある「いいこと」「素敵なこと」「キラキラしているもの」を心の中の瓶に詰めていきたい。

そして、それを時折、光に透かして、ふふっと笑う時間を大切にしていきたいです。

「まいにち、ごきげん」になるヒント、きらめくためのヒントをくれる、『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』。

私にとって大切な一冊になったので、その想いをお裾分けをしたくて、こうして記事にまとめてみました。

ぜひお手に取ってみてください。

今回お借りした見出し画像は、ピンクのバラの写真です。花言葉は、「しとやか」や「感銘」「上品」。花びらについた雫すら輝きにかえて咲く姿が素敵で、選ばせていただきました。


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