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詩の場所

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小山伸二の詩の置き場所です。
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2014年9月の記事一覧

九月の町を歩く

九月の町を歩く

ぼくはみんなの話を聞きながら
眠る樹だ
みんなの楽しそうな議論のなかで
呼吸する葉っぱを
静かに揺すりながら
眠る樹だ

駅前のカフェでギネスビールを飲んだ夕方
ロータリーを時計回りに
ぷらぷら歩いた
かがやくビルの壁
賑やかなコンビニの店先を過ぎて
左斜めに行くと
まっすぐに伸びる旭通りがあって

ゆっくり歩こう
食べ物屋、ドラッグストア、花屋に靴屋
いろんな店を眺めて
いろんなひととすれ違って

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大地震のあとの世界に

2011年の大地震のあとに書いた詩をここに置いておこう。

地震後の世界
最初にぐらっときたとき、ぼくは新宿の職場にいました。

同僚とふたりのお客さんとぼくの4人が7階の事務所に。昭和40年代に建てられたそのビルは、ゆらゆら、ゆらゆらと、長く、大きく右に左に揺れ続けた。

最初は落ち着いていたつもりだったけど、さすがに不安になって、やや浮き足立つ感じで、螺旋階段をみんなで降りていった。

地上に

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