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自己紹介

はじめまして。木皿真司(きさらしんじ)と申します。

施主または建築設計事務所のご依頼で特注のレンガタイルをつくる仕事をしています。
職業の初期段階から考えるとあらゆる種類のタイルを扱ってきましたが、私が最終的に「はまり込んでしまった」のは、建築で表現される「レンガタイルの壁面」でした。それも、粘土で湿式成形されたレンガタイルです。 

自ら、ローラー凹凸型を製作した復元デザインプロジェクト

プロフィール


木皿真司(きさらしんじ) 北海道上川郡清水町生まれ。小・中・高と北海道二海郡八雲町で育つ。 東京都世田谷区在住。

株式会社ティー・エル・シー・アソシエイツ 代表取締役
レンガタイル壁面プロデューサーとして活動中
趣味:能面制作(「十八界彫刻教室」にて手習い中)

現在に至るまでの経歴

タイル業界に足を踏み入れた初期に、イタリア・スペインの有名メーカーの輸入品タイルと国内最大の産地、美濃焼タイルの(内外装施釉モザイクタイルの一大生産地)何百という窯元・卸元・下請け加工業者の商材に関わる。

建築設計事務所及び店舗デザイン事務所、マンションディベロッパーの設計指定営業開発に携わり、特注形状及び特注色(磁器質施釉・無釉外壁タイル)タイルに精通する。

その後、商店建築系のデザイン事務所に誘われ転職。
営業・施工管理に携わり施工現場を体験。雇用されることに限界を感じ独立。初期の建材販売経験をもとにタイル建材の販売会社からスタートし、タイル業界に逆戻り。

高級マンションの外壁タイル指定受注をきっかけに、今まで体験してきた美濃地方の乾式・施釉・磁器質系の素材とはまったく違った、(愛知県常滑地区のレンガタイル全盛時代の)炻器質還元焼成レンガタイルの窯元との出会いにより、素材に感銘を受け、企画・製造・販売・工事に従事。

東京で設計活動の営業をしながら、自ら工場に入り込み、タイル各種製法を経験・熟知し、産地別の岐阜・常滑両方の異なった湿式レンガタイルの違いをも学ぶことになる。特に、建築の『色彩』に興味を持ち、炻器質タイルを扱う現在の情熱へとつながっている。

現在、湿式製法の特注品、特に本還元焼きの美的壁面の素晴らしさに興味を持ち続け、イメージ・デザインの創造から生産・納品・施工まで一貫した建築への関わりを持って活動している。建築家のみならず、施主への見学会を行いながら、創作の技法、美、人間の壁面の感じ方等解説しながら指導、アドバイスをおこなっている。

なぜ今、noteを始めるのか?

このnoteは、私が、今まですべての素材(種類)のタイルを扱い、建築設計事務所の皆様との交流で直接体験してきた出来事を回想しながら、書き溜めていこうと思います。

最近、私が年齢を重ねてしまったせいなのか、依頼先の建築士の皆さんが若く、世代がすっかり変わってしまった事に強い危機意識を感じています。
アウトプットされているようで、全くされていないこの分野、想像以上に身近な建築素材であるレンガタイルの面白さ、表現力を興味のある方々にお伝えしたいと思えるようになりました。

現在の設計事務所の情報・資料収集は、ほぼインターネット検索なのではないかと思います。そして、私自身業界のプロとして専門用語の検索能力はあるものの、設計者の立場で検索し表示される検索結果を見ると、残念なものばかりです。建築設計用というより、店舗、DIY、一般消費者対応向けの商品や輸入品、即納国内在庫商品でネットの世界が溢れています。

そもそも、時間をかけて、その人・その建物の為に「タイルを焼く」ということ自体珍しく、プランナーがいなければ、選択の範疇に一般的には上がってきませんから、、、、。だから、熟知した設計士が必要です。

「タイルを焼く」のは、最後の方であって、最も重要なのはタイルを設計の意図にどう選びながら創り上げて、どのように施工表現していくのかという前段階がほんとうに時間がかかります。
この作業こそ、設計者からの信頼を得、喜びにつながる作品となります。

この部分こそ、私の仕事であると強く感じています。「本領発揮」です。

人間の感性はあてにならず、即答で複雑な選択パターンの中から決定できません。だからこそ、寄り添ってお手伝いしてきました。そんな奴が東京にいるんだと知ってもらいたい、レンガタイルのご経験の無い設計士ともっと出会いたい、お役に立ちたいという強い気持ちからです。
レンガタイルの事で困っていらっしゃる方は、大歓迎です。

記憶に残る設計プロジェクトの中で、設計士と共に悩み、施主までも引き込んで目的のゴールに至る体験は、レンガマニアの私にとって快感なのです。

そこで、「自分がはまり込んでしまった」この仕事に、日本国内の建築設計事務所の皆様の中に、まだまだ、必ず未経験の「レンガタイルファン」「マニア」がいらっしゃる事を前提として記事を書いてみたいと思うようになりました。

私と一緒に汗を流しながらレンガを焼いている窯元は、明治時代の東洋組刈谷分局の系譜をひき継ぐ歴史的にも有名なレンガ工場です。オリジナルのオーダー品を生産する経験と技術は高く、数多くの有名建築家、建築設計事務所の作品を歴史的にも手がけてきました。設計事務所との熱い取り組みを陶工の方々にも理解いただき、私の難儀な依頼をいつもクリアしていただいています。
工場に依頼先の建築家の方々を工場にご案内することもございますが、このnoteでは、そのようなチャンスも含め、設計事務所の目線でどのように、ご興味を持っていただけるか、試行錯誤の場にしていこうと思います。

以上、応援よろしくお願いいたします。

工場検品にて、色確認
レンガ工場にて見本張り作製時
焼かれて窯から出できた様子

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