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アイデアを生み出すのは性格でも才能でもなく「態度」という話

こんにちは。UXデザイナーのはまちです。

私は昨年、DXという文脈で、あるクライアントの新規プロダクトの要件定義からUI/UXデザインのご支援をさせて頂きました。

そのプロジェクトでは嬉しいことに「サービス名の検討」も弊社に任せて頂いたのですが、私はあまり斬新なアイデアを思いつくようなタイプの人間ではなく、正直言って検討当初は中々「これだ!」と思えるアイデアが浮かばずに悩んでいました。

ところが、アイデアについてのある事実に気づいてから、自分自身に大きな変化が起こり、結果プロジェクトメンバーと共に「これは提案したい!」と思えるサービス名を9つも生み出すことができました。

そして、実際にクライアントにも「感激した!」「どれも良いサービス名で迷ってしまう!」と喜んで頂くまでに至ったのです。(本当に嬉しかった..)

今回は、私自身の変化に繋がった、そのアイデアについてのある事実について、4つの観点から書きたいと思います。


1. 思考モードの「完全な」切り替えが必要

ダブルダイアモンドのプロセスにも代表される、拡散思考収束思考

デザインプロセスとしてあまりにも有名になりすぎているせいで、プロジェクトの大枠の構造をそのフレームで捉える癖はついていても、実は盲点になっている可能性の高い点があります。

それは「拡散思考と収束思考を『完全に』使い分けられているか?」という点です。

皆さんは「解決策を考える時」、つまり「右のダイアモンドの前半を駆け上がる時」、無意識に検討や分析をしていませんか?

例えば、以下のような「勝手に思考の枠組みを作っているケース」はその一例です。

・日本市場向けの新しい椅子を考える時、日本の家を常にイメージしている
・新しい物語を考える時の前提が、上から下に物が落ちる世界になっている

誰が「日本市場で受け入れられる椅子は、日本の家にヒントがある」と言ったでしょうか?適当な例ですが、「海辺で気持ちよく昼寝をする猫」が何かのヒントになるかもしれません。

誰が「重力を意識してくれ」と、物語を書くあなたに依頼したでしょうか?「地面が存在しない世界」だって何だって構わないのに。

「そんなに発散しまくって良いのだろうか..?」と思ったあなた。大丈夫です、「制約」は後から嫌なくらい付いてきます。

・技術的に可能なのか?
・生産コストは現実的か?
・安全性はどうか?
・自分らの理念と合っているか?

そういった「発散しまくった一見現実味の無いアイデア」に「制約」が多角的に加わることで、何か興味深いエッセンスだけ抽出されたり、アイデアに磨きがかかったりして、最終的に世に出回ることになります。


つまり、後工程で必ず制約が加えられるにも関わらず、創作プロセスの序盤から無意識に何らかの制約を作り、言わば「可能性を狭めてしまう」と、当たり障りのないアイデアしか生み出されません。

ビジネスにおける創作活動とは「制約を設けずひたすら拡散する活動」「制約を設けて収束させる活動」の2つによって構成され、且つそれらの活動は全く別のものです。

そして、それぞれの活動の質が、創作活動の質を大きく左右します。


つまり、アイデア出しを行う時は、いかに「制約を設けずひたすら拡散するか 」 = 拡散思考に振り切ることが凄く重要なわけですね。

「拡散思考と収束思考」今自分が創作活動のどちらのフェーズにいるのかを意識し、完全に別の思考を活用することで、より質の高い創作をすることが可能となります。


さて、「思考モードの『完全な』切り替えが重要だと言われれも、それが出来ないから困っているんだ」と思われた方もいるのではないでしょうか?

残りの3つの観点では、その「完全な」切り替えの手助けになるような事実をご紹介したいと思います。


2. 良いアイデアかどうかは、実は誰にも分からない

「名案だと思ったのに周りの反応がイマイチだった…」
「あの案が採用されるなんて、全く思っていなかった…」

皆さんにはそういった経験は無いでしょうか?

そう、いきなり結論になりますが、それが良いアイデアかどうかは、実際にそれを外に出してみない限り誰にも分かりません。

それは、「それを思いついた自分の頭の中から出す」ということにも当てはまりますし、「社内から市場に出してみる」といったことにも当てはまります。

考えてみれば当たり前のことかもしれません。

アイデアがまだ自分自身の中にある時、「これは良いアイデアだぞ」とか「こんなアイデアはボツだ」と言っているのは誰でしょうか..?(自分です!)

結局、一度外に出してみない限り、その良し悪しは分からないんです。

そうであれば、あれこれ頭の中で考えていることがもったいない…
とにかく、自分の頭の中からまずは外に出すことが大事なんです!

そう思うと、少し気が楽になりませんか?


3. ひらめきはアイデア出しをしていない時に起きる 

古代中国の詩人、欧陽脩は、ひらめきが起こりやすい環境を「三上」と言う言葉で表現しました。

▼三上とは
・馬上(馬に乗っている時)
・枕上(布団で横になっている時)
・厠上(トイレにいる時)

ここには、いかにもアイデアを考えていそうな「机上」という言葉は出てきませんが、実はそれは現実に即しているのではないでしょうか?

例えばランニングをしてたら、ふと悩んでいたことの解決策を思いついた.. 等々、実はひらめきは意図していない時に起こることが殆どです。


でも、だからと言って「じゃあ机上ではアイデア発散する意味なんて無いのでは?」といったことにはなりません。

それは、そうしたひらめきが起こるためには、物凄く沢山の「踏み台となるアイデアたち」が既に存在していることが必要だからです。

とにかく沢山「自分の外に出した」アイデアたちがあるからこそ、何かの拍子にそのいくつかが繋がり、ひらめきが起きるといったイメージです。

そう考えるとこれまた、「良いアイデアを出そう」と頭の中で考えている時間がもったいない… とにかく大切なのは、量を出すことなのです!

そう思うと、また少し気が楽になりませんか?


4. 誰しも自分のアイデアが大好き

このタイトルを見て「別に自分のアイデアを優れていると思ってはいない!」と思ったとしても、もし「自分のアイデアについて他人はどう思うだろうか..」と思っている自分がいたら、それはある意味「自分のアイデアが大好き」な証拠です。

そもそも自分が出すアイデアについて、なぜ人の目を気にするのでしょうか?

それは、自分自身が、自分のアイデアにある意味強い関心を持ってしまっているからです。

「愛」の反対は「無関心」ということを考えると、ある意味自分のアイデアに「愛着を持っている」とも捉えることができます。


先述の観点2と3を振り返ってみましょう。

アイデアは、まだ自分の中や社内にある段階ではその良し悪しは誰にも分かりませんし、所詮何かの拍子に起こるひらめきの踏み台にしかなりません。

そう考えると、自分のアイデアに愛着を持っている時間がもったいなくありませんか?

実は、アイデアの発散をする時は、「何とでも料理してくれ!」くらいの気持ちで、まずは思いついたことを外に出してみるくらいの気持ちで十分なんです。

ここまでくると、もうかなり気が楽になったのではないでしょうか?


大切にしたい3つの態度

さて、この記事では、アイデアについて理解しておくべき事実として、まず初めに「思考モードの『完全な』切り替えが必要」ということをお伝えしました。

そして、続く3つの観点を通して、総じて「とにかく沢山のアイデアを外に出してみることが大事」といったことを感じて頂けたのではないでしょうか?


ここまで来ると、もう既に大抵の方はお気づきかもしれません。

アイデアを生み出す時に重要なのは、性格や才能では無く、シンプルに「どう言った心持ちでいるか」、つまり「どのような態度でいるか」といったことが言えると思います。


個人的に、その「態度」は次の3つにまとめられるかなと考えています。

1) 全てを歓迎する!
2) 自分のアイデアは「踏み台」だと考える!
3) 真剣に考えない!

もちろん、常にこんな態度で生きていたら自尊心のかけらも無く、間違った意思決定をしまくることになりますが、思い出して下さい、ここでは「拡散思考」の話をしています。

大抵人は、物事を考えるとき、様々な制約を意識した検討や分析を行なっています。それは、出来る限りのリスクを回避し、自分自身の命を守るという生物の本能的にはごく当たり前のことです。

でも、アイデア出しをする時くらいは、完全にそれらを取っ払っても良いのではないでしょうか?

そうでなきゃ、磨きをかけるために必要な「制約」の加えがいがありませんよね。

この記事が、皆さんのアイデア出しで何かお役に立てればとても嬉しいです!最後まで読んで頂きありがとうございました。




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