見出し画像

「移動する人」に応じた場のデザイン

在宅勤務という言葉の通り自宅にいることを前提にしていたテレワーク。だけど昨年、訪問した長野県諏訪郡富士見町の「森のオフィス」を見て、今時のリモートワークは「移動する」ことが前提にあるのだと思った。

森のオフィスは元々、武蔵野女子大学の保養所だったところを富士見町の予算で回収して出来た。構造は別荘のようで環境最高です。

中央部はコワーキングスペースとなっており、両サイドにある個室はサテライトオフィスまたは、打ち合わせスペースとしてレンタルされている。

リビングダイニングスペースもあり、地域の社交場になっていると言う。土日になるとイベントやワークショップへ参加する家族連れも多く賑わうようだ。壁には訪れた人たちの「名刺」や「お願いごとメッセージ」が貼られており、ニーズとスキルのマッチングなども頻繁に行われているそう。

ちなみに、富士見町に住み森のオフィスを拠点にしながら働く人を数人知っているのですが、A氏は、大手電機メーカーに在職しながら、週の半分を東京、もう半分を富士見町で仕事をする、いわゆる二拠点居住者。

B氏は地域起こし協力隊の制度で、富士見町へ関わりを持つようになったプロダクトデザイナー。地元の静岡?にも戻ったりしながら自由に仕事をしていると聞いた。

そして、最後のC氏は私の友人で、大手人材系企業に在職しながら、居住地を富士見町に移し、A氏と同様に週の半分は東京、週の半分は富士見町と二拠点居住を行っている。

このようにA、B、Cの3人に共通して「移動する」ことが前提にある。ジャーナリストの佐々木俊尚さんも「移動する」人ととして知られていますね。

こうやって、移動しながら仕事をする人が増えてくると、そのうち中長期的にその地に滞在する滞在型のリモートワーカーも数多く現れることが予測されます。その人たちは「コワーキング」を利用して仕事するのだけど、そこに共同生活できる「コリビング」も併設されていれば、コミュニティにも参加できるし便利で満足度も上がる。

コワーキングから「コリビング」へ、米国発の新たなトレンド

米国では既にトレンドになりつつあるコリビング。コミュニティを重視する姿勢がミレニアル世代に受けていると記事の中に書いてあります。

こうして考えていくと、現在コワーキングの機能として地域の拠点にあるスペースは戦略や機能の見直しをした方が良いのかもしれない。逆に、これからそのようなスペースの構築を考えている地域に関しては「移動」や「旅」という今時ワーカーのアクションも考慮して「移動する人の体験のデザイン」するべきだと思う。

それに、移動しながら仕事する人の中には、当然起業家のようなタイプもいるわけで、もしかしたら訪れた地でその土地の人と交流してアイデアを交換していくうちにビジネスアイデアがスパークして、その地で起業するということも十分に考えられる。そうすると定住するので地域にとっても嬉しい。

地域一つ一つで考えると母数が小さいため、その人口だけを頼りにするにはリスクが大きい。とするならば、移動する今時ワーカーを相互に受け入れるような体制を整えた方が地域にとっては良いのかもしれない。東京の受け入れ先としては、今流行りのWeworkなどが候補にあがりますね。

前から思っていたけど、テレワークもリモートワークもコワークも様々な社会課題(少子高齢化、孤独、地域創生、核家族→拡大家族など)の解決にだいぶ効きますよね。良いことならばもっともっと社会に定着すればいいのに、そんなことを思っています。

お近くの茅野市にも最近ワーキングスペースが出来た模様。覗いてみるとコリビングの機能はないようだが、機会があれば訪れてみたい。

https://www.facebook.com/worklabyatsugatake/

この記事が誰かの何かのお役に立ったら幸いです。それでは今日はこの辺で。

最後まで読んでくださりありがとうございます。 いただいたサポートは書籍の購入にあてさせていただきます。