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レディ・プレイヤー1鑑賞とVRへの期待

レディ・プレイヤー1」を観ました。

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評判通り、かなりエキサイティングな映画でした。2045年といえば昨年観たブレードランナー2049とほぼ同じ時代設定。ブレードランナー同様、現実世界は結構ディストピア感に溢れていた.....

とりあえずは、ネタバレにならない程度に要約文を書いておきます。

この物語の舞台は、2045年のVRワールド「OASIS」。仮想世界ではあるものの想像したこと全てが現実のものとなるため、若者たちにとっての理想郷となっている。主人公(ウェイド / パーシヴァル)は貧乏な家庭に育ったゲームオタク。現実世界に居場所はない。荒廃した町の貧乏な暮らしから脱したい一心で、OASISで繰り広げられるトレジャーバトルに懸ける日々を送っている。

そのバトルは、宝を手にしたものはOASISの後継者にするというもので、この過酷なバトルを支配しようとやがて巨大な組織が現れる。迫り来る組織の陰謀に巻き込まれながらも、仲間や愛する人と共に宝を探し、陰謀に立ち向かいながら、1人の男として成長していく物語となっている。

本編唯一の日本語セリフ「俺はガンダムで行く」を、インターネットやTVCMで見たことがある人は多いと思いますが、登場するのはガンダムだけではありません。和洋問わず歴史的なゲームのキャラクター(あるいはそれに類似したキャラクター)が有象無象に登場します。

つまり、主人公と同じように今まで様々なゲームをやりこみプレイをしてきた人にとっては120%楽しめる内容になっていると思います。ちなみに、その量は1時停止でもしない限り脳の処理が追いつかないほどです。1シーンの情報量が多すぎるのもこの映画の大きな特徴かもしれません。

あんまり書くとネタバレになるので、ぜひ映画館で観てみてください。

ここから先は「VR」に関して、シリコンバレー・東京・地方などをキーワードに今、考えていること、期待していることを示します。

レディ・プレイヤー1の世界では、ヘッドギアをつければ、なんのストレスもなく現実世界とVR世界を行きすることができます。VR世界では、アバターとして何の不自由もなくコミュニケーションをしたり、移動したり、買い物をしたり、誰かとダンスをすることもできる。作中には、現実世界とVR世界を間違えるようなシーンもあるがそれほどに差がなく、とてもなめらかだ。と同時に、今僕たちが体感できているVRとは相当開きがあると感じた。

ぼくは地域再生の文脈から、VRの進歩にかなりの期待を寄せている。

今は、新しい技術やアイデアがお金になる時代だ。これを「頭脳資本主義」と神戸大学の松田卓也教授は呼んでいる。この頭脳資本主義の下では「集積のメリット」が生まれる。要するに、頭脳を持った人たちが集まり交流した方が新しいアイデアが生まれやすくなるというものだ。

この極端な例がアメリカのシリコンバレーだ。IT企業であれば遠隔地にいてもインターネットを介して仕事ができそうなものだが、それにもかかわらず、こうした企業がこぞって賃料の高いシリコンバレーに拠点を構えているのにはしっかりとした理由がある、と聞いたことがある。

それは、似たような起業家同士がワインパーティやBBQなどを通じて情報を密に交換することによって新しいアイデアが生まれてくるからだそうだ。

日本に目を移してみよう。シリコンバレーほど高密ではないかもしれないが、首都東京でも絶えずこうした情報交換が行われており「集積のメリット」が生じている。このことにより東京は高所得の地域となり、それを求めて地方から東京へ人が集まってきて、集積度が増していくという好循環が起きている。

地方ではその逆に、人が少ないために集積のメリットが得られず、そのために所得が伸びない。そして、ますます人は都市部へ向かってしまう。地方から都市部への人の流れが止まらない限りは、多くの場合の地域再生は残念ながら、負け戦をいかによりましに戦うかということにしかならない。

このような流れを逆転させる方法に「VR」があるというわけだ。

VRが高度に発達すれば、離れたところにいる人たちがVRを使って東京で行なわれるワインパーティーやBBQに参加することができる。しかも、現実とほとんど変わらない体験ができるのであれば、都市部にいなくても先端的な情報にアクセスすることができる。まさにレディ・プレイヤー1のVRだ。このようなVRがあればいくら遠く離れていても「集積のメリット」を得ることができ、地方でも新しいアイデアが生まれやすくなる。

実際、島根県海士町、高知県本山町、岐阜県郡上市、長野県富士見町など、今、盛りがっている地域は必ず「集積のメリット」が働いている。結局のところ地域づくりというのは「頭脳(人)」がどれだけ同じ時間と空間を共にできるかなのだと思う。「三人寄れば文殊の知恵」とはこのことだ。

ぼくが東京を離れ、埼玉の端っこで一人になってみて感じているのは「集積のメリット」の無さだ。アイデアがあっても直接、交えることができない。ZOOMやSlackなどのITツールを駆使してはいるものの、似たような企業家と現実世界で会い意見交換をする機会はほとんどないに等しい。つまり、考えたアイデアがアップデートされにくく、単騎で行くしかない。だから、現在は「優秀な頭脳」をもう一つ増やすことを主眼に置き活動をしている。

VRが高度に発達すれば、地域再生は今よりももっと劇的に進むし、より斬新で持続可能なアイデアが生まれるはず。これとセットでBI(ベーシックインカム)が発動すると、一気に東京から人が地方に流れそうな感覚がある。

というかそうでもしないと地震などの大災害が起きない限りは、本当に東京への人口の流れは止まらないと思う。ということで、VR関連ネタは地域で営む身の重要事項として引き続きウォッチしていきたい。

最後に、「俺はガンダムで行く」に対して、

「俺だったら覚醒ストレリチアで誰かパートナーと行く」と思う(笑)

このnoteの元ネタはこちらです。


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