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アメリカ大統領が乗る「地球上で最強の自動車」について。

米大統領選の選挙人による投票が12月14日にアメリカ各地で行われ、民主党の「ジョー・バイデン氏」が過半数の票を獲得した。

これによって、バイデン氏の当選が正式に確定となり、大統領就任に向けた最終段階の手続きがまた一つ進んだことになる。

ドナルド・トランプ現大統領の任期は、アメリカ憲法修正第20条に基づき2021年1月20日正午に終了し、バイデン氏は来年1月の就任時には78歳でアメリカ史上最高齢の大統領に就く。

一方で、側近は次々にいなくなり、ツイッターでは問題発言を繰り返し、アメリカの半分から嫌われ続けたトランプ氏も4年間の任期をなんとか全うする、ということにもなる。


率直に言うと、こんなムチャクチャな人が大統領になっても、それなりに機能するアメリカという国のシステムの凄さには個人的に感心していた。

もちろん、アメリカ国内で生きている人にとっては、たまったものじゃない4年間だったに違いないのだが。


私は分断するのではなく団結させる大統領になると誓います。赤と青に分かれた州ではなく、団結した州(合衆国)を見る大統領に、国民全員の信頼を勝ち取るために全身全霊で努力する大統領に

と語るバイデン氏。

反対の意見を持っているかもしれない、でも、敵ではない。

という言葉が印象に残っている。


完全勝利の「トリプルブルー」とはならず、「上下両院のねじれ構造」の中で、どのような政策展開が進むのか。

来年以降のアメリカの動きを注視していきたい。


さて、今回はそんな米大統領にまつわる「ネーム」のお話から。


米大統領は、上空を移動する際には「エアフォースワン」や「空飛ぶホワイトハウス」という「通り名」で知られる専用機に乗る。

この名前は知っている人も多いだろう。


そして、地上を移動する際に乗るのは、「地球上で最強の自動車」と言われる大統領専用車「ビースト」だ。

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このネーミングは、大統領専用車をその重装甲の度合いから「地球上で最強の自動車」という意味を込めて付けられたという。

大統領のシークレット・サービスでは「The Beast」という愛称で呼ぶようになり、それが一般にまで広まった。


地球上で最強とは、一体どんな自動車なのか?


ビーストは、GM社のキャデラックをベースに、様々な改造が施されており、その仕様を見ると納得せざるを得ない。

以下に、地球上最強と言わしめる仕様を示す。


<外観>

・各種の装甲や防弾・耐爆仕様とした結果、車両重量は「約9トン」(コンパクトカー約9台分)

・ガラスは多層の防弾仕様となっており、最も分厚い部分では厚さ「約13cm

・ドアにも各種の装甲が施されその厚みは「20cm以上


このように、外見だけでもインパクトが大きいビーストだが、中身にもさまざまな装備を備えており、あらゆる手段の攻撃から大統領の安全を守る。


<内側>

・外敵の侵入を防ぐため、ドアハンドルに「電気ショック」や「催涙ガス」など採用

・万が一の救急医療体制も万全。各種医療用品をはじめ、車内の冷蔵庫には大統領が負傷した際に使用される「輸血用血液」が大量に保管されている

・「生物兵器」や「化学的攻撃」を受けた場合でも車内の空気は完全に独立して清浄な空気で満たされており、外界とは完全に遮断される

・防弾ガラスと装甲で強化されたボディは「携行式ロケット弾」の攻撃にも耐えられる・タイヤはケブラー繊維が使用されたランフラットを装着しているが、タイヤが吹き飛ばされた場合でもリムだけで走行可能

・直接、銃で攻撃されても爆発しないよう燃料タンクは、フォームシールにより完全密封・車体下も当然、耐爆処理が施されており「手榴弾」や「IED(即席爆発装置)」などから守られる

・夜間視界カメラがクルマの前部に隠されており、ヘッドライトが使用不能に陥っても夜間の走行が可能。さらにここには「催涙弾の発射機」がある・車両後部には追っ手をまくための煙幕発生装置も備わる

・大統領席には、「副大統領」と「ペンタゴン(米国防総省)」につながる衛星電話が備わっている


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「漫画かよ」とついツッコミを入れてしまいたくなるようなウルトラ頑健な「鎧」で、核攻撃にも耐えられるというのだから「チート」と言わずなんという。もう乗用車と呼ぶのは似つかわしい。


このように、「ビースト」に備わるあらゆる価値が総体となって、「地球上で最強の自動車」という強烈なコンセプトは生み出されている。


トランプ氏の「ビースト」は、オバマ大統領時代のビーストに「約17億円」をかけてさらなるセキュリティ強化を施したそうだ。


バイデン氏が搭乗する駅馬車「ビースト」は如何なものになるのか。

私にとって「ビースト」は、米大統領就任時の楽しみの一つである。


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それでは、いってみましょう。


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