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「コミュニティ」と飲食店(4.実食編)

IT業界でユーザーコミュニティの立ち上げに関わってきなかで、これまでなんとなく感じてきた

「コミュニティ」と飲食店は似ている

ということを、要素分解して考えてみることにしました。コミュニティの理想形は、飲食店の理想形と似ているのではないか?その仮説を検証する試みの第4回「実食編」です。よろしければ第1回「認知編」、第2回「関心編」第3回「入店編」もご覧ください。

飲食店での実食

飲食店で実食する時、どんなことが考えられるでしょうか。自分が飲食店を訪れる場面を想像して、ぞれぞれコミュニティと比較してみます。

実食前
食器や盛り付け等の「視覚」で印象付けるもの

実食中
味・・・最も重要で印象に残るもの
質・・・その店の拘りを感じるもの

実食後
量・・・適切さが求められるもの

なかなか言語化が難しいですが、これをコミュニティに例えるとどうでしょう。コミュニティイベント(会場で実施するMeetupなど)での登壇場面を「実食」に例えてみることにします。

実食前→登壇の開始
タイトル、フォント、デザインなどの【視覚】情報は開始(実食)前の「つかみ」効果をもたらします。加えて、表紙や2枚目の自己紹介の段階で簡単なアイスブレーク的なやりとりが参加者との間でなされれば、その後の登壇でのリアクションも望めます。なおオンラインイベントでは、この「観客のリアクションが見え(感じ)ない」という声が登壇者から多く聞こえます。この場合は、チャットやコメント欄で何かしらのレスポンスをもらうような「仕掛け」があると良いでしょう。

実食中→登壇コンテンツ
内容がそのコミュニティのテーマ・興味関心に応じて「新しい知見・発見」「学び」「共感」などをもたらすものであれば、満足感は高いものになります。登壇者は、参加者の期待に応えられるよう 1. 同業の知人 2. 接点があまりなかった人 などに「フィードバック」「壁打ち」を依頼すると良いでしょう。同業の知人だと、評価が甘くなってしまい客観性が低下しがちです。コンテンツの質を高めたいときは、逆にあまり接点のなかった人に依頼するなどの工夫もあると良いでしょう。

実食後→登壇の終了
料理の例で「量・・・適切さが求められるもの」と分析してみましたが、登壇コンテンツが面白ければあっと言う間に時間が過ぎてしまいます。しかし登壇者の「喋り」が聞きづらかったり、内容が単調で「これは面白い(美味しい)」と感じることができなかった場合は「長いな」と感じてしまいます。ここはやはり「美味しかった、でも少し物足りないな」ぐらいに留めるような工夫が必要でしょう。その設計により、登壇者のSNSをフォローしたり、懇親会での声がけにつながる確率も増えます。人は、すべてを提供してしまうと逆に逃げていってしまうのです(自戒をこめて…)。

「実食編」まとめ

飲食店において、その印象を決定づける要素である「実食」。今回は飲食店で提供される料理をコミュニティイベント(会場で実施するMeetupなど)における登壇コンテンツ部分に例えました。視野を広げてみれば、そのイベント全体を「実食」と考えることもできます。つまり、

コミュニティイベントはコース料理である

といえるのではないでしょうか。

次回は「実食」に続き「会計」の段階について、コミュニティと飲食店が似ているという視点で考えてみます。

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