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食べて寝て北へ。~フィンランド旅行記③~

 私にとってもはや第二の家族以上であるホストファミリーは、父、母、兄、姉、妹の五人家族であり、全員スキーが上手い。今回フィンランドに帰郷した目的は他でもないスキー旅行だ。家族全員が板、ブーツ、ストックの三点セットを持っている。家族でスキーに行き、リフトの上からそこそこの上手さで目立つスキーヤーを見つけると、大抵家族の誰かだ。留学当初はヒザ伸へっぴり腰ボーゲンしかできなかった私も、 彼らと一緒に滑っていたらきっかり14日間でカービングスキー(スキー板を直角に近い角度で立ててグググッと曲がりながら滑る技術)を習得することができた。 今回は現役バリバリの家族に姉の彼氏を加え、フィンランド北部のIso-Syöteというところへスキー旅行に行く。

 私はフィンランドについた翌日、電車で北部にあるOuluという街に向かう予定だ。姉とその彼氏はHelsinkiから私と同じ電車に乗り、飛行機で先にOuluに到着した家族達と合流する。

当時のキップ

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 列車に乗り込み、姉たちとお久しぶりの挨拶を交わしてから、ようやく一息つけた。昨日今日は洗濯だ荷造りだ思い出話だと、家で心休まる時間がなかったので、これがようやく訪れた旅行者気分を味わう時間だ。留学で初めてフィンランドに来たときもまず列車に乗ったが、飛行機が遅れてドタバタしていたため、当時は焦っていて世界の車窓からを模倣する余裕は無かった。だが今回は、アレパで買ってきたカレリアンピーッラッカとパイナップル入りピザ、そしてファッツェルチョコをゆっくり味わいながら車窓を流れる故郷を楽しもう。まだ旅は始まったばかりだ。

18時でもなおこの明るさである。

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 ウトウトしていたらOuluまでの6時間はあっという間だった。
 Ouluには姉の彼氏の実家があり、これか向かうスキー場は彼の言わばホームゲレンデである。スキー場の脇には家族で所有するコテージがあり、冬になると家族でそこにこもってスキー三昧だったらしい。今回はそのコテージに彼の家族も来ていて、僕の一家も近くのコテージに滞在する。全員カウントするとだいぶ大所帯でのスキー旅行である。

Oulu駅から北東に車で2時間、目的地のIso-Syöteは結構近い。      ちなみに左上のHaparandaという街にかかる線はスウェーデンとの国境だ。

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 道中、ABCというフィンランド版サービスエリア的なお店に寄った。
このABCは国内いたるところにあり、レストランとスーパーを併設したドライブの休憩所のようなものだ。不思議なのは全国どのABCでもメニューはほぼ同じで、所謂ご当地ナントカはあまり見かけない。私はいつもチーズバーガーセットか、サーモンパスタを食べるのが習慣だった。今回も同じくテイクアウトのハンバーガーだ。セットで約700円、やはり少し物価が高いな。

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 フィンランドに来るとご飯にがっかりする人が少なくないらしいが、住んでみるとそうでもない気がする。深夜にホームパーティを抜け出して食べる激安ピザも、早朝までクラブで飲んだ後に買って帰るが絶対に食べきれないケバブも、朝日が見えるまで飲んでから朝ごはん代わりに食べる朝マックも、どれも美味しい。どれもただのジャンクフードでフィンランド料理ではないが、フィンランド文化の一部として味わえばフィンランド料理だ。
 そういうわけでこのチーズバーガーセットも格別の美味しさがある。これは単純に日本へで輸出きるものではないので、ぜひ自分の足で現地を訪れ、適切な文脈で味わってほしい。

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