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夕暮れ時のさびしさに

金のラッパ?
吹けない吹けない。

どうも、私です。
今週から始まった月・木更新の企画『ワタシとウタ』、第2回は「夕暮れ時のさびしさに」です。
独特なサウンドと緻密な歌詞、唯一無二の存在感を放つバンド、たま。
おそらく同世代の方はほとんど知らないのかな、もしかしたら「さよなら人類」はご存知かもしれませんね。
私はたまが大好きなのですが、その中でもこの曲が好きです。
少し詳しく話したいと思います。

少年時代を思い出す曲というのは世の中にたくさんあるわけですが、あなたにとって少年時代の印象とはどのようなものでしょう。
大人になった今を憂いて、あの頃はよかったなぁと輝かしい記憶の数々。
「あぁ、俺たち汚れちまったぜ…」なんて言ってみたりするんですよね、ド偏見です、すみません、まだ大人になりきれていないもんで。

しかし、この曲はもう一つの路線。
この曲を聴くと、夕方の情景や夕方になんとなく感じる虚しさを容易に思い浮かべることができます。
5時のチャイムが終末感をもたらすあの雰囲気です。
陽気な「ハーイヤッ!!」すらも、果てしなく物悲しい。

ここまでは情景描写の巧みさについての話ですが、まだ唯一無二とは言い切れません。
例えば、井上陽水さんの「少年時代」。
”風あざみ”、大天才ですね。
完璧な造語にも関わらず、あれね、と納得してしまう。

ところで来週の月曜日はそんな大天才、井上陽水さんについて書きます。
気になる方はフォローをして、楽しみにしていてください!

告知申し訳ございません、本題に戻ります。
ここまででも既に非凡なのですが、ある要素によって完全に常軌を逸します。
それは、”狂気”です。

歌詞に注目してみましょう。

奇妙さでゾワっと。
何かの合図で、何かが次々と崩壊していく。
一体、何を暗に意味しているのでしょうか。

さらに奇妙さを際立たせるのはその歌詞の構造。
この楽曲では、不安だけでなく安心も与えられます。
普遍的なテーマで安心していると、突然孤独に襲われる、慣れたものさえ初めてのように見知らぬ顔をするのです。
のんびりとしたメロディー、陽気な声、寄っては離れていく歌詞。
その全てが恐怖心を最大に煽ります。

ここからは完全に私の解釈です。
この構造により、昼の緩和、夜の緊張、昼と夜の隙間にある夕方という曖昧さが見事に表現されていると思います。
無意識の中にこの感覚を刷り込ませることで、よりリアルに、あたかも自分の経験のように感じてしまうのですね。
きっと言葉で解説するのも野暮ですので、是非初めて、もしくは改めてお聴きください。

この曲に限らず、たまの曲には宗教観などの深い要素がふんだんに詰め込まれています。
膨大な情報量を見事に一曲にまとめあげる能力は、日本人歌手では他に類を見ないほどです。
この文章を彼らに要約してもらうと、わずか一行になってしまうかもしれませんね。
あの伝説のバンドをリアルタイムで体感したかった…

夕方の不気味さ、その神秘的な空間をたまと一緒に楽しみましょう。
もちろん、私もお供させていただきます。

牛乳で乾杯しましょう!


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