幻のキノコを探して~パンガン島(タイ)編~
常夏の楽園からサワディーカップ!ご無沙汰もご無沙汰で、My brothers & sisters も元気してるかな。
私はいまタイのスラートターニーという南部の町からこんにちはしております。
早速なんですが、私の友人が"人生で初めてマジックなマッシュ(通称MM)を食べてみた"らしいので忘れない内にレポートがてら代筆していきたいと思います(笑)
たどり着いたはパンガン島
桜の開花を待ち遠しく感じる季節、少しまとまったお金と時間ができたので東南アジアの玄関口であるタイへ旅行に行くことにした。実はインドに行きたかったのだが4月〜5月が最も暑いシーズンらしく、流石に身の危険を感じたのでタイに行き先を変更したのだ。
しかしタイも結局は猛暑だった。
タイに着いたらなんと、2度目の不発に終わったセッションを共にした友人もタイに来てるではないか。
バンコクに降り立ち特に無計画だった私はその友人がいる海が近いリゾート地:Pattaya(パタヤ)を最初の目的地にすることにした。
バスで2時間半ほど揺られパタヤにたどり着き、夕日が水平線に消えるビーチで友人と待ち合わせをする。
彼女はすごい、生粋の旅人。
もちろんそれは皆んなが知っているんだけど、生粋のヒッピーでもある。「どこに楽園(エデン)があるのだろうか?」その問いに「パンガン島ならあるかも」との返答。
よし決めた、パンガン島に向かおう。
次の日パタヤを後にした。
突如現るシロシビンロード
パンガン島の主なエリアは船の発着場であるトンサラ港、世界三大パーティのフルムーンパーティが行われるリンビーチ近くのハードリンエリア。ビーチは島のいたるところにあり、海辺から山奥までを会場とした様々なパーティが毎夜、爆音で空気を振動させる。
私はハードリンエリアの宿を確保していたので乗合タクシーで30分ほど揺られる。エグい傾斜の坂が何箇所もあり何度も冷や汗が出た。
宿でチェックインを終えバイクを借りて町を走ることにした。
するとすぐに「One Love Market」という両側にバーやら軽食のお店が並ぶ短いウォーキングストリートが出てきた。
少し怪しい…
その道を通る最中にキレイに整った小さい公園があった、いわゆるチルスポってやつだ。その公園の名前なのか道端には看板が立っていた。
Psilocybin bar
……
「あぁ…なんて場所に来てしまったのだろうか…」
その奥には両側に一軒ずつキノコを扱っているお店があった。シェイクにして飲む方法が一般的ではあるみたいだが、もちろん乾燥したヤツもいた。
何度か通って顔を覚えてもらい交渉した結果、500B(約2000円)/gだったのが最終的に350B(1400円)/gまで下がったので5gを袋に詰めてもらい、踊るような足取りで帰路についた。
未知の領域へ、いざ参らん
本番の日は何も食べず昼ごろに摂取した。
匂いは少しピリッとする刺激臭と土の匂いも微かに香る。ほとんど無味、しめじを生で食べれる人は余裕だと思う、しめじの方が3倍ぐらい不味い。しかし歯ごたえはしっかりあった。まるで宇宙食のように乾燥し渇いた味が口の水分を奪い去ってゆく。
そして5gは結構な量だった。4〜5口ぐらいで考えていたのが2口目ですでに喉が受けつけない。でも初めてだし失敗したくないからできるだけ噛んで成分を摂取したい!口に入れては噛む、噛む、少し休憩して、噛む、そして噛む………
次の瞬間!!…
「ヴオオオォォエ”エ“エエェェッ!!!!!!!!!」
空腹のせいか幸いゲロは出なかった、急いで飲み物を流し込み何とかヤツラを胃の中に押し込む。あとは時間が流れるのを待つだけだ。
15分ほど経ったであろうか?下腹あたり、胃というかミゾオチあたりがムズムズする。似ているけど便意ではなく、腹痛でもない。吐き気でもないけど胸あたりが窮屈で呼吸しずらい感覚。セロトニン受容体と物質の成分が反応すると起こるものなのか、紙を摂取する際にもカムアップ時によく起こるのと似た症状だった。
そんなことに気を取られながらも視界の変化に気がついた。
明らかに普段よりも彩度が上がっているのだ。
感覚的にいうと彩度が5段階ほど上がり、物の縁取りがボヤけるように視界全体でブラー(ぼかし)のフィルターがかかり、そして3Dレイヤーを重ねたように立体的な模様が浮かび上がり、それが今にも揺れようとしている。
”幾何学模様が規則正しく同じ速さで回転している”
のと
”立体的なフィルターで視界の線がボヤけ漂う”
が紙と茸の違いだと私は感じた。
少し外に出たり音楽を聴いてもすごく心地良く、笑いのツボが浅くなるような平和的な感覚はあった。満たされてるとも感じたし、何より自然にあるキノコの成分で、人間がいとも簡単に変性意識に入れることを体験できた、喜びにも似た気持ちになった。
紙との比較で一番強く思ったのは”恐怖があるかないか”だった。
またこの違いについては詳しく一本まるまる使って書きたいのだが、簡単にいうとキノコで目の前が怖くなった時は目を瞑れば追いかけてこない。しかし紙は目を瞑っても耳を塞いでも私たちの意識の糸が繋がっているかぎり地の果てどこまでも、そして這ってでも常に追いかけてくる。それぐらいの怖さの違いはあった。
その点ふまえて、サイケデリックス初心者におすすめなのは俄然キノコだと私は思う。キノコで変性意識を体験し紙でその意識ごとぶっ飛ばされた方がまだ安全な気がする。逆に紙を先に体験してしまった私からすると(500μgまで)、5gのキノコでは余裕で意識を保つことができた。
「手に入りやすさ、摂取方法、効果、深み、価格」などを考えるとキノコよりも紙の方が好きだなと私は感じた。ただ入りも抜けもナチュラルな感じで気持ち良いし悪くない、けど軽めのドラッグだったな」
というのが率直な感想である。
と、この時までは確かにそう思っていた。
続く…
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