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本当に忙しい時に大切にしている仕事のルール

フリーランスデザイナーの井上新八です。

主にブックデザインの仕事をしています。
20年くらい自宅で1人で仕事しています。
ありがたいことに忙しくさせてもらっています。

いや、ほんと、ありがたいことに、なんですが、
この2カ月ほど、いったいどうしたんだ?
ってくらい忙しかった。いや忙しすぎた。
いままで経験したことがないような忙しさだった。

単純に仕事の依頼が増えたというのもあるのだけど、
それなりにきちんとスケジュールを管理しているはずが、
気がついたら終わってない仕事が通常の2倍近くに膨れあがっていて、
どこで計算を間違えたか…という状態だった。

スケジュールの管理ミスと言われればそれまでなんだけど、
春頃発売の予定で動いていた本の発売が延期になって夏に集中したり、
急に断れない仕事が舞い込んできたり、
ずっと音沙汰のなかった仕事が急に動き始めたり、
終わったと思っていた仕事が突然やり直しになったり、
こちらではコントロールできない事態が次々と重なって、
毎日が戦争のような状態だった。
ほんとに、次から次によくもま〜と目をうたがいたくなる日々。
1日に5、6回はパソコンを叩き壊したくなるし、
「仕事やめたい、どこかに逃げたい」って毎日だった。

ふつうにやってたら、どうやっても終わらないし、
連日、3時か4時に起きて夜までほぼ休憩なしで働いて、
仕事自体は終わらせているのに、
減っていくどころか、むしろ増えていく。
1日48時間は欲しい。
いやもっと欲しい…ってそんな感じ。

ようやく今、少しだけ落ち着いてきて、
通常時くらいの状態に戻りつつあるのだけど、
それでも現状で40冊以上仕事を抱えているので、
これで楽になったと思えるのがおかしい…。
それでも2週間くらい前に比べると本当にだいぶ楽になった。

ただ、本当にこういうときこそ、
しっかり大事に仕事しないとなって思う。

今まで何度も似たようなことがあって、
その度に雑になったり、投げやりになったりして、
あとで後悔することになった。
同じ後悔はしないようにと自分に言い聞かせての毎日だ。

せっかくnoteで仕事の習慣も書いてきたので、
通常よりも忙しくなったときにどんなふうに乗りきっているのか、
今回は自分の行動を意識しながら過ごしてみた。

忙しい時、どんなことを大事にしているか、
大まかにいうと
・忙しくても習慣は崩さないほうがいい
・仕事のルールを言語化しておくといい
・優先順位は考えない方が楽に進む
・小さな仕事も先送りしない
・負の感情は表に出さない
・本当に大変なときこそ、ていねいに当たり前のことをやる
ということだ。
これ以上のことは書いていないので、
ここまで読んで終わっていただければと思う。

この後書くことは、この先、自分がまた大変なことになった時用の覚え書きだ。

◎忙しい時ほど規則正しさが大事

毎日欠かさずやってる朝のルーティーン。
詳しくはこちら

忙しくて時間がないときは、
日記なんて書いてる場合じゃないし、
ましてやどうぶつの森なんかやってる場合じゃない。
ジョギングなんか数日サボってもいいだろうし、
それで2時間以上は作業時間が確保できる。
やらないほうがいいかも…って日がある。

ただ、どんなに無駄だと思っても、
習慣はしっかり守った方がいい。

規則正しくきっちり日々の習慣を守る。
日記もゲームもジョギングも筋トレもしっかりやる。
いつも通りの1日だということを自分が認識することが大事。

「正気を保つ」「パニックを起こさない」
このために朝の習慣があると改めて思った。
忙しくて気が変になりそうなときこそ、
習慣をしっかり意識することが重要だ。

朝15分、散歩に行くとか、
ストレッチして、コーヒーを入れてから仕事に向かうとか、
小さな事でいいから習慣を作って守るのはすごく効果があると思う。

「毎日続けている習慣が自分を作り上げていく」
ってメンタリストDaigoもCMで言っている。
人間の1日って50%は習慣なのだそうだ。

とにかく、毎日のルーティーンはしっかり守った。
記事を書いたときより少しだけルーティーンは変わっていて、
夏なのでジョギングは昼ではなく朝のうちに行くようにしているのと、
毎朝少しだけ読書の時間を作るようにしたのと、
つい先日からSwitchの「リングフィットアドベンチャー」も始めた。
つまり少しだけやることが増えた。

あとは、noteを書くというのもここ数ヶ月で始めた習慣の一つだ。
月曜日の午後に投稿できたらするっていうゆるいルールを設定している。
ただ、これは相当キツくて、
これを書くために週末映画に行けなくなったし、
「愛の不時着」も6話を最後に続きが見れていない…。
いろいろなことを我慢して、週末の時間を完全につぶして、
さらに作り込みが過ぎると仕事に支障をきたすこともあって、
何でこんなことを続けているのか…っていう疑問もあるのだけど、
続けてみないとわからないこともあるから、
ひとまず今は深く考えずに続けてみている。

もちろんそれなりの効果はある。
「仕事以外に大変なことを作っておく」ことで、
仕事自体のキツさが少しやわらぐ効果はある。
ただ、それ以外に大きな効果もあった。

◎あらかじめ仕事のルールを言語化しておく

ものすごく忙しくてどうしようもなくなる場面に直面して、
本当に良かったなと思ったのは、
仕事のルールを言語化しておいたことだった。
つまりnoteを書いておいてよかったということだ。

例えばデザイン案を作るときのルール
一度寝かせて別の自分で向き合う>最後にもう一度リセットする
というルール。(詳しくはこちら

仕事を受けたら、いったん形にして、
数日寝かせて、またゼロから作って、最後にもう一度壊して作り直す。
ということなんだけど、
ルールとその理由をきっちり言語化しておいたことで、
自然とそのことが実行できたと思う。

忙しすぎて、手を抜いてしまいそうな時に、
「何をするべきか」「なぜそれをするのか」が
しっかり自分の中に根付いているのはとても助けになる。
打ち合わせの翌日に必ず仕事に手を着けるというのが、
どうしても2日後、3日後になることはあったけど、
プロセス自体は手を抜かずにきちんと実行できた。

「何となくやる」のではなく、
きちんとルール化して、宣言したことが重要だったなと思う。
自分の仕事について、しっかり自分で言語化しておく
ルール化すること自体よりも、
なぜやるのか「自分の言葉で理解する」というのが重要だと思った。

◎スケジュールの優先順位は考えない

仕事の管理はメールのトップ画面で管理しているのだけど、
これが本当に忙しい時に役に立つなと思った。
(詳しくはこちら)

①仕事1件につき1通メールを残す
②やることが残ってないかを返信マークで把握する

「やることが多すぎて何から手を着けていいか分からない」
「優先順位を考えてる時間がもったいない」
こういうときは、返信マークがついていない
一番古いメール(下にあるメール)から順番に処理していく。

優先順位は考えない。
とにかく下にあるメールから順番に要件を片づけて、返信マークをつけていく。
パニックになりそうなときは、とにかくこれにひたすら徹する。

優先順位を考えないで作業に徹することで楽に仕事が進むし、
返信マークがつくことでやらきゃいけないことが目に見えて減っていくので、
気分的にもすごく楽になっていく。

◎細かなことを先送りしない

忙しくて大変なときほど、
すぐにやらなくていいことは先送りにしがちだと思う。

ぼくの場合だと「請求書を出す」とか
「出した資料や紙の見本を片づける」とか
すぐにやらなくていい小さな作業がそれにあたる。
ちょっとした頼まれごととか、
アンケートの解答をするとか、
ほかにもたくさんあるはずけど、
そういう小さなことを先送りにすると雪だるま式に増えていって
とんでもなくやっかない仕事の山になってしまう。

そうするとあとでしっかり時間をかけて
本気でそれに向きあわないといけなくなる。

5分、10分で片付くことは、
なるべくすぐ片付ける。

請求書を出したりするのは、ルール化する。
何十件も貯めると集中力が必要になるけど、
1〜2件なら10分もあれば終わる。
詳しくはこちら

出した資料や紙見本などは、
その都度、元に戻して片づける。
その場で戻せば数秒で片付くことだ。
出したままにしておくと、あとで片づけるのに手間がかかるし、
必要な時に見つからなくなったり、あまりいいことがない。
ものすごく当たり前のことなんだけど、
こういう基本的なことをきとんとやるのが重要。

細かな作業を挟むのは頭のスイッチの切り替えにもなるので、
急ぎでない小さな仕事は、すぐに片づける習慣をつけたほうがいい。

もちろん大きくてやっかないなことも先送りしない方がいい。
これは当たり前だ。
やっかいで面倒で大変そうなことは絶対に先送りしちゃダメ
これが積み重なると巨大すぎて登頂不可能な山になるので、
大きな問題は最優先で片づける。
まだ頂上が見えているうちに、できるだけ片づけておいた方がいい。

◎余計なことは相手に伝えない

こちらがいっぱいいっぱいになっているときに、
思わぬところで別のとんでもないトラブルが起きたりする。
ただでさえ、イライラしているのに、追い打ちをかけてくる。
こちらのミスではないけど、作業するのはこっちっていう場合…
「ありえない」ってなる!!!

こういう理不尽なトラブルが何件も何件も重なってしまうと、
どうしても心が荒んでしまう。
「どうして」「なんだよ」「○○が」「××!!」
不満とかネガティブな言葉で心がいっぱいになってしまう。
これはどうしようもない。
心の中で思ってしまうことはしようがない。
でもこれは表にさえ出さなければ問題はない
これをメールに書いたりして相手に伝えると、
その瞬間はスッとするかもしれないけど、後できっと後悔する。
少なくともぼくは伝えて得したと思ったことは一度もない。

パニックになってくると、これをうっかりやってしまう。
かつて何度かこれで大失敗してしまったことがある。
だからできるだけていねいに返すってことを意識してやっている。
詳しくはこちら

だいたい、こちらが忙しいかどうかは、
相手には何の関係もない問題だ。

どうしても言いたい不満がある場合は一度メールに書いてみる。
で、送る前に読み直して、その部分を消してから返信する。
最近はそうしている。
どうしても気がおさまらないときは、
一晩送らずに下書きボックスに入れておいて、
もう一度読み直して送るべきか考える。
たいていどんなに感情が高ぶっていても、
一晩も経てばどうでもよくなっていたりする。

そういうこともあって、
やり直しなどの要件は電話では一切受けないようにしている。
そうやってできるだけ冷静に一呼吸おいて対処するように心がける。

◎ひとつひとつ、ていねいに

「ひとつひとつ、ていねいに」
仕事があふれかえって、雑になってしまいそうなとき、
この言葉を自然にとなえている。
呪文のようなことばだ。

この言葉、15年くらい前に見たテレビ番組で
ホストの城咲仁が言ってたことばだったと思う。

当時シリーズでやっていた
歌舞伎町のホストを追ったドキュメンタリー番組。
城咲仁と言えば当時年収1億円を稼いでいた伝説のホスト。
いつもは見事な接客をして客を喜ばせるのだけど、
ときどき酒に飲まれて雑な対応をしてしまったりして、
上客が離れてうまくいかない状況が続いて、
新規のお客をていねいに見送りながら
自分に言い聞かせるように言った言葉だったと記憶している。
「ひとつひとつていねいにやるしかない」
そう言いながら店に戻っていった。
なんだかその姿が妙に心に残っていて、
自分の仕事が雑になりそうなときにそのシーンを思い出す。
本当に番組の中にそんな場面があったのか確かめる術はないのだけど…
なんだか今でも心の支えになっている。

忙しくてどうしようもなくなった時こそ、
基本を忘れないようにしないとなと思う。

とにかく、終わりそうもない膨大な仕事の山があったとしても、
そこにあるのは終わらせることのできる小さな仕事の集まりだ。
それを「ていねい」に「ひとつ、ひとつ」やっていく。

当たり前のことだけど、その当たり前のことをやるしかない。
やらなきゃ一生終わらない。
大丈夫、やればいつか終わるから。

それでは、適度に忙しいフリーランス&自宅仕事の毎日を!


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