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本を書いてみて良かった!

本を書いてみて良かったな!

いや、これ、本当に。

この度、初めての本を無事出版しました!!

じゃん!!

2023年11月25日(土)発売になりました!

いやーーよかった!
本当によかった!!

というか、よくやった!
よくやりきった!!!!

これ、じつはわたしにとって今年最大の挑戦でした。

どんな挑戦だったか?
それは
40代のうちに本を発売すること
毎日1冊読む本の1000冊目にその本を読むこと
この二つ。
そしてもし出せると決まっても1000冊目の発表までは絶体内緒で進めること。
こんな挑戦として始めた。

ことの始まりは、今年の6月。
じつはずいぶん前に「本を出しませんか?」というオファーは受けていて、ただ本業がめちゃくちゃ忙しくて、本を書いている余裕はまったくなかった。
「とりあえずnoteを続けながら、本にできると思ったら連絡して良いですか?そしたら出してくれますか?」ということだけを確認した。
昨年、その編集者が産休に入るという連絡をいただき、それなら「仕事に復帰した頃に返事をするか」と勝手に自分のカレンダーに「出版について編集者に返事する」と1年後の6月9日に予定を書き込んだ。

日付だけ決めた。
そしての日が来た。
2023年6月9日。

メールを書き始めるまで、どうするかまったく考えてなかった。
「たぶん無理だな、忙しいし」
そう思ってメールを書き始めてふと思った。
「無理だな」と言うのは簡単。
でも…やってみたらできるのかもしれない。
そこでちょっと考えた。
今年はあと半年で終わる。
あと6ヶ月で今年が終わる。
そしてわたしは12月で50歳になる。
50代になる。
40代でいられるのはあと5ヶ月。
なにかひとつ40代で大きな挑戦に挑めないだろうか。
そして1日1冊読んでいる本をきちんと読み続けていたら今年中に1000冊になる。
数えてみたら、11月21日に1000冊目を読むらしい。
この日をゴールに設定して、この日に完成するように本を作る事は出来ないだろうか…。
そう考えたら「無理だ」と思っていた自分の心に少し火がついた。
約5ヶ月…。
短い。かなり短い。
でも本気でそれに向けてやってみたら、できるかもしれない。
たとえできなくても40代の最後に何か挑戦して、全力を出せたら最高の思い出になるのではないか。
そんなことを考えて「無理」の文字を消した。
そしてどんな本なら書けるのかを考えた。
いや、じつは、これなら本になるという種は自分の中に少しあった。
「趣味、継続。」
わたしにとって、継続は趣味。
去年、わたしがたどり着いた大きな自分の中の答えだ。
これを軸にして「続ける」ことの意味を問い直す本が書けないだろうか…。
そんなアイデアがあった。
そのことを少しメールに書いた。
いったん書き出したら、それをどうやって展開するのか説明するために、ちょっとずつパーツがはまっていった。何となくの構成案を作り始めていた。

これがその日送った構成案。
こんな内容で原稿を書いたら、出版できますか?
というメールを送った。

その日のうちに前向きな返事をもらえたので、翌日から本気で原稿に取りかかった。

まずもっと細かく構成案を見直すところから始めた。
そしてそこにnoteで書いた原稿をはめていき、足りない部分を書き足し、本の全体像を考えて必要なコンテンツを洗い出しながら、こういう要素が必要だと思ったらそれを書いていき、1日1コンテンツ、毎日書くという生活を始めた。

とにかく毎日書いた。
ひたすら一人で黙々と誰にも何も言わずに書き続けた。
結局、本を出すまで編集者と出版社の人、推薦をいただいた方たち以外には最後まで本を書いていることを言わなかった。
仕事はめちゃくちゃ忙しかったけど、「1日1コンテンツ書く」「最低でも30分は書く」と決めた。
本当に毎日書いた。
noteに書いた原稿も流れの中に落とすと不自然だったり、何を言おうとしているのかぼけているものもあって、結局はほとんど書き直すことになった。
新しい要素もたくさん書いた。
書いたものをnote用に書き直して月曜日に投稿したりした。

最初はMacのメモ機能で下書きを書き始め、途中からnoteの下書き機能に流し込み、note上で原稿を書き足していった。

noteで書いていたときの下書き画面

noteで書く下書きは、いつもnoteで原稿を書いているのでとてもやりやすかった。見出しや小見出しもつけて整理しやすい。
結局15万字くらいまで原稿を書いてしまって、そこから削りに削って98000字まで文字量を減らした。

ここまで減らしてから、デザインするときにいつも使うインデザインというDTPソフトに流し込み、実際に本の形するのと同じ状態のレイアウトで簡単に組み版をした。
今度はその状態で原稿を精査し推敲した。
順番を入れ替え、足りない原稿を書き足し、いらない部分を削り、思いついたアイデアをどんどん足していった。
けっきょくまた文字数が増えて12万字くらいになっていた。
ページにして400ページ近く。
何度も読み直し、書き直した。

原稿を書き上げる日は自分の中で決めていた。
8月31日木曜日。
この日までに書き上げると決めた。
そこから約3ヶ月で編集と修正、デザイン、印刷をする。
それだけあればどうにかできるだろうという勝手な目測。
8月は大変だった。
仕事も忙しかった上に、自分の写真展もあった。
8月16日〜31日は写真展の期間でもあって、ゴールデン街での展示なので、その間はお店に行って夜中まで飲む時間も作らないといけない。
なので8月はめちゃくちゃだった。
仕事して、夜中まで飲んで、だいたい毎日原稿に最低4時間は向き合う時間を作った。
長い日は10時間くらい書いたし、お盆中は朝4時から夜中の23時までひたすら書き続けた日もあった。
命がけで書いていた。
そして自分で決めた8月31日(木)。
なんとか、これで本にできそうだというところまで自分で納得のいく原稿を仕上げた。

その日のことを書いたnote

8月31日の朝は、ここ数ヶ月ずーっと毎日コツコツやっていた仕事の自分で決めた締め切り日で、3時起きして午前中のうちに終わらせました。「決めたらやる!」がモットーなので、自分との約束を守るために締め切りを死守した、というそれだけです。じつはここからがスタートだったりするのですが、とにかくコツコツやってきたことをいったん「終わらせた!」という達成感だけはあって、それはそれで気分がよいです。

これがじつは「自分の本の原稿」のことだった。
軽く書いているけど、このときの「やりきった」感はハンパなかった。
そしてお祝いのランチをして、映画を見て、写真展に行き深夜3時まで飲んだ。
その日は朝3時に起きて8時まで原稿を書いていたので、24時間フル稼働した1日だった。

2023年8月31日 8:13に書き上げた原稿のゲラ 日付が入るのでありがたい!

そして翌日、9月1日に編集者に原稿というか、簡単にデザインまで終わらせたゲラを送った。締切を特に伝えてなかったので、突然送る形になった。
簡単な装丁案も作った。

最初に考えていたタイトル案

突然送って、
11月21日までに完成させたい。
50歳の誕生日が来るまでに発売したい。
そんな無茶なお願いをした。

そんな無理を聞いてくれた出版社と編集者には感謝しかない。

そこから、編集者と原稿を見直し、修正し結局40回くらい読み直して書き直した。

9月、10月の2ヶ月は、たぶんほとんど寝てない。
通常の仕事をしながら、自分の本に没頭した。
ただでさえ忙しい。
通常通りデザインの仕事がある。
毎日のように締切がある。
そこに自分の本を「書く」「原稿を読む」「内容を修正する」「DTP作業をする」「イラストを描く」、ふだんやらない作業が増えていく。

いや、想像を絶するくらい大変で、毎日の睡眠時間が2時間くらいで、横になってても原稿のことばかり考えていて、気がついたら書き直していたり、病気かって思うほどこの本のことばかり考えていた。

頭がおかしくなりそうだった。

ただ、なんというか、それが

くそめちゃ、超絶、楽しかった!!!

本を作るって、楽しい!!!

もしかしたら人生で初めて心からそう思えたかもしれない。

企画を考える
編集する
デザインする
これは今までやってきた。
特にデザインするは毎日やってる。

ただここに「自分で書く」が加わることで、
これら全ての意味がひっくり返るくらい感じ方が変わった気がする。

まずは書くこと。もともと嫌いだったことだ。

できるだけ文章なんか書きたくない。
そう思って生きてきた。
でも本を書くと決めてからは「毎日書く」ことに決めた。
どんなに忙しくても最低30分は絶体に毎日原稿を先に進める。
これは徹底した。
自分で設定した締切に向け、ひたすら書き続けた。
そして書き上げてからは毎日読み直して修正し続けた。
ひたすら書き続けていくうちに書くことが少し好きになっていた。
明日は何をどう書こうか、そう考えるとわくわくしている自分に気づいて驚き、そういえばほぼ一日中原稿のことばかり考えている自分を俯瞰して、そうかこれが「楽しい」ってことか、なんて考えたりしていた。

デザインへの感じ方にもいつもと違う気づきがあった。
いつもはただの「作業」になってしまうページに文字を流し込む仕事。
そんなことですら楽しかった。
自分で書いたものがページに入っていく。
流し込みながら自分の文章を読むだけで、それは愛おしい儀式に変わった。
そうか、これはこんなに大事な儀式だったんだ。

そして流し込みながら自分の文章を修正していく。
ページのまたぎを考えながら構成を変えていったりする。
こんなことふつうはできない。
自分で書いたものだからできることだ。
デザインしながら文章を直していく。
これが実に楽しい。楽しすぎた。

何ヶ月も、いや何年もかけて書いてきたことが、ページにおさまって、形になっていくのを自分で体感できる。
この上ない喜びだ。
書く仕事のひとにオススメしたい。
書いたら自分でゲラの流し込みをすると超絶上がる!!

装丁のデザインも楽しかった。
どうやったら、この本が届くのか考える。
どんな雰囲気のデザインにするのか、簡単そうにするのか、難しそうにするのか、かっこよくするのか、かわいくするのか、言ってみたらいつもやってることだ。
仕事でいつもやっていること。
だけど、自分の本だと、それもだいぶ意味合いが変わってくる。
どうやったらこの本で言おうとしていることを簡単に説明できるのか、いつもの100倍くらい真剣に考えた。
タイトルをどうするのか、帯コピーをどうするのか、内容をうまく伝えるコピーを考えるだけでなく、わたしという言わば無名の人間の説明もしないといけない。
有名人でもなく、SNSのフォロワーが多いわけでも、目に見えてすごい事を成した人間でもない。そんな人にどう興味をもってもらうのか。難しい。これは相当な難題だ。
もちろんこれは一人で考えることではなくて、編集者や出版社のほかの部署とも足並みを揃えないといけないことで、とにかくわたしはたくさんの案を提案した。
タイトルを思いついたら、帯コピーも考えて、デザインして、編集者に送った。
何十案送ったか…数えてないのでわからないけど、試作してボツにしたものも含めたら80案以上作ったと思う。100案を超えてたかも…。
とにかく毎日、タイトルを考えていた。

最後に行き着いて決定したタイトルは、最初考えてたものとも、その後「これしかない」と思っていたものとも違うものだったけど、もともと答えがあるものでも正解があるものでもないので、決まったらそれが正解だったという結果を出せばいいだけだ。
とにかく、そこにいたるまでタイトルもデザインも100案近く考えた。
それがめちゃくちゃ楽しかった。
編集者にとっては迷惑でしかなかったと思うけど、送るたびに意見をくれた編集者には感謝しかない。
決まらない時間が長かった分、ずっと考えていられるという幸せな時間をもらえた。
本にとって、編集者の大事さを痛感した。
デザインしながら原稿を勝手に直す。
毎日タイトルをデザインして送りつける。
たぶんやりにくい著者だったのではないかと思う。
編集の志摩さん、最後までイヤな顔をせずつきあってくれて、ありがとうございました。
本当に感謝しています。

もともと無理なお願いを聞いてくれた出版社にも感謝します。
ひたすら感謝しています。
ありがとうございました。

それからものすごく忙しい中、完成前のゲラを読んでいただき、推薦の言葉を寄せてくださった出版界で尊敬する方々にも感謝です。

ベストセラー「MISSION ミッション・元スターバックスCEOが教える働く理由」のデザインでお世話になった編集者で、今はサンマーク出版の社長の黒川精一さん。10年以上前の話ですが、注文書を見せていただいたときに、「デザインはあの井上新八氏」と書いてくれていて、注文書に名前が入るんだ!?ってすごく嬉しかった。あのとき、自分の仕事に自信以上の何かが宿った気がして、今でも忘れられません。今回は推薦の言葉、ありがとうございました。

サンクチュアリ出版の編集長、橋本圭右さん。20年以上一緒に本を作り続けている言わばパートナーです。たぶん、読んでもらうのに一番緊張する一番近い人です。「これを超える本は作れない」という言葉、嬉しすぎました!ありがとうございました。これからも引き続きよろしくお願いします。というか、今も絶賛一緒に本を作り中です。

ダイヤモンド社で今ヒット作を連発して勢いが止まらない、たぶん出版界でいちばん売れているトップ編集者の種岡健さん。今一番勢いのある編集者の「面白い」のひと言。これは何にも勝る嬉しい言葉です。そして種岡さんにとって初めての重版の本も、初めて10万部突破した本もわたしがデザインした本だったというのも光栄です。今後のますますの活躍に期待しています。ありがとうございました。

そして同業者で一番尊敬する小口翔平さん。わたしなんか足下にも及ばないほヒット作をデザインし、さらに後継を育て続け、業界自体も底上げしているとんでもないデザイナーです。小口さんに著書を推薦いただけるなんて、夢のようなことです。しかもその推薦文が最高すぎる!言葉のセンスまですごすぎます。ありがとうございました。

ベストセラー連発のレジェンドのみなさんの「面白い」のひと言のありがたさ。
そして、涙が出るほど嬉しい推薦文。これがなければ「やっぱり出版するのやめます」って寸前のところでやめていたかもしれません。
そのくらいもろく壊れそうな制作期間最後の精神状態でした。
最後の方は完全に自分が壊れかけていました。
こんなこと始めなきゃよかった、やるなんて言わなきゃよかった、そんな後悔ばかりしてました。

でも、本を書いてよかった。

これ本当にそう思う。
大事な気づきがいっぱいあった。
人のつながりのありがたさも実感した。

何より、楽しかった。
本当にキツくて、本気で苦しくて、だからこそ楽しかった。

2023年11月21日(火)

この日、初めて「本を書いていたこと」「出版が決まったこと」を発表した。

前日の999冊読んだ段階では、まだ発表してなかった。

よくここまで我慢した。
えらかった。
原稿を書き上げた8月31日も写真展の後の飲み会で記憶を失うまで飲んだのだけど、ひと言もそのことは言わなかったらしい。
えらい!酔っても我慢できてた!!
いま嬉しいのは、酔っても言ってはいけない秘密がないことだ。
思う存分飲んでも本のことが話せる!!

何にせよ、やりきった。
やり抜いたのだよ。
えらすぎるだろう、自分。

普通に考えたら、この忙しさの中で本を書く、デザインも全部やる、出版する。
これは「無理」なことだ。
無理だと決めるのは簡単だ。

でも「無理」は可能にすることができる。
それは「小さく」刻むこと、それを「毎日やり続ける」ことだ。

「やり抜く」ということは「小さく終わらせ続ける」ことなんだ。
いきなり達成しようと思うと無理だけど、毎日続ければ、それをやめなければ、いつか終わらせること、やり抜くことができる。

それが「続ける力」だ。
そしてそんな「続ける」ことを誰でもできるように分解して、考え方の提案をしたのが、わたしが書いた本「続ける思考」だ。

どう?少しは興味を持ってもらえたかしら?
よかったら買ってください。
「役に立つ」より「面白く読んでもらう」を意識して書いたので、たぶん気楽に読めると思いますよ!

よかったらお試し版だけでも読んでみてください。

重版がかかるなんて夢のまた夢だと思うけど、かすかな希望を胸にまた日常を生きていこうと思います。

何にせよ「絶体無理」を、ひっくり返した!
やりきったぞ!

自分との約束は守った!
それで今回も100億点だ!!!!


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