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初めて本を書きました! 書籍「続ける思考」

ブックデザイナーの井上新八です。

この度、初めての本を出すことになりました。
「続ける思考」というタイトルの本です。
1日1冊、1日も休まずに1000日、1000冊の本を読み続けたら、本を書く人になっていました。
継続と習慣についてわたしが20年取り組んできたことを余すことなく書きました。

こんな本です!

じゃーーん!

原稿を書いて、デザインもして、全ページDTPも担当して、赤字の修正もして、修正しながら書き直したりして、そしてイラストも描いてます(イラストと呼べるかはわかりませんが)。
本作りのほとんど全部をまるごと自分でやってみました!

今回、出版社の許可を得て、「お試し版」として本の冒頭部分「Prologue」「はじめに」「Chapter0」「Chapter1」「Chapter2(の冒頭)」までを公開することにしました。読み応えありまくりのけっこうな大ボリューム!これで全体の5分の1くらいです。
note仕様に横組みで掲載します。
本の下書きをnoteで書いていたこともあって、この横組みのフォーマットが意外にしっくりきますが、本自体は縦組みですごく読みやすいです。
なので試し読みなどせずに今すぐ本を買うのがいちばんオススメです。

役に立つ本かどうかは人それぞれだとは思いますが、楽しく読める本にはなったと思います。
「継続」と「習慣」についての本ですが、かたくるしい理論のようなものは全くありません。読むと少し生きるのが楽になるような、そんな本になったのではないかと思います。
とにかくがんばって書きました!!
果たして楽しく読んでいただけるのか…
ドキドキが止まりません。
ぜひ、さわりだけでも読んでいただければと思います。

もちろん試し読みせずに買っていただいても…

それでは〈お試し版〉です。どうぞ。

Prologue


「続ける」ことが苦手なあなたへ。


まずこの本で何を伝えたいか。

「続ける」のはつらい。
「続ける」のは大変。
「続ける」のはめんどくさい。
そんな誤解を解きたいということ。

「続ける」のは楽しい。
「続ける」のは簡単だ。
「続ける」のは趣味になる。
そして「続ける」ことで人は変わる。

伝えたいことは、それだけだ。

何かを続けることで人は変わっていく。
最初は小さな目に見えないような変化でも、
ずっと続けるうちにそれは大きな変化になっていく。

「続ける」ことは
「変わる」ことでもある。


もともとわたしは、
ずぼらで何もそんなには続かない人間だった。
才能もない、スキルもない、根気もない。

そんなわたしが、あまり何も考えもないまま
フリーランスのデザイナーとして働くことになった。

すべて自分で動かないと
お金が入ってこない生活がはじまった。
自分で仕事を取ってこないといけないし、
仕事と私生活のバランスも自分で考えないといけない。

「続かない」なんて言っていられなくなった。
「続かない」=「生きていけない」につながる。

仕事も、仕事以外のことも
どうしたら続くようになるのか、
どうしたら無理なく続けられるのか、
20年以上かけて実験と検証を繰り返し、
そのことを真剣に考え続けてきた。


行き着いた答えは
すべてを「習慣化」することだった。


「続ける」ために日々の「習慣」を
徹底的にデザインしてみた。

デザインしてわかったのは、
「続ける」ことは、
意外に簡単ってことだった。

やり方さえわかれば勝手に続いていく。
そのためのコツを分析してシンプルに考え直して、
小さなことを達成していく「仕組み」をつくった。

そうやって日々小さく達成することを続けていくうちに、
なんでも途中で投げ出していた自分がガラッと変わっていた。
「続ける」ことで自然と
「最後までやり抜く人」に変わっていた。

そして
「続ける」ことで「好きなこと」が
増えていくことにも気がついた。

もともとどうしようもなく嫌いだった掃除が、
続けることを通して好きなことに変わっていた。
これは大きな衝撃だった。

さらに
「続ける」ことで人生に楽しみが増えた。
毎日5分、ダンスの練習をはじめたら、
ダンスを踊る楽しみが人生に加わった。

毎日少しだけマンガを読むことをはじめたら、
いつのまにか読まなくなってしまった
マンガを読む楽しみが戻ってきた。
「続ける」ことで
かつて好きだったことを取り戻すことができた。

「続ける」ことで、
いつのまにか自分が変わっていた。

これが「続ける」ことの力だ。


そしてわかったことがある。

わたしにとって…

続けることは、趣味だ。

ある日、わたしは気づいた。
わたしの趣味は「続ける」こと。
忘れもしない2022年11月22日12時37分のことだ。

なぜ、こんな時間を正確に覚えているか。
それはメモを続けているからだ。
日頃気がついたことは書き留めている。そのことを続けていて気づいた。
「続ける」ことがわたしは「好き」なのだと、その日気がついた。

そう「続ける」ことは「楽しい」のだ。

「続け方」を考える。これが楽しい。
何よりも楽しい。
何かをはじめるとき、

「どうやったら続くかな~」

まず、こう考える。
いつのまにかそう考える癖がついた。

はじめはなかなかうまく続かない。
試行錯誤しながら、やり方を考える。

そしていつのまにか続くようになっている。
そんな自分を発見する。それはとても嬉しい。

「続ける」にはゲーム的側面がある。
日々達成すべきクエストがあって、
それをクリアしていく。
ゲーム化することでもっと
「続ける」ことが楽しくなっていく。

記録を付けていく。
続けたことを記録していく。
記録によって続けたことが
コレクション化していく。

それを集めるのが楽しみになった。


続けるのが苦手。
それはそう思い込んでいるだけかもしれない。

「続ける」ことは難しくない。

そして、ただ「続ける」だけで、
自分も世界も変えることができるかもしれない。
「続ける」ことにはそれだけの力が眠っている。

この本を読み終わる頃には、
その可能性を感じてもらえるはずだ。

そして本を閉じたあと、
「何かをはじめたくなる」
「続けたくてたまらなくなる」

そんな気分になってもらえたら最高だ。

さあ、「続かない自分」を変えに行こう!


はじめに


わたしの本業はフリーランスのデザイナー。
ふだんは主に本のデザインをしている。

仕事は独学ではじめた。学生時代、遊びではじめたことがいつのまにか仕事になっていた。遊びを「続けた」結果が仕事になった。
独学でこの仕事をはじめて、20年以上フリーランスでずっとひとりで働いている。
アシスタントもいない完全にひとりでやっている個人事業のデザイナー。
年間で多いときは200冊くらいの本のデザインをする。
はっきり言って超忙しい。想像を絶する猛烈な忙しさだと思う。
常に40件以上の仕事が同時進行している。
仕事のメールのやりとり、スケジュールの管理、進行の調整、打ち合わせ、デザインの作成、細かなデザインの修正作業、データの入稿、紙選び、色校正のチェック、請求書の発送、1冊の本をつくるだけでも山のように作業がある。それ以外にも入金の確認、領収書の整理、細かな雑用、やることはたくさんある。それを全部自分でやっている。唯一、人にお任せているのは経理と税金のことだけ。
はっきり言って無理ゲー…のはずなんだけど、これが意外にどうにかなっている。
どうにかなっているうえに、1日1本以上は映画を観ているし、1日1冊本も読んでいるし、放映されている深夜アニメはほとんど全部見ているし、ドラマも見る、マンガも読んでいるし、ゲームもやっている。筋トレにダンスにジョギングに運動も毎日しっかりやっていて、お酒もたくさん飲むし、意外に充実した生活を送っている。

これは1日の「習慣」を徹底してデザインした結果だ。
あらゆることが無理なく続くように1日を徹底的にデザインしている。
20年かけて、膨大にある「やりたいこと」「やるべきこと」を続けられる仕組みをつくってきた。自動的に続く「仕組み」を考えた。

きっかけは仕事が忙しくなりすぎたからだ。
気がついたら仕事だけして1日が終わってしまう。
一つひとつのやることをじっくり考えて処理していたら何もできなくなる。
仕事以外のこともしっかり回せる「仕組み」がつくれないか、そう考えた。
最初はなかなかうまくいかなかった。
でも「やるべきこと」と「やりたいこと」をどうやったら無理なく、すべてやりきれるのか、実験と検証を繰り返しながら、ちょっとずつ改良を加えていった。

20年経ってみたら、いつのまにかすべてがうまくいくようになっていた。
「どうやったら1日にそんなにたくさんのことができるのか?」そんなことを聞かれるようになった。
そのことを取材された記事がネットで注目された。
不思議だった。自分ではそれほど特別なことをしているつもりはなかったからだ。

日々たくさんのことをずっと続けている。
小さなことから大きなことまで毎日コツコツと積み上げている。
今はそれを大変だともめんどくさいとも思っていない。
やりはじめたばかりだと少し大変なことも、何年も続けるといつのまにか無意識で続くようになる。
それはそうなる「仕組み」をつくったからだ。

わたしはコツコツと積み上げた先に人生が切り拓かれると思っている。
小さな継続の連続がいつか大きな変化を生む、そのことをこの20年実感し続けている。
人生に革命を起こすのは、生まれ持った才能でも、驚くべき発明や、天才的なひらめきでもなく日々の小さな積み重ねだ。
目に見えない小さな変化を続けていくことで、いつかまったく違う自分になったことに気がつく瞬間が訪れる。
それが「続ける」ことの力
だ。
そんな景色をぜひ体験してほしい。
そのためにこの本を書いた。
20年分の実験の成果をこれから余すことなくお伝えしていこうと思う。


CHAPTER0
「継続は趣味」、わたしが「続ける」ことが好きな理由


◎「趣味、継続。」この言葉が降ってきた

自分にとっての「特別なもの」って何だろうってずっとわからなかった。
映画が好き、ゲームが好き、マンガもアニメもドラマも好き。いろいろ好きなものはあるけど、「自分にはこれしかない」という特別なものがイマイチわからなかった。

自分がいちばん、打ち込んでいるもの。
これだけは誰よりも打ち込んでいると胸をはって言えるもの。
そんなものがあるのだろうかといつも考えていた。

ある日、突然ある言葉が降ってきた。
「趣味、継続。」
「わたしにとって継続は趣味だ」この言葉が突然降ってきた。

そうか、あった!
自分にとっての「特別」なこと。
これに全力を注いでいると本気で言えること。

わたしにとってそれは「継続」、つまり「続ける」ことだった。

わたしがいちばん打ち込んでいるもの。
それは「続ける」ことだ。

「続ける」ことは趣味。
このことに気づいたとき、わたしの頭に電流が走った。時間が止まった気がした。
なので正確な時間も書き留めた。2022年11月22日12時37分、火曜日だった。

この気づきがなんだったのか、その週末にじっくり考えた。
わたしの続けていることのひとつに「note」というブログがある。
週に一度、その週の気づきを言語化している。
毎週書き残す文章は、そのときの生の感情を冷凍保存する装置のようになっている。
そのときのnoteから一部省略して紹介する。

仕事をしているときに、突然、いきなり、頭にぽんと浮かんだフレーズ。

趣味、継続。

その言葉が目の前に降りてきた瞬間、ビビっと背中に電撃が走った。

たぶん、ヘレン・ケラーが「ウォーター」をわかった瞬間って、こんなかんじだったのかもしれない。
わたしにとっては少なくともそれくらいの衝撃だった。

時間も書いておく。
2022年11月22日12時37分。
自分にとって、特別なことを見つけた瞬間。

例えば、朝の習慣。
具体的に数えてないけど、細かなものを含めたらものすごい数のルーティンを毎日やっている。
起きたらすぐにやること。
起きたら、まず空の写真を撮ってインスタに投稿。
それから手を合わせて1日に感謝して深呼吸。
それからストレッチ。
こんなことをずっと続けている。
掃除も、毎朝やっている。2年近く続けている。
忙しいときでも掃除もしっかりする。
ジョギングも25年くらい毎朝走っている。
毎朝1冊、本を読んでいる。
最近は毎朝マンガも読んでいる。
毎朝、ダンスの練習も筋トレもする。
時間のやりくりを工夫しながらやることをどんどん増やしている。

よく「なんでそんなことしてるんですか?」って聞かれる。
「なんでですかね~」って半笑いで答える。
正直、自分でもなんでこんなことしてるのかよくわからない。
理由がよくわからないからごまかして答えるしかない。
なんだか意識が高い感じがして、自分でもちょっと気持ち悪いなって思ってた。
掃除も、読書も、ジョギングも、筋トレも、理由があってやってるわけじゃない。
だから、「なんでこんなことを毎日してるんだろう?」って、自分でもうまく答えが見つけられなかった。

でもね、わかったんです。そう、単純な理由でした。
わたしは「続けること」それ自体が好きだったんです。

続けるためにいろいろ工夫すること、続けることを増やすこと、これ全部、趣味だったって気がついた。

「趣味、継続。」
このワードが目の前に降りてきた瞬間に、本当に世界がひっくり返った。
わたしにとってそれは木から落ちるリンゴを見たニュートンくらいの衝撃だった。

「続ける」ことが「楽しい」という気づき。

それは本当に些細な、他人から見たらどうでもいいような小さな気づきだ。
ただわたしにとっては人生を変えるほどの気づきだった。
そんな見落としそうな気づきを拾えたのは、言葉にすることを続けていたからだ。
「続ける」ことで拾えた気づきだった。

なぜ「続ける」ことは楽しいのか、いったいそこに何があるのか。

まずは、少し分解してみようと思う。

◎わたしが続けていること

わたしが続けていることをざっと簡単に箇条書きしてみる。
(2023年10月現在)

  • ジョギング 25年(雨の日以外は基本毎日) 

  • 手書きの日記 22年(欠かさず毎日)

  • 写真展開催 20年(1年に1回)

  • Wii Fit:体重測定と腕立+腹筋 15年(2007年の発売日から外泊のとき以外毎日) 

  • 毎朝ヨーグルトと納豆を食べる 13年(毎朝の栄養補給、納豆は10年)

  • ドラクエX 11年(発売日から毎日)

  • はてなブログ:写真投稿と映画感想を書く 7年10ヶ月(2016年1月から毎日)

  • 起きてすぐ空の写真を撮影 7年10ヶ月(毎朝のインスタへの投稿は2年)

  • HIIT:4分の鬼筋トレ 6年半(編集者に本をもらってから毎日)

  • SIXPAD:腹筋を鍛えるトレーニングギア 6年半(買ってから毎日)

  • 企画を考える 5年(毎朝最低ひとつ考える)

  • 体温を計る 3年半(毎朝起きた後)

  • あつまれ どうぶつの森 3年半(発売日から毎日)

  • note(ブログ) 3年半(毎週1回更新)

  • 5分瞑想 3年(毎朝)

  • ドラマやアニメに出てくる架空の本の収集 3年(見つけたらメモ)

  • ダンスの練習 2年10ヶ月(毎朝5分)

  • 1日1冊本を読む 2年8ヶ月(2021年2月から欠かさず毎日)

  • 掃除 2年半(曜日ごとに違う場所を毎日)

  • 朝のストレッチ 2年半(毎朝起きたら)

  • 読書メモをX(旧Twitter)にアップ 2年半(毎朝)

  • 新作ゲームを遊ぶ 2年半(毎朝15分、主にPS5のゲームを遊ぶ)

  • 食べている納豆の記録 2年(新しい納豆を食べたら)

  • マンガを読む 1年2ヶ月(毎朝、1日1話)

  • 朝の気温を当てる 1年(毎朝)

  • 短歌の歌集を読む・短歌をつくる 半年(毎朝)

ざっと思いつくとこでこんなところだけど、考えてみたらじつはもっといっぱいある。例えばスマホゲーム。5つくらいを毎日やっている。必ずログインして決まったノルマをこなしている。
ほぼ毎日映画館にも通っている。多いときで年間300本。少ない年でも年間200本くらいは劇場で映画を観る。
子どもの頃からオンエアされているテレビアニメはほとんど見ているし、フリーランスで働きはじめてからは地上波のテレビドラマもほぼ全部見るようになった。
続けている大きなことで言えばデザインだ。毎日何かをデザインしている。
仕事と言えばそれまでだけど、年間200冊デザインするということは、ほぼ1日1冊デザインしている計算だ。1冊の本に10案くらいはデザインパターンを考えるので、年間2000パターンくらいはデザイン案を考えている。
仕事はタスクが多すぎるのでやることを細かく設定してある。細かな雑用も含めてすべてその日のうちに片づける。それをひたすら毎日続けている。その意味では「仕事の雑用」も欠かさずにやっていることのひとつではある。
シャワーのあと頭皮のマッサージをしながら舌の体操をするというようなすごく小さな習慣もある。
確実にもれなく毎日いろいろなことを続けている。

20年かけて、膨大にある「やりたいこと」と「やるべきこと」を続けられる仕組みをつくってきた。自動的に「続く」仕組みづくりを徹底している。
ピタゴラスイッチのように次々連続していろいろなことを自動的にこなしていって、毎日を面クリ型のゲームのように過ごしている

この本を書くことも必ずやる朝の習慣のひとつとして組み込んだ。
まとまった時間をつくるのが難しいので、毎朝少しずつ必ず原稿を書いている。
今もその時間を使って書いている。
まともに考えると本を書いている時間はどこにもない。
ただ、毎日少しずつやれば必ずいつか終わりにたどり着く
そのことは「続ける」ことの中で実感してきた。
だから毎日小さく続ければ、きっと本も書き上がる。
そう思って、とにかく小さく積み重ねている。

◎「続ける」ことの何が楽しいのか?

簡単に書き出すと次の3つだと思う。

  1. 続ける「仕組み」を考えることが楽しい

  2. 続けるを「コレクション」するのが楽しい

  3. 続けることで自分が「変化」するのが楽しい

1. 続ける「仕組み」を考えることが楽しい
「続ける」ことを考えたとき、いちばん楽しいのは、じつはこれだと思う。
「仕組み」を考える。つまりどうしたら続くかを考える。
いつも何か新しいことをはじめようと思ったとき、「どうやったら無理なく続くかな?」って考える。
自分なりにやり方を考えて生活の中に落とし込んでいく。
やりながら続け方を考えていく。
仕組みをつくる作業、これがとても楽しい。
仕組みを考えてそれをゲームのようにクリアしていく感覚。
毎日を、小さな達成を積み上げていくゲームにしていく。
「仕組み」でゲームデザインして、実際それをプレイしてクリアしていく。
小さくゴールして小さな達成を積み上げる。毎日がゲーム化する考え方。

2. 続けるを「コレクション」するのが楽しい
「続ける」ことを圧倒的に楽しくするのが「記録」だ。
記録することで、続いたことが形になっていく。
継続の可視化が記録だ。スコアを残していく、達成し成果を残していく。
スコアがよくなると嬉しいし、記録によって達成感が生まれる。
やったらチェックをしていく。カレンダーが埋まっていく。
空白を埋めていく楽しみ。「続ける」は「記録」することでコレクション化していく。
それは単純に趣味として成立する。

3 .続けることで「自分」が変化するのが楽しい
「続ける」ことの最大の喜びはここにある。
何かを続けることで人は確実に変化する。
練習すればうまくなる。野球でもゴルフでもゲームでも目に見える成長がある。
だけどもっとどうでもいいことでも、続けることが人に変化をもたらす。
何かを続けることで、目に見えないような小さな変化が起きる。
でもその小さな、なんでもないような変化がいつのまにか大きな変化になっていく。

それをいつか実感する日がくる。それに気がついた瞬間の感動。
それは「続ける」ことの最大のご褒美だ。

わたしが考える「続ける」ことの魅力、伝わっただろうか。
ここからは「続ける」を簡単にする、そして楽しくするための考え方を書いてみたいと思う。

CHAPTER1
続けることへの「苦手」をなくす

◎「正しい努力」より「正しい継続」

まず「続ける」ことを考えるときに、ひとつの考え方を提案したいと思う。
それは「正しい努力」をやめてみようということ。

何かをはじめたとき、だいたい効率的に、正しい方法でやろうとする。
やるからにはうまくなりたい、自分を向上させて成果を出したい、そういうことがベースにあるはず。
よりよくなりたい、よりうまくなりたい。
もちろんそれはすごく正しいことだと思う。

ただ「成果」を先に求めてしまうと、そのことだけがすべてになってしまう。
はじめた瞬間からそれは「修練」や「修行」になってしまう。
いきなりつらく感じないか?
「修練」「修行」「練習」……。
なんかどれもつらくて、めんどくさそうに感じるのはわたしだけではないはず。

じつはこれが「続ける」ことをつらさに変えてしまう大きな要因なんじゃないかと思う。

最初はどんどんうまくなることを実感できる。
だから、楽しんでやる。成果が出ることが楽しい。
でもそのうち尻すぼみしていく。思ったようにうまくならない。
自分ってこんなもん? そう思ってしまう。急につまらなく感じる。

結果を出すには「正しい努力」が必要だと言われる。
目標を決めて、「成果をきちんと出す」努力のこと。
「正しい努力をしないと意味がない」
でも本当にそうだろうか?
「正しくない努力」を続けた先には、何もないだろうか?
そんなことはないはずだ。
別に思うようにうまくならなくてもいい。
続けていけばそこには必ず何かの「変化」が起きる。
そのことを信じてまずはひたすら何かを続けてみる。

「うまくなる」「よくなる」ファーストの考え方をやめてもいいんじゃないかと思う。
「正しい努力」という考えを捨てて、「ただ続ける」ことをまずは意識する。
いわば、「正しい継続」
だ。

自分で決めたルールに則ってただ継続することにフォーカスする。
上達や達成より、ただ継続することだけを意識する。

上達を考えるのは、「続ける」基礎力を身につけてからでいい。
まずは「続ける」ことからはじめてみる。

そのために必要なのは、気持ちいいやり方を自分で発見していくことだと思う。

○まずは「続ける」ことだけを意識する


◎最初から効率を求めない

気持ちいいやり方を自分で見つけるために必要なこと。
それは、自分で解き方を発見することだ。

そのためには最初から効率を求めすぎないことが必要だと思う。
簡単にうまくやる方法があると飛びつきたくなるけど、簡単にうまくなるといきなりつまらなくなる。

攻略法を見ない。
これが、じつは気持ちいい継続を生む秘訣
だと思っている。
なるべく最初はノーヒントがいい。まずは自己流でやってみる。
やりながらヒントを探っていく。
本を読んだり、ネットで検索したり、やり方のヒントを集める。
それを自分のやり方に変換してみる。
「こうやったら、うまくなるんじゃないかな?」「これはマネできそうにないけど、このやり方ならどうだろう?」自分で試しながら、自分で法則を発見していく。

まずは1回、自己流でやってみる。

例えば、短歌をはじめてみようと思ったとする。
まず書いてみる。
「あれ? 何書けばいいんだっけ? うまくいかない……」
そこから少し調べてみる。
どうやったらできるようになるだろうと、攻略法を自分で考える。
いったん「書く」ことを忘れて、毎日歌集を少しだけ「読む」ことをはじめてみる。数ページ読んでいいなと思った歌をいくつか書き写す。それを毎日続ける。
そのうち自分の短歌をつくりたい欲が湧いてくるかもしれない。
そうやって「毎日短歌をひとつつくる」という習慣を自分でつくっていく。

例えば、ダンスを踊ってみようと思う。
まず踊ってみる。
「あれ? うまく踊れない」
まずフリが全然覚えられない。
でも1日1秒のフリを覚えるならできないだろうか。1週間で7秒覚える。
これを続けたら5分ある振り付けも300日あれば覚えられる。
気が遠くなるかもしれないが、コツコツやれば不可能は可能になるかもしれない。

こうやってやり方を自分で考えてやっていく。
それで本当にうまくなるかどうかはあまり考えない。
これが「続ける」最大のコツだと思う。やりながら考える。
やりながら、少しずつやり方を調整していって、自分で攻略法を発見する。

最短の攻略法ですぐうまくなると、すぐに飽きる。
これが「続かない」につながる
んだと思う。
だけど自分で考えながら、ゆっくり着実にコツコツ積み重ねていくと、何かが変化していく。それを小さく自分の中で実感していく。
自分で解き方を見つけると、応用力が生まれる。
攻略法で身につく考え方はその場限りになりがちだけど、自分で解いたやり方は、別のことに応用が利く。
やったこともないことにチャレンジしてみたくなったとき、「あのやり方が使えないかな」と考えるようになる。
それが身につくと、かなりいろんな困難に立ち向かえるようになっていく。
ピンチとチャンスに強い思考が自然に磨かれていくはずだ。

○解き方は自分で発見する


◎自分から「やります宣言」する

「続ける」意識を自分の中で芽生えさせる簡単な方法がある。
超簡単なたったひとつのこと。
それは「自分でやると決める」こと。

物事をつまらなくするのは「やらされ感」だ。
ああ、仕事しなくちゃいけない。
ああ、勉強しなくちゃいけない。
ああ、掃除しなくちゃいけない。

「しなくちゃ」「やらなくちゃ」って思うと、なんでもとってもつまらなく感じる。
「やらなきゃ」って思うと、急にやりたくなくなる。
これをまずは取っ払おう。
考え方はすっごいシンプル。
「やらせる人なんて、どこにもいない」と思うこと。

実際「やらされてる」ことなんて、じつはこの世にほとんどない。
人はたいてい「やる」ことを自分で決めてやっている。
それを何かのせいにしてしまうのは、そう思うことで心の負担を減らしているだけだったりもする。

「やりたくない」けど「やっている」。
本来やりたくないことをやっているんだから、「不機嫌にやってもいい」と自分を許している。そしてその不機嫌さがやる気を奪う。
やらされていることだから、「この程度でオーケー」と、いい加減さを自分に許しはじめる。
本来は自分で「やる」と決めたはずなのに、「やらされてる」って考えることでいい加減な自分を容認する。
最終的には、「別にやりたくてやってることじゃない」ってあきらめる言い訳にする。

必ずそうとは言えないけど、「やらされ感」がやる気を奪うのは、「やってやってるのに思ったほどうまくいかない」という、負担に対する報酬が少ないことが要因になっている気がする。
少なくとも以前までのわたしにはそういうところがあった。

このモヤを晴らすための考え方はひとつ。

「やると決めたのは自分」そう宣言することだ。
本来なら気乗りしないようなこと、「勉強」でも「掃除」でも「ダイエット」でも、まずは「自分でやる」と決める。

どんなことでもはじめるときに「やると決めたのは自分」だと宣言しよう。
声に出す必要はないけど「やると決めたのは自分」、そう思うことからはじめる。

ものすごく当たり前のことを言ってるけど、じつはこれがすごく大事。

○「やると決めたのは自分」、まずはそこから!


◎なんでもいいからはじめてみる

何かをはじめるにしても、何をはじめていいかわからない。
「特にやりたいことがない」って人のほうが、多いのではないかと思う。

「やりたいことの見つけ方」のような本が世の中にはたくさんある。
子どもの頃に夢中になったことは何か、時間を忘れてやってしまうことは何か、そういうことを書き出して、自分の好きを見つけていく。
見つかった人は幸運だ。今すぐそれをやればいい。
でもやっぱり見つからない人がいると思う。
わたしはどちらかというとそっちだ。結局何をしたらいいかわからない。

わたしには「やりたいこと」が特にない。
でもやってみたら「好きだった」ことはたくさんあった。

今やりたいことがなければ、別に無理に見つける必要はないと思う。
何かを試してみて、続けてみて「やりたいこと」にしてしまうほうが早い。

だからそういう人にオススメなのが、「なんでもいいからはじめる」という考え方だ。

「なんとなく」はじめてみる。
くだらないことでもなんでもいい。
毎朝起きたら必ず「バンザイ」するとか。
今日から外出するのに「玄関」を使わないで窓から出入りすることにするとか。
毎日起きている時間はずっと「ドラクエ」でレベル上げをし続けるとか。
毎日同じコンビニで「ビスコ」を買い続けるとか。
今日から毎日「すき家」でご飯を食べるとか。
そんなことでいい。実際、最後の3つはやっている人がいる。
・「ドラクエ」でレベル上げし続けた人はYouTuberになった。
・「ビスコ」を買い続けた人はブログがバズりまくって本を出した。
・「すき家」で毎日食事をする人はSNSがバズって、テレビにも出るほどの人気者になった。
やっていることは、超くだらない。
でも、そんなことでいい。いや、そんなことだからいいのだ。

くだらない、だけど面白そう。なんの得があるかわからないけど、なんかやってみたい。
動機なんてそのくらいでいい。
はじめるときに、何が起きるかなんて全然わからない。
「なんとなく」やってみようかなと思ったことをはじめてみる。
それをコツコツとずっと続けていく。
そうすると、それはその人の個性=パーツになる。

みんなに面白いと思われれば注目されるだろうし、別に注目なんかされなくても継続したことは自分の一部になるし、話のネタのひとつくらいにはなる。

誰かと話しながら、「こう見えてじつはオレは玄関からじゃなくて、毎日窓から家に入る男なんだぜ」って心の中で思っているだけでも、少し幸せな気分にならないか。ならないかもね。でも、なんとなく謎をはらんだ男だという自分なりのめんどくさいアイデンティティをそこに築くことはできそうだ。
いいんじゃないか、その程度で。何か得するとか、何かを成し遂げるとか、別にいらなくない? 何もしないより少しはましだろう。
目的を考えるより、なんでもいいから、ちょっと楽しそうなくだらないことをはじめてみる。
それを続けてみたら、案外見たこともない景色が見られるかもしれない。

○目的や意味は考えなくていい


◎「目的」より「仕組み」を先に考える

目的なんてあとでいい。
でもそれじゃ続かないんじゃない?

たしかに意味がなさそうなことを続けるって難しい。

でもそれを簡単にひっくり返す方法がある。

それは「仕組み」を考えることだ。

「何かをはじめてみようかな?」と思ったときに、まっ先に考えること。
「どうやったら続くかな〜?」
どうやったら無理なく、簡単に続けられるか、まずそれを考える。

生活の中に「自然にやること」として落とし込む。
そんなにめんどうなことはない。
だって簡単にするために考えるんだから。

最初にも書いたけど、この「仕組み」を考えることがじつはすごく楽しい。

どうやったら継続できるか、その「仕組みづくり」こそ、続けることの最大の楽しみだ。
どうするかは自分で考える。
人に教えてもらっても、人のマネをしても、楽しくないし、そもそもうまくいかない。
考えるのは自分でやったほうがいい。
たださすがにゼロからノーヒントで考えるのは難しいと思う。
仕組みづくりにはある程度コツがある。

次章ではわたしがやっている仕組みづくりの方法を解説していこうと思う。

「仕組み」なんてめんどくさそうだけど、「なんだ、そんなに簡単なことなの?」ってくらいシンプルなので、逆にバカみたいと思ってしまうかもしれない。

「続ける」ことを徹底的にデザインしてみたら、案外やり方はシンプルなものだった。

○まず考えるのは「仕組み」


CHAPTER2
続けることは「仕組み」がすべて


◎絶対に続く究極のやり方

続けることは、「仕組み」さえつくってしまえば、あとは勝手に続いていく。
継続は仕組みが10割だ。
やる気も気合いも根気もいらない。

わたしは20年以上試行錯誤してこの方法にたどり着いた。

ただ、本当にシンプルでバカみたいなことなので驚かないでほしい。

まず、いちばん大事なことを書く。
何かを続けるための究極の方法だ。

「絶対になんでも続く」すごい方法。
絶対に続くし、しかも超シンプル。

「そんなものある?」
こう思うでしょ? 
じつは、ある。

嘘だと思うでしょ? 
本当にあるのだ。
もったいぶっても仕方ないので言う。
心して読んでほしい。

それは、


・・・・・・・・続きは、本で。


気になった方は、ぜひ書店にてお買い求めください。

Amazonでも購入できます。


ちなみに、目次はこんな感じです。

前日のnoteもどうぞ!

出版に至るまでの経緯というか、何で本を書いたのかを書きました!


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