「自分を変える」って、ちょっとした“めんどくさい”を超えることなんじゃないか
最近すごく思うのは、「ちょっとした“めんどくさい”を超えられるかどうか」、
この積み重ねが大きく人生を分けるってことだ。
ずっと何も成し遂げてこれなかった自分が、最近少し変わった気がする。
「やろう」「やる」と決めたことを最後までできるようになってきた。
あるときから、「ああ変わってきたな」と感じるようになって、それって、その場のちょっとした「面倒くささ」を超えられるようになってきたからなんじゃないかなって、最近そう思う。
まず、メモ。
これが大きく世界を変えた気がする。
「あとでメモに書こう」をやめた。
どんなに「面倒だな」と思っても、その場で書くようにした。
これで大きく変わった。
だって、5秒経つと忘れるんだもん。
すぐ書かないとどうでもよくなる。
忘れるくらいだから大したことないことかもしれないけど、そうやってとりこぼしていく大したことないものの中に、ダイヤの原石が眠っている可能性もゼロじゃない。
ジョギング中に思いついたことも走りながらメモに打ち込む。
実際、この記事のメモも3日前にジョギングしながら書いたものだ。
「数打ちゃ当たる」ってことなんだけど、そのためには、数撃たないといけない。
だからどんなくだらないことでも、どうでもいいことでも、とりこぼさないようにできるだけメモを取る。
「面倒くさいからあとで」という意識をとりのぞく。
即メモする。
一見ゴミでも、やがて財産になるかもしれない。
いや、確実になる。
掃除なんかもそうなんだ。
「掃除バカか!」ってくらい掃除のことばかり最近話してるけど、これこそ、いちばん面倒くさいものの代表だ。
でもこの面倒を超えたところに「楽しみ」が眠っていたことに、やっていくうちに気がついた。
掃除だけじゃなくて、3年間毎朝ダンスの練習をしてるのも、半年前にはじめた短歌も、最初は「毎日やるのは面倒くさい」って思ったけど、それを超えて本当に毎日やり続けると、それはただ楽しくて、しかも人生を気持ちよく過ごすための喜びにあふれたものに変わっていく。
いや、短歌、まじで楽しい。
世界が確実に広がった。
昨日の朝書いた短歌。
ものすごく
他人のふりで
すれ違う
初めて見たよ
あなたの妻を
こういうのが書けた時に、ああ楽しいって思える!
そうか物語がつくれるんだ!って。
人が見たらどうでもいい稚拙なことでも、何かができるようになっていく、今まで知らなかった何かを発見する。
そういう喜びを毎日続けることのなかで感じていく。
この楽しさを阻害するのは、「毎日やるのは面倒くさい」という壁だ。
そう考えると「面倒くさい」は、じつはすごく楽しくてよいものを、みんなに気がつかせないようにするための罠なんじゃないかとさえ思えてくる。
「面倒くさいを超える」とそこには楽しさが待っているのだ。
3年前に母を認知症外来に連れて行ったときに、その時点ではまだ母は認知症一歩手前のMCIとの診断だったんだけど、そのときの医者に「認知症にならないでいいようにふだん気を付けるべき事はありますか?」って聞いたら、「ちょっと面倒くさいなと思うよなことがあったら、それを積極的にやることです」と言われた。
ただ、そのときはそれをあまり深刻にとらえてなくて、母は掃除はヘルパーに任せて文句ばかり言っていて、ご飯は作らずすべて配色の弁当と冷凍食品ですませ、日記は毎日電話して書かせたりしたけど、何においても「面倒なことはやらない」を徹底していて、もう歳だしあまりガミガミと言ってやらせるのはかわいそうだなと思って、それを放置してしまったけど、みるみると認知症は進行してしまった。
これはすごく後悔している。
わたし自身は、医者に言われたその言葉をかなり自分ごととしてとらえたところがあって、その頃から積極的にいろいろ面倒なことを始めた。
毎日1冊本を読むようにしたのはちょうどその頃だ。
よく考えてみたら積極的に面倒なことをやってみて、その背中を母に見せるつもりがあったのかもしれない。
そのへんはよく覚えてないけど。
ただ、その頃から自分が変わってきたかなという実感はある。
この3年でけっこう自分が変わった。
大きく変えたのは「読む」ことと「書く」ことだ。
ひたすらこれを続けたことでたぶんわたしは変わった。
どちらも面倒くさいことの代表格のような存在だ。
毎日本を1冊読んで、毎日仕事以外のものを何かを書いている。
ある意味でわたしは毎日面倒を超え続けている。
超え続けているうちに、もうそれは面倒の顔をしていない。
当たり前のことになっている。
変わりたいと思って変わったのではなく、たぶん自然に変わった。
「続ける」ことが小さな変化を起こしていったのだと思う。
やっぱり「続ける」ことなんだろう。
毎日、「ちょっとした面倒」を超え続ける。
「自分を変える」は、これに尽きるのかも。