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感性を取り戻すみなfunワーケーション in南伊豆町

東京から電車とバスを乗り継ぐこと約3時間半。
いくつかの魅力的な街を通り過ぎ、今回の目的地である静岡県南伊豆町に到着した。

豊かな自然がある。
しかし、決して身近な場所とは言えない。
都心からもっと近い場所にも自然を感じられる場所はある。
言葉を選ばずに言えばここは「便利ではない自然」がある場所だ。

そんな南伊豆で今回私は2泊3日のワーケーション企画に参加した。
なぜそんな場所に私は来たのか。

南伊豆に来た理由

主な理由は2つである。
一つはフリーランスの友人である杉澤さんからの紹介を受けたからである。
彼女はこの南伊豆町を愛し、「みなfun」というプロジェクトで今回のワーケーション企画を提案する女性だ。
彼女とは昨年11月に福岡で行われたフリーランスになる為の合宿で出会った。同年代であり、出会った時から天真爛漫。仕事もバリバリこなす、話題に事欠かない彼女。
そんな彼女はなぜ南伊豆にこだわって活動をしているのか。
そして今回どんな思いでこの企画をしているのか。
今回はその答えに迫る旅である。

もう一つは、目の前の忙しさでついつい優先順位が下がってしまう自分の感性を取り戻す為である。
同じ時間に同じ場所で働いているとどうしても視野は狭くなってしまい、その場所の正解、世の中の求める正解に引きずられた行動を選んでしまう。
目の前のことが全てのように感じられ、気づかぬうちに自分の気持ちや感性の優先順位が下がってしまう。
世の中が求める「正解」に引きずられずに自分の気持ちを大切にする為には、競争激しい意味のある場所から一旦離れなければいけないと思う。
便利の反対の不便、意味があるのではなく、一見意味が見当たらないことに感性を取り戻すヒントがある。
冒頭で述べた通り、「南伊豆」という場所は決して便利な場所にあるとは言えない。そして今の私に取ってわかりやすく意味のある場所(仕事につながる等)とは思えない。
でもそんな場所だからこそ、正解に捕われない素の自分が現れる。そんな期待を持って、南伊豆に来た。

今回はそんな気持ちの中で訪れた南伊豆での体験記を語りたい。

DAY1 非日常に順応していく心地よさ


今回の集合場所は南伊豆でワーケーションをする人にはうってつけの拠点「らいずや」である。
弓ヶ浜海岸に近く、コンパクトで綺麗な空間に内湯、露天風呂、ワークスペース、庭先にはBBQができる場所があり、とても快適で過ごしやすい環境にある。

でも近くにコンビニやスーパーはない。あるのは雄大な海と小さな商店や銭湯やバス停。そこに普段当たり前にあるような多様な情報はない。
そんな環境に順応しなければならないというプレッシャーは、何故か分からないが心地よかった。

そんな場所に運営メンバーも含め今企画の参加者が6名が集まった。
まずは簡単な自己紹介を済ませた。
当たり前ながら参加者の参加背景は違うし、それぞれのやっていることも違う。なぜこの場所でこんなメンバーが集まることになったのか。偶然の巡り合わせはほんとに面白い。

平日にこんな遠いところにワーケーションに来るメンバー。
共通してみんな、自分の人生に素直に生きている気がした。
皆と話をしていると、もっと素直になっていいんだと感性が戻ってくる。同時に普段の自分が何か大事なものを忘れながら働いていることに気がつく。

たぶん都心で開かれる異業種交流会に参加しても、こんな気持ちにはなりえない。手軽に行ける場所ではないからこそ、明確な意味が決められていない企画だからこそ、それが日常から自分を遠ざけ、普段とは違う感性を引き出してくれる。

その後は弓ヶ浜まで散歩し、そして地元名店での晩御飯。

全ての場所が日常と離れているが故に初日から新鮮な気持ちでいられた。

DAY2 今いる場所を知る

この日は朝から南伊豆でも有名な「カノー伝説」という古くは石切り場として使われていた場所に向かった。
個性的な地元ガイドに連れられて山に入る。石切り場の見学は初めてだ。

正直に言えば、まず普段の自分ならば選ばない観光地だと思う。そんな偶然ともいえる結び合わせが何をくれるのか。
ガイドからは興味深い話しが次々と出てくる。全部は書けないので、特に印象に残った話を二つ。

一つは、今いる南伊豆のある伊豆半島は日本で唯一違うプレート(地盤)の上にあるというとてもスケールの大きな話だ。

参照元:https://tigakutasu.com/nihonhukinnopureto/

日本は大きく4つのプレートの上に乗っているが、伊豆半島は本州で唯一、フィリピン海プレートというフィリピン付近の地盤の延長線上にある場所である。ざっくり言えば遠い昔より徐々にフィリピンの方から近寄ってきて、日本列島に合流したものであり、本州の他の地域とは歴史的な地盤性質が異なる、という話であった。
日本に居ながら昨日とは違うプレートの上に居るという事実はなんだかとても新鮮だった。
それはある人にとっては別に大したことではないのかもしれない。だけど、その時の私は、なんだかその話がとても気になった。

「昨日とは違うプレートの上にいる私、なんだかいいじゃん。」

上手く言葉に表現できないのが残念であるが、そういう感覚は自分の気持ちを取り戻している証だと私は思う。

もう一つは、この場所は立派に整備されているが、この保存には行政の力(補助金)は借りていないという話である。カノー伝説の場所は個人の私有地であり、オーナー管理の元で成り立っている手作りの観光名所だ。
行政の補助金を使ってしまうと、安全の為に手すりが付けられてしまい、それにより絶妙なバランスで守られているこの風景が台無しになってしまうのだとか。
行政の補助金=万歳!と考えていた私からすればとても意外な視点だった。
この景色の裏にあるオーナーの覚悟のようなものを知り、さらにこの景色が恋しくなってきた。ガイド曰く、いつ崩れてもおかしくないとのこと。そんな切ない話がこの場所にさらなる魅力を与えているのだろう。

この日は他にも道の駅やあいあい岬等の地元の名所を巡った。

どれもユニークで素晴らしい場所ではあったが、もう頭の中は「ここはフィリピン海プレートの上」、それでいっぱいであった。笑

夜は地元で活躍しているゲストを招いてのBBQ会。

こういうワーケーション企画では鉄板の企画であるが、地元の方の話はいつもほんとに面白い。
南伊豆は決して便利な場所ではない。制限も多い。でもその制限が結果的にユニークさを生み出している。ご当地に決まりきった米の銘柄がない故に9種類のお米を作る農家の方、Vtuber(趣味)アイドルとお好み焼きを組み合わせるNPO法人の方、南伊豆でこのようなユニークな企画を生み出した運営メンバーを送り込んだフィクサー。宿泊しているらいずやの素晴らしい運営方針とこの夏、海の家での出店計画。

そんな方々とお酒を交わしながら話をしていると、色んなアイデアが浮かんでくる。ほんとになんでもできるような気がしてくる。そんな陽気なテンションになってしまう夜が私は本当に好きだ。


DAY3 南伊豆から伝播する想い


前日のテンションの反動はきちんとやってくる。
朝から綺麗な二日酔いだった。地元のインストラクターに習い、人生初の朝ヨガをやる予定であったが、あまりの体調不良にパス。。。

他の皆は朝の気持ちよい空気の中で健康的に身体を動かし、とってもスッキリした様子だった。羨ましい。

その後、しばらくして閉会式があった。
それぞれが2泊3日の感想を述べていく。ほんとにあっという間であったが、みんなそれぞれに感じるものがあったようだ。
私自身も改めてワーケーションの良さを感じた。正直、皆の話を聞くのが面白過ぎて、目の前の出来事が新鮮過ぎて、仕事はあまりできなかった。でもその少ない仕事時間では普段何時間考えても出てこないようなアイデアが出てきた。新たな視点で仕事に向き合えた気がする。

最後に来た理由の一つである杉澤さんにあらためてこの南伊豆町への想いやこの企画の趣旨について聞いた。

杉澤さん:
「自分が2年前に偶然来て良さを感じた南伊豆。素直にこの街に関わりたいと思った。そしてその熱意に、南伊豆の役場の人やらいずや運営の人々、地元の方々が答えてくれた。関わる人が増えていく中でより街が好きになっていった。
だから皆にもファンになってほしい。そして楽しんでほしい。気に入ればまた来てほしい。ここ南伊豆でワーケーションを提案するのは、そんな南伊豆で色んな人が交わるところを見てみたいから

今回はじめて南伊豆来た私であるが、彼女が伝えたいことは十分に伝わった。おそらく他の参加者も彼女の南伊豆に対する熱意を感じたと思う。

その熱意は伝播していく。
それが時間をかけて大きな波になっていく。
その波がいつかこの南伊豆に新しく面白いことを届けるだろう。
今回の旅を通して、素直に私もその力になりたいと思った。
そんな楽しみが増えたワーケーション企画であった。

最後になったが、企画してくださった運営の方々、出会った参加者。現地でお話を聞かせて頂いた関係者の方々に感謝を申し上げたい。

短い時間ながら普段感じえない自分の感性を取り戻した2泊3日であった。
名残惜しい気持ちで、また来ることを誓って私は南伊豆(フィリピン海プレート)を後にした。

文責 シマサキタツロー

株式会社しもズブ(HP)

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