見出し画像

本当の意味での”子どもたちのために”は、たとえ誰に何を言われたとしても「自分は、この世界が素敵で楽しいと思う」と本気の目で言える大人であることなんだなと思った

みんなのいろいろ』という絵本の制作に携わらせてもらいました。

・・・

セクシュアルマイノリティ当事者として、アスリートのひとりとして、スポーツで辛い想いもしたけれど、それ以上にスポーツがあったから幸せであれたこと。今、スポーツが楽しくない、スポーツの場が居心地が悪いと感じている子どもたちに、自分を含めスポーツで幸せな想いを得てきた側のアスリートは何ができるのだろうと、ここ数年ずっと悩み続けてきた。

・・・

そんな中で、去年の春、2020年からお世話になっているNikeのBeTrueチームから「一緒に絵本をつくりませんか」とお声がけいただいて。

清水文太さん、Macciuさん、大谷明日香さん、平岩壮悟さん、あいさんをはじめとするAKQAの皆さん、Nikeのだんさんとよしおさん…絵本が形になるまでの約1年間、制作チームの皆さんとご一緒できたこと。”未来の子どもたちのために何ができるのか”悩み続けて来たことへの解をもらえて、自分の人生の中でも本当に大切な時間すぎたと思う。

・・・

制作チーム、だれひとりとして”未来の子どもたちのために”という想いがブレることがなかった。

前置詞ひとつ、なぜこの言葉を使うのか。なぜこの色にするのか。語りかけるのか、セリフにするのか。リアルを伝えるのか、未来をみせるのか…どれも本当に大切な問いだったと思うし、どれも正解がないものだったけれど、1人ひとりが自分の中にある大切にしていることを軸に”何が未来の子どもたちのためになるのか”について対話を重ねて。

その対話に誰も妥協がなかったことが、すごかった。

(いろんなところで話しているけれど…)特に心に深く残っているエピソードとして、文を書いた文太さんが、「ファンタジー過ぎるのでは」という意見がでたとき「この言葉を残せないんだったら、この絵本を自分が書く意味がない」「だったら名前を出したくない」と言い切っていた姿が印象に残っていて。

本当の意味での”子どもたちのために”は、たとえ誰に何を言われたとしても「自分は、この世界が素敵で楽しいと思う」と本気の目で言える大人であることなんだなと思った。

・・・

濁りなく届けたいと思える言葉と世界が詰まった絵本ができた。

あとはこの絵本が色んな人の手に渡り、1人でも多くの子どもたちに届けられるように、自分の立場で出来ることをやりたいと思うし、一緒に広めてくれる仲間が増えたら嬉しいなと思う。

先週は、ファウンダーを務めるOPTのPOPUP@渋谷モディで文太さんの読み聞かせ会を開催して。

絵本に込めたメッセージにじっくり耳を傾けてくれて、「姪っ子にあげたい!」「職場に置かせてほしい」と絵本を手にとって帰ってくれたことが嬉しかった。あとは、現所属クラブである大和シルフィードと一緒に、大和市内にある図書館にみんなのいろいろを置かせていただいたり、選手を巻き込んで読み聞かせ会をやる企画もすでに動いている。

冒頭にも書いたように、アスリートはスポーツで幸せになった経験をしてきた側だからこそ、本気でスポーツの楽しさを伝えられる存在だと思う。だから、もっと色んなアスリートと一緒に、絵本を通してワクワクを子どもたちに届けられたら。少しでも気になるな、何か一緒にできないかなと思うスポーツ関係者の方(もちろんそうじゃなくとも)がいたら、お声がけください。

もっと絵本について知りたいと思った方、下のNike BeTrueのページから絵本のデジタル版やインタビューにアクセスできるよ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?