空き家を所有しているだけで課税?京都市の新条例について解説①

日本全国で増加している空き家。
今回は、少し前にニュースでも話題になった京都の話をしたいと思います。

人の手入れが行き届かない空き家が増えることは、地域住民の安全、防災・防犯上の観点から好ましくないため全国の自治体にとって課題の一つとなっています。
令和4年3月25日、そんな空き家に課税するという条例が京都市で可決され、令和5年3月24日に導入が正式決定されました。
空き家に課税する条例とはいったいどんな内容なのか?
前半と後半に分けて、解説していきます!
前半の今回は、条例の概要をお話しします。

京都市非居住住宅利活用促進税条例とは

京都市で新たに導入される制度は「京都市非居住住宅利活用促進税条例」と言います。この制度は、誰も住んでいない住宅に対して課税し、その住宅の所有者に納税義務を課すという制度です。つまり、今回導入される制度により、空き家を所有しているだけで新たな税負担が生じることになったのです。別名「空き家税」とも言われています。

空き家を含む非居住住宅に課される

課税対象となるのは、京都市の市街地区域内にある空き家のほか、セカンドハウスや別荘など普段居住用として使われていない物件全般です。
週末に利用するだけ、年に数回利用するだけ、といった完全な空き家ではなくても生活の本拠として居住実態が無ければ課税対象となります。

納税義務者は非居住住宅の所有者

納税義務を負うのは生活の本拠が無いと判断された非居住住宅の所有者です。対象となる物件に所有者の住民票があるかどうかは問いません。
そのため、住民票上の住所地として、所有する空き家に住所を移転しても課税を逃れることはできず、生活の本拠が無いことが明らかであれば納税義務が発生してしまうということになります。

いくら課税されるの?

税額は建物評価額の0.7%で、床面積に応じて土地評価額分が加算される仕組みとなっています。固定資産税の税額は評価額の1.4%ですから固定資産税の半額程度と考えるとイメージしやすいでしょう。

施行日はいつ?

具体的な課税開始時期は未定ですが、令和8年以降の開始が予定されています。固定資産税と同じように、年4回に分けて納付する普通徴収です。

条件によっては減免措置を受けられる

この空き家税、一切の事情を考慮せず一律に課税されるというわけではありません。
以下のような場合には減免措置を受けることができます。

・事業用として使っている、または1年以内に使うことを予定している
・賃貸、売却を予定している(免除期間は募集開始から1年)
・居住者の転勤、介護施設の入居などのため一時的に空き家になっている
・固定資産税が非課税又は課税免除とされている 等

また、所有者が死亡した場合には3年間の徴収猶予があります。

今回のまとめ

今回は以上です。条例の内容、ご理解いただけましたでしょうか?
この条例は、京都だけで施行されますが、空き家が削減されたら、成功事例として他の地方自治体でも導入されることでしょう。
次回は、何故この条例を京都が導入するに至ったのか、そして課税されないためにはどうすればいいのかというお話をしたいと思います!

次回もお楽しみに!

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