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田舎に移住して、農的暮らしがしたいのですが、地域に馴染めるか不安です…

地方に移住して5年、ドーナツ化現象の団塊ジュニアです。稲刈り前最後の台風か、激しく倒伏、う~ん品種を考えた方がいいかもなぁ。

「田舎に移住して農的暮らしがしたいのですが、地域に馴染めるか不安です…。どうしたらいいのでしょうか?」という質問はきてないが、書きたいので書こう。

答えは簡単だ、一に草刈り、二に草刈り、三四が挨拶、五に草刈り、これにつきる。なかなか大きい声で挨拶できない、対面でのコミュニケーションはあまり得意ではない、そんなこと何の問題もない、とにかく草刈りだ。社交的で口が達者な草刈りしない自称田舎を何とかしたいさんより、無口で一見無愛想な草刈りを頑張る田舎で農的暮らしがしたいさんの方がよっぽど地域での評価は高い。

家、田畑周辺の草刈り

まずは自分の住んでいる家の周りと自分が管理している田畑の周囲、これは基本。頻繁に草を刈り、いつも綺麗にしておこう、綺麗の基準は人によって違うが、土地の人の基準に合わせよう、だいたい草丈15cm以内に抑えておけば問題ないだろう。自然農法は基本的にあまり草を刈り過ぎてはよくない、さらに自然農法の熱に侵されているあいだは草に対する綺麗の基準が他の人とずれている場合が多い。いろいろな思いはあるだろうが、田んぼの畦と畑の周囲と畝間はしっかり草刈りしよう、そうすれば田んぼのなか、畑の畝上は多少好きにしても許容範囲だ。

地方にもよるのかもしれないが、田畑が隣の田畑と接している場合、山手の境界は下手の者が草を刈るといった不文律があるが、そんなこと関係なく自分が管理する田畑の周囲は自分で綺麗に草刈りしよう。周囲を綺麗に保てばご近所さんも嬉しいし、綺麗にしてるねとご近所さんに言われれば自分も嬉しい。

自治会の草刈り

次に自治会の草刈り。移住して自治会に入らないなんて論外だ。これから地域の一員としてその地域のコミュニティーに受け入れてもらおうというときにその地域の自治会に入りたくないなど不遜以外何物でもない。頭を低くして礼儀をつくし地域の古老に教えを請おう、心配せずとも今は昔のような強制はない。

地域にもよるがだいたい年に2回の草刈りがある、移住者にとって最大のチャンスだ、寄り合いという飲み会に行かなくとも地域の祭りに行かなくとも草刈りだけは絶対参加だ。バリバリ働こう、黙々と草を刈ろう、なにも話す必要はない話す共通の話題もないたぶん話も合わない、それでいい。2年間草刈りを続けたら、3年目には自然にみんなと談笑まじりに世間話をしているだろう。

消防団の草刈り

そして消防団の草刈り。自治会よりもう少し広い区域で、地域の消防団の管轄がある。田舎に移住と消防団への参加はセットだと思っていたが、意外と移住者にも地元の人にも参加していない人がいる。ただ移住者にとっては周囲の男性陣に自分を認知してもらう絶好の機会だ是非参加しよう。

こちらも地域によるが、草刈り2回か3回と草焼きがある。このチャンスを確実にモノにしよう、真夏よりも紫外線のきつい5月、梅雨明けのもっとも草に勢いがある7月、残暑きびしい9月、いづれも一番に草むらに飛び込んでいき、刈って刈って刈りまくれ。周囲が休憩にはいるのを感じても、誰かが視界に入る場所で休憩のジェスチャーをするまで刈払機はとめない。特に傾斜がきつい畦を狙って攻めるべし、滑るので田んぼ用の足袋でも履いていけば完璧だ。2年間それを続ければ、3年目には冗談を言い合う仲間だ。

ちなみに消防団は序列があり入った順だ、分団長を中心に副分団長と会計で三役と呼ばれる、その下に班長がいてヒラがいる、だいたい50歳くらいまでに分団長を務めて退団する。私は38歳で入団したがもちろん末席だ、下っぱは寄り合いのたびに買い出し、夕飯の準備、会の途中のお酌、後片付け、いろいろ大変だ。分団長から「しまうまくん、OB の方のお酒空いてるよ」と言われれば、くそっ、めんどくさいなと思っても「はい、失礼します、どこそこに越してきたしまうまです。よろしくお願いします。」と席を回り。副分団長から「しまうまくん、豆腐きってよ」と言われれば、めんどくさいな、自分でやれよと思っても「はい、オッケー!ミラノ風トーフーのスライスプレートになります」と素早い対応。なんなら「サイドディップにソイソースジンジャーです」ぐらいやっておけば「おっ、お洒落だね~。これ合うね、さすが、都会者は違うな。」なんて言われる。楽勝だ。2年もやれば3年目にはテキトーにかわして、皆と一緒に騒いでる。

まずは自分の居場所を

移住して数ヶ月で、あーしたらどうかこーしたらどうかとごたくを並べる前に自分の居場所を確保しよう。そもそも地元の人達は、そこで生まれ育ち子育てし立派に今を生きている、よそから来た若僧にとやかく言われる筋合いはない。それでも、田舎でその地域でその土地の人達と何かを成し遂げたければ、まずは自分の居場所を確保して、自分の意見を聞いてもらえる環境を整備しよう。地元の人と協力してことを興すのは、それからでも遅くはない。

5年もすれば、常識の範囲内で何をやっても誰もなにも言わない、協力したい一緒にやりたいという人も出てくる、皆いい人達だ。


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