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私たちの世界遺産

先日、同僚と帰宅しているとき、「自分の7つの世界遺産」というものを持っているのだと教えてくれた。たとえば、それは小さいときに祖父と通った銭湯だったり、恋人と行ったパリの小さなレストランだったりするそう。

他の人からするとなんでもないような場所でも、自分にとっては後世まで残っていてほしい特別な場所を、「自分の世界遺産」として認定しているそうだ。そしてそれは、7つ以上増えたら、入れ替え制となるらしい。

おもしろい。

帰宅してから夫にこの話をし、私たちの世界遺産はどこにしようかと話した。

結婚式を挙げた東京會館、3回目のデートで夫が告白してくれた六義園、二人暮らしをスタートさせた今の家、そしてこれから住む新しい家……。

他にも二人で国内/海外旅行した場所など、「場所」としてはもっともっと挙げられるけれど、「世界遺産」として残したい場所となると、上に挙げた4つくらいしか出てこなかった。

「これからまた増えていくんやね」と夫がつぶやいた。

「ほな、私たちが死んだときに世界遺産メモを残しておいたら、だれか私たちを偲んでくれる人たちが巡ってくれるかもね」

「死ぬときに7つ埋まってたらいいなぁ」と私が言うと、

「もし、今挙げた4つの世界遺産が全部入れ替わってたら、すごく思い出深い人生だろうね」と夫が言った。

すごいと思った。

東京會館、六義園、今の家、新しい家を超える特別な場所が7つもできて、今の特別な場所がすべて入れ替わっている可能性もあるんだ!

これからどんな場所が私たちの世界遺産に登録されていくのだろう。

それは、最後人生の幕を閉じるとき、どちらかの手に握られているメモに答えがある。



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