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自分で作る:自分をつくる

うちの学校は秋、冬、春の三学期制ですが冬と春の間に3週間の特別集中授業があります。
教師がペアやグループになって普段教えないことを3週間やり、生徒も学年関係なく興味のあるクラスに登録します。
基本的に私が企画する授業は生徒達も自分も興味があって、一緒に楽しく学べるものですが、その中でも特によかったのは数年前の 自分でモノを作る という企画でした。

私とあと三人の先生で受け持ったのですが、学びのフォーカスは

今までは買ってたものを作ってみる です。

自分たちがお金があれば買うことのできる身近なものを、3週間かけて作る という企画は私自身がぜひやってみたかったことで、それに乗ってくれた生徒達が30名近く集まり、大盛況のクラスでした。
男子女子、9年生12年生、関係なくプランを立ててテーマに沿って作ります。
先生達がやり方を知っているものは教えますが、わからないものは基本Youtubeでやります笑。

作ったのはこのようなもの。生徒達は(先生達も)ほとんどすべてが初めての体験でした。

食べ物:カップケーキ、クッキー3種、お寿司、いちご大福、うどん(麺から)、水餃子(皮も)、アイスクリーム

身に着ける物:ビーズアクセサリー、マフラー、指輪、エプロン、Tシャツ(これは染めただけ)、スリッパ

生活用品:ローション、リップクリーム、石鹸、アロマキャンドル、バスソルト、スクラブ洗顔、練り香水、ハーブピロー(タンスとかに入れるいい匂いの袋)

個人のプロジェクト(一人一人、好きなものを作りました):本棚、チャイナドレス、エコバッグ、ラップトップケース、巣箱、セーター、ドールハウス、マグカップ、お箸、木のスプーンとフォーク、ブランケット、ブックマーク、ピクルス、ドリームキャッチャー


3週間何かを作りっぱなし(8時間授業です笑)は本当に大変なのですが、皆疲れを見せながらも、作り上げたい一心で頑張っていました。

そして助け合いの心ーー誰かの役に立ちたい、困っていたら手を差し伸べたい、知っていることがあれば教えたい、生徒達のそんな変化が目に見えた3週間でした。

意外にも男の子達がハマったのが編み物!悪戦苦闘でしたが、どんどん長くなるのが楽しかったようで競うようにランチ時間も編んでました。目はガタガタですがもう達成感いっぱいで、発表は誇らしげでした。
女子はやっぱりアクセサリー作りが楽しかったようでビーズでお揃いのブレスレットやネックレスを作ったり、お母さんへのプレゼントにしたり。


この授業(と呼んでいいものか・・・私も自分の作りたいものを楽しく作ってたので)で子供達が口を揃えて言っていたのは

普段何気なく使っているものも、作ると愛着が湧く
大量生産のものは買うとゴミもたくさん出るから、作ってもいい
食べるものは何が入ってるかわかるから、安心
上手くできるようになりたいから何回も練習したい

集中力に欠け、飽きやすく、すぐに投げ出しがちと思われている年頃の子供達が 自分たちで手を動かし創造することは 面白いんだ! とわかってくれたのが嬉しい結果でした。自分で何かを1から作るという経験は、彼らにとっては自分を知る・自分の役割を知る・自分という人間をつくる一歩になったと思います。

買えばなんでも手に入るこの世の中に、造るという体験をさせてあげられてよかったなぁとホンワリしています。
こんな授業ばかりだといいんだけどな 笑。

今夜は小論文の採点が山盛りなので、そんな楽しかった授業を思い出しています。

シマフィー

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