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スパルタのカラオケ in 中国

アメリカの大学院でやや燃え尽きていた私は2000年の頭に中国で英語を教える職を得、1年間の予定で引っ越しました。中国語も話せず、右も左もわからずでしたが、なんやかんやで5年以上そこで仕事をしました。

決して中国の暮らしが性に合っていたわけではありません。どちらかというと毎日 ”早く出たい、中国から遠く離れたところに行きたい” と切望していました。あれから随分時間もたち、今振り返ると理不尽で不公平で腹立たしい思い出が山ほどある中、中国で学んだ大切なこと・・・自分のことだったり、社会のことだったり、人間のことだったり、は現在の自分を形作った重要なピースであったと強く感じています。

言葉が話せない自分は誰がどんなことを言っているかがわからないので、ストレスは少なかったと思います。どちらかというと現地の人のあらゆることに関するコメントが理解できた数年間の方が心理的には辛かったです。

↑ここで書いた様に私は中国の大学で教え始めた時、ニーハオもまともに言えない状態だったので、勉強しよう!と決めてからは毎日参考書とテレビと辞書を使って暇な時間を中国語学習に当てました。

その中でも私にとって有益だったのは中国人の友人とカラオケに行くことでした。

現地の友人夫婦は何かにつけ私を食事とカラオケに誘ってくれました。私はご主人の方に英語を教えていたのですが、奥さんの方はほとんど英語を話さず、私が中国語を勉強しているのを知っていたので会うたびに新しい言い回しや成語、スラングなどを教えてくれ、一緒に歌を歌ってくれるのです。

”週末にカラオケに行くよ!”と声がかかるとその日に向けて新しい歌を練習していきます。

テレビの歌番組や流行のCDなどから選んで一通りの発音と意味を予習して、本番で披露です。彼女は聴きながら細かに発音の訂正もしてくれるいい先生でした。そしてちゃんと正しく発音できるまで何度も繰り返し歌わせます。音楽に乗っていない時の発音も何度も練習させます。スパルタ学習です笑。

旦那さんの方は ”上手だ!前回よりずっと上手い!天才か!” と褒めてくれる優しい人でした。まさにアメとムチの素晴らしいチームでした笑。

彼らはのちにアメリカに移民し、現在はうちから4時間ほどのところに住んでいます。先週何年かぶりに連絡があり、懐かしい話とカラオケ語学レッスンの思い出で盛り上がりました。何年経っても優しい友人は優しい。中国にいた短い間にこんな素敵な友人ができた私は本当にラッキーです。

当時私が歌っていたのはこの様な曲です。どれも当時人気のあった歌手(台湾系が多かったです)の代表曲ですね。20年経っても色褪せない素敵な曲ばかりです。ざっと聴いてみたのですが、今でもちゃんと歌えました!スパルタ練習のおかげです。

Rene Liu: キロロの曲、2曲をカバーして商店街でもレストランでもテレビでも、本当によく耳にしました。


Sandy Lam :これ一曲しか知らないのですが、透明感のある美しい声と物悲しいラブソングは若い女子が必ず歌ってました。


Zhang Huimei (A-Mei):この曲も女子のカラオケ定番です!


Wang Fei :この曲でたくさんの単語を覚えたシマリスですw


もう20年前ですが本当に久しぶりにこれらの曲を聴き、よく行っていたカラオケ店、向かいの火鍋屋、通りの先にあるパイナップルや串焼きの屋台、夜中にぶらぶらといい気分で一人で家路についたこと・・・そんな普段の自分の姿を思い出しました。

ちゃんと中国でのいい自分も思い出せてよかった、とホッとしてます。

シマフィー 

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