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”Orionからの招待状”には何が書かれていたのか

昨年の武道館ライブのオープニング曲(↑の映像がそれです)でもあった”Orionからの招待状”はThe ALFEE の2015年発売・24枚目のアルバム、”三位一体”のトップを飾るイントロ・コーラス・歌詞・曲、全てが壮大な名曲です。

この曲の背景やキーワードの星座、流星、座標軸、そして変わらぬ愛、が示すようにこれは高見沢さんが得意な半径700光年の世界です!1光年が9.5兆kmですので、高見沢さんの愛がどんなに遠くまで届くか計算してみてくださいね。

歌詞はこちらから

今日はこの曲をより深く理解し歌声にもっと聴き惚れるために”Orionからの招待状”のキーワードを考察していきます!


Keyword 1: オリオン星・悲恋の物語・月の女神アルテミス

ギリシャ神話が苦手な私・・・曲中で悲恋の物語に思いを馳せる、とありますので一体オリオンさんに何があったのかを調べてみました、そしたら結構ひどいです。

オリオンさんの悲恋その1ーメロぺさん
オリオンはポセイドンを父に持つ巨人である狩人で、恋に落ちた美人のメロぺさんの父親からの”この島を荒らすライオンを退治したら結婚してもいいよ”という申し出を信じてライオン狩りに出向きます。狩りの天才オリオンさんはさっさとライオンを仕留めますが、お父さんは結局は約束を果たさず、あろうことか鬱陶しいオリオンを泥酔させ両目を潰します。

オリオンさんの悲恋その2ーアルテミスさん
視力を失ったオリオンさんは神のご加護を受け、東に向かい日の神ヘリオスさんの力で視力を戻してもらいます(よかったね!)
そしてその後ひょんなことから出会って月の神兼狩猟の女神であるアルテミスさんと恋に落ちます。
が!アルテミスさんの双子の弟、アポロンはそれをよく思わず、アルテミスに罠を仕掛けます。
”あの遠くの海に浮かぶ小さな的(動物という解釈もあり)を射抜くことが出来るかな?”ともちかけ、弓の名手アルテミスさんは”出来るよ〜”とその的を射抜きます。
実はその的は海の中を歩いていたオリオンさんの頭でした・・・・。

これは悲しい・・・・オリオンさんが不憫すぎる。

*そのほかにもオリオンさんはサソリの毒で死んだ、という話もあります(なので蠍座から逃げるように空に上ります)。何にしろかわいそうな巨人です。

Keyword 2: オリオン・シリウスの煌めき・夜空のジュエリー

オリオンさんのすぐ後ろに2匹の犬がついてきています。これらはオリオンの狩りについていっていた狩猟犬だという話です。写真のように3点の明るい星を繋いで冬の大三角が出来上がりますが、シリウスは最も明るいおおいぬの鼻・口にあたる星です。オリオンさんを見上げると必然的に青白く輝くシリウスも見えます。

 tenki.jp からお借りしました
こちらの絵だとオリオンが左手にライオンの毛皮、右手に棍棒、犬が2匹、見えますね(image: tokyoexpress.info)

シリウスは古代ローマの文献では”赤く輝く”と表記されていますが実際は青白いです。高見沢さんがもし古代ローマ同様にこの”夜空のジュエリー”を見ていたらルビーやファイヤーオパールなどを想像していたかもしれません。

Keyword 3: 流星のパレード・流星が降り注ぐ

”流星のパレードを見よ、座標軸はその愛”
”流星が降り注ぐ、美しい君のその体に” 
幾百もの美しい流星が愛する彼女(にある愛)に向かって落ちていく、その星が流れていく場所には彼女がいる、彼女をたくさんの煌めきで包む幻想的な光景を思わせる歌詞です。

パレード・降り注ぐ、とありますのでこれはズバリ、オリオン座流星群なのではないでしょうか。
オリオン座流星群はなんと!毎年10月末から11月にかけて観測が可能です。
ということは、彼女には毎年欠かさず星が降り注いでいる、ということになり永遠の愛は真実なのだと感じさせられますね。

Keyword 4: 運命のセレナーデ・宿命のカンタータ

セレナーデは元々は日が暮れてから愛する女性の窓の下で謳う愛の歌です。
”嘆きの天使”が奏でる、とありますがこの嘆きは二人がいつか引き離されてしま未来がわかっているからでしょうか。運命は人の手で変えられるものなので、ひょっとすると歌い手は愛を長らえようと歌っていたのかもしれません。それでも彼の未来がわかっている天使たちが奏でるセレナーデは悲しい音だったのでしょう。

カンタータは一般的には独唱やコーラスなどのいわゆる声楽ですが、宗教改革後のドイツでは教会で聖書の物語を歌にのせるカンタータが盛んになります。
この歌詞では”宿命のカンタータ”なのでもう逃れられないさだめ・・・つまり死を意味していると思われます。
直前の歌詞でも”限りあるこの命に変わらぬ愛を誓う” とありますので、天使が謳うカンタータは命が尽きゆくことを歌っていたのかもしれません。

Keyword 5: Orionからの招待状

オリオンに導かれ届いた招待状に書かれていたのは ”もう時間だよ、こちらにおいで” という、地上の魂を天空に呼び寄せる優しい言葉だったように思います。
サビの部分の ”泣かないで 泣かないで いつも僕はここにいる・いつも僕はそばにいる” から星になってしまったのは彼だった、と推測されますね。

夜空に輝くオリオンに呼ばれるように、いなくなった彼・・・
命尽き、星になってもなお、愛という流れ星を惜しみなく降らし、いつまでも遠くにいる愛する人だけを見つめ続ける・・・
オリオン座を見上げ、思いを馳せたオリオンの神話のような悲恋ですが、美しいメロディと高見沢さんのボーカルのおかげで苦しいや辛いとかの感情で重くなってはいません。

半径3mでも半径700光年でも高見沢さんのラブソングは美しい音と言葉にのせたストーリーで、高見沢さんの天才っぷりがキランキランなシリウスのように輝やく名曲です!

シマフィー 

Spotifyをお持ちの方〜三位一体、かっこいいですよ!

参考文献はこちら



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