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結婚したくないぶらぶらの私が結婚した

私が結婚すると決めた時に、周りは一人残らず えーーーーーーーっ! といったと思う。両親も、親戚も、友人も、皆私は独身のままずっとぶらぶらし続けると信じていたのだ。私自身もそうだった。幾つになっても結婚したいという気持ちは全く起こらず、むしろ結婚してしまうと自分のやりたいことが制限されてしまうと恐れ、それまでに受けたプロポーズも断ってきた。
ぶらぶらしていると言うと語弊があるかもしれないが(ちゃんと仕事をして独立していたので)、私の生活自体はまさに ぶらぶら で、あっちに住んでこっちで仕事、好きな時に好きな所へ旅に出て、と長い間自由を満喫していた。

両親は諦めていたと思う。孫の顔は見れない。日本に帰って来て定職に就くこともない。良い人と家庭を持つこともない。
今思えば、どちらも“結婚はまだか”とか“誰かいい人がいないのか”とか私に言ったことは一度もなかった。それは多分うちの家庭の何となくの決まりで、学生時代も“勉強しなさい”とか“大学はどうするか”なども言われたことがなかったので、せっつかれることがなくても格別変ではなかった。

そんなぶらぶらの私が30半ばに急に結婚することになった。
それも出会って5ヶ月ほどで決まったので、両親はこれはドッキリではないか、と半信半疑であったろう。

誰に報告してもおめでとう、より先に “なんで???” と聞かれる結婚(笑)
多分みんな本気で何故今、この男と結婚すると決めたのかが知りたかったのだと思う。
いわゆる私の“好み”の外見ではなく(ロン毛のイケメンが好きです笑)今までとは違ったタイプの彼にどんな大きな魅力があったのかを知りたがった。

でも私にはこれとこれが良い!とはっきりした答えが出せなかった。だって、そんなリストにマルバツつけるような恋愛をしたことはないし、結婚の条件などを考えたこともなかったから(一生独身の予定でしたし)。
みんな結婚の決め手、ってはっきりわかってるのかなぁ、と不思議に思いつつ、自分の中ではこの人以外と結婚することはなかろう、というのははっきりしていたので、細かい理由は特に考えることもなかった。

あとあと考えたら二つ思い当たる節があり、内側からと外側からの力がかかっていたのかな、と思う。

一つは彼は自分にないものをたくさん持っていて、私が持っているものは、彼は数倍上をいくものを持っていた。
ありとあらゆる知識、努力、思いやり、考える力、家事の上手さ、頭の回転、ユーモアのセンス、お金の管理、読書量、集中力、話術、家族愛・・・どれをとっても私の上を行っている。本人も認めているけど私の方が上手いのは料理だけだ。
結婚してこれまで私は掃除機も洗濯機も触ったことがない。掃除も洗濯も嫌いなのでありがたい(笑)。私の内側からくる力が彼をがっしりと掴んだのだろう。
結局は何から何まで素晴らしく自分が尊敬できる人だ、というのが世間の言う“決め手”だったのだろう。ということで、私みたいなグータラのぶらぶらが強く惹かれたのは正反対のシャキシャキチャンチャン、と出来る人だった。

そしてもう一つ、外側からの力。タイかカンボジアあたりに旅行した時に手相を見てくれた人がいた。彼はプロの占い師ではなかったけど、私の手相を見ていくつか面白いことを言ってくれた。
100近くまで健康で長生きする、とか大金持ちにはならないけどお金に困ることはないとか。
そして30代半ばに人生を大きく変える何かが起こる(えらく曖昧な予言です)、とも言った。それが私の頭の隅にあったのではなかろうか。
占いを信じているわけではないけど、人生を大きく変えてみよう、と思い立つほどにはその予言が気になっていたのではないか。
実際に結婚以外で私の人生を変えた出来事は30代半ばではなかったので、私は彼の予言を“当たらせてあげた”のかもしれない。
それか彼は本物の当たる占い師だったか。

そうだったら彼のもう一つの予言が気になる。
“シマはずっと同じ職を続けるけど、ある年齢を境にそれが違う方向に変わる”という予言。
どんなことなのかは、相変わらず曖昧でわからないけれども、その“ある年齢”はちょうど今ぐらいの年なのだ。
教師を今まで続けてきた・・・それが変わる(かもしれない)。
クビになるのか、昇進するのか、違う分野・職種に変わるのか、スカウトされてアイドルになるのか・・・・わからないけど、とにかく時期は今頃らしい。

また“当たらせて”あげるのか・・・自分から行動を起こしてはいないけれど、それなりに何が起こるのかワクワクが止まらない。

シマフィー

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