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Hey, sister!

大人になって友達を作り、友情を続けるのは難しいものだと常々考えている。
お互いがお互いを“この人だ!”と思い、親友になるのはまるで結婚相手を探すときの様に、様々な“一致”とタイミングの良し悪しが決め手となるのがわかったからだ。

今、誰かに “シマの友達は誰?”と聞かれたら一人の名前しかあげられない。
他にも仲が良くて一緒にランチを食べたり、海辺をぶらぶらしたり、お芝居を観に行く人間が周りにいるけれども、トモダチというタイトルを真剣な意味でとり、そのタイトルを授けられるのはケリーしかいない。親友だ。

親友が出来ると言うのは、彼女との友情だけではないもっともっと大きな幸せを与えられると言うことなのだなぁ、とケリーのことを考えながらこれを書いている。彼女は時間や場所や興味などの偶然の一致や共有が魔法の様にぴったりの”運命の人”だ。そんな人に出会えたなんて私は本当に幸せだ。

出会ってから、彼女には子供が生まれたが、私たちの関係は変わることもなく今まで通りに好きな映画や本の話をし、夫の愚痴を笑い合い、真剣に悩みを聞き、新しく見つけた興味についてシェアしあう。仕事のアドバイスもするし、時には失敗を一緒に振り返るが、嫌な気持ちになることは全くない。何をしていても幸せだ。

彼女は韓国人とアメリカ人のハーフで、私と顔が似ていると言われることもあり、彼女がうちの学校で教えていた時には生徒たちに 私たちは姉妹だよ と、かわいい嘘をついていた。顔はなんとなく似ているが私よりも頭一つ背が高く、目もぱっちりと大きい彼女を見て、半分の生徒はその嘘を信じ、残りの半分は全く信じていなかった。それでも私たちはお互いを sister と呼び合っていた。

何年か前の夏には両方の夫をおきざりにして、二人でケリーの実家があるオレゴン州に3週間遊びに行った。お世話になっている間、私は彼女の両親をmom, dad と呼び、彼らは私のことを“一番上の娘”と呼んでくれた。ゲストの様には扱わず、家の手伝いをし、お父さんの肩を揉み、庭の手入れをした。本当の家族ができた様で実の親に申し訳ない気持ちがちょっとするほどだった。今だにお母さんから美味しいものの小包が届いたり、電話が来たりもする。

私たちには子供はいないが、ケリーの娘の成長を見れるのも、親友がくれた幸せなのだなぁ、とありがたく思っている。
バレンタインデーが近づき、今日こんな手紙を貰って “わー、うちの子大きくなった”と感動している。

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手紙をまだ手に持っている間にケリーから電話が来た。

Hey, sister!

いつものあいさつ。

シマフィー

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