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アメリカ生活:シマリスのだいたい今

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最近のお話をまとめました。シマリス界では最近とはだいたいここ10年以内のことです。
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2020年11月の記事一覧

楽しく学ぶ:あなたと私に大切な3密 その2

その1は人間としての距離の密でした(クリックでその1に飛びます)。 その2はコミュニケーションの密! 当たり前のようですが何かと理由をつけてやらないことも多いですよね。 家族だから、一緒にいるから、長年の経験で、言わなくてもわかるから、別に大したことじゃないから。 私が学校でまず率先しているのは課題やテスト、プロジェクトなどの途中経過や採点後に細かなフィードバックをすることです。プリントのすき間一杯(笑) *テストで80点を取ってもどうして80点なのかわからない。 *課

I love you と言われること

ここに来てから生徒から I love you! と言われることが多くなりました。 うちが小さい自由な校風の私立学校だからかもしれませんが、アメリカの高校生は(留学生も含め)思っていたよりも大人で、子供で、真面目で、可愛い。 そして愛情表現が豊かで、こちらがびっくりすることをします。 握手やハイタッチはもちろん、ハグをしたり、肩に手を回したり、まるで親や友達の様に先生にも愛情表現をします。私は公立高校で教えた経験はないので他所では一体どうなのか見当もつきませんが、州立大学で教

燃えて上がるは 寧静の願

花は霧島 煙草は国分 燃えて上がるは オハラハー 桜島  活気満ちるおはら節に涙が出る歳になった。 自分が住んだのは短い間だったのに、両親の住む鹿児島の風景が短い一節に乗って郷愁にも似た気持ちを大きくする。こんな事態になるのだったら頻繁に帰るべきだった。簡単に帰れる時に帰ればよかった。 壮大で優雅で力強い鹿児島。 知らない言葉を話す日本人がいる、異国の匂いの路地がある、不便な土地に自由が光る。マザーアースの底力を思い知らされる自然の脅威を前に、人間の哀れを綴る歴史の隣で

不自由の自由

私の人間としての毎日の目標は以下の5つです。 1. 早起きをする・時間を有効に使う 2. 外に出て庭の動物と植物に目を向ける 3. 手作りのご飯を楽しむ・昨日と違うものを食べる 4. 新しいことを学ぶ・発見する 5. ゴミを出さない・ゴミになるものは買わない・再利用する パンデミックになり学校もリモート、買い物もひと月に行くか行かないか、不必要に外出しない、友達にも会えず一人の時間が増える、という状況の中で5つの目標は割と軽々クリアできるようになってきています。

こんにちわ と Grammar Police

こんにちわ、こんばんわ、の書き出しを見てそこで読むのをやめてしまうことが多々あります。 皆さんは気になりますか? 私は心の狭い読み手なんでしょうか。 私も日本語力が完璧だとはもちろん言えませんが、“こんにちわ”(自動変換でどうしても わ が は に変わり、5、6回タイプし直しました)には、この文章はもう読みたくないな・読まなくてもいいな、と思わせる魔法がかかっているようです。 素晴らしい内容が続くのかもしれないので、もういいや、とそこで読む意思を削がれるのはもったいないこと

へばりつく人の視点

美しい海中の写真が溢れるこの世の中、自分のダイビングの写真を見ると大抵似たようなものばかり。海底か岩陰にへばりつく私が見る海の中です。カメラは15年選手のコンパクトで、フラッシュもありますが使わないので一体本当は何色なのかもわかりません。綺麗なダイビング写真はへばりつく人は持っていませんので他所で探してください。 間違い探しのような、ウォーリーを探せのような、そんな感じでへばりつく人のコレクションをご覧ください。何か可愛いものが見えます。 見つかりました? シマフィー

長距離通勤がなくなって失ったもの

学校までは渋滞がなかったら45分、朝の渋滞(6時にはもう混んでる)にはまると1時間から1時間半。オンライン授業になるまでの12年間、毎日往復2時間の運転が課せられていたわけですが、3月からこっち学校に出向いたのは計6回だけ。そしてこうした動かない毎日の中で、いかに運転がストレスだったか、疲れの原因だったのかがはっきりしました。もっと学校の近くに住めればいいのですが、全米でもトップクラスの高級住宅地域にある学校のため(給料は普通)とてもじゃないけど近所の豪邸は買えません。同僚の

懐かしくて新しい!必ずお気に入りが見つかる、ポストモダンジュークボックス:本気のオススメ

ホントなんです、洋楽好きの皆さんなら必ず好きなやつ見つかります。 私はここ何年も“聴く”音楽といえばスコット・ブラッドリー(ピアノ・アレンジャー)率いるPostmodern Jukebox (PMJ)だけでした。世間で流行りの曲もこちらのカバーで知り、原曲をラジオできいて“ああ、きいたことあるわ” と思うほど。 “最近”(80年代、90年代からこっち)のポップスを1920、1930年代(時にはそれ以降も)風にアレンジして披露してくれるこのグループには、固定のボーカルもバン

テゲテゲとパヤンパヤン:ストレス軽減の秘密

私は色々と完璧にこなしたい方なのですが、誰かのために一生懸命にやればやるほど、見返りのなさにがっくりすることが多々あります。 自分はこれだけ時間を割いたのに こんなにも尽くしてあげたのに あんなに親切にしたのに あれほど貢献したのに 誰しも同じような思いをしたことがあるのではないでしょうか。自分が誰かのために時間を使うほど、努力を重ねるほど、頑張るほど、その誰かから期待したほどの言葉や態度が戻らないと残念な気持ちになるでしょう。 よく出来た、努力できた、誰かのためになった

もう買わない、という選択

アメリカの東で暮らす我が家のゴミの量はよそ様の10分の1以下だ。 ゴミの回収は来ないので自分でリサイクル(瓶、缶、ダンボールなど)と家庭ゴミ(自販機の横にあるゴミ箱ほどのサイズ)を処理場に持って行く。 我が家のゴミは年にゴミ箱4−5個分ほどだ。 友人達は一週間でうちのよりも大きいゴミ箱が一杯になるそうなので、うちはよそ様の10分の1以下しかゴミを出していない計算だ。 これは真剣に減らすことを追求しての結果だ。 これまでも食べ物を粗末にしたり、過剰包装のものを購入すること

成功者の感謝祭

今日はアメリカの感謝祭。 ハロウイーンがすぎ、この季節が近づくと大学・大学院時代のホリデーシーズンをちょっとしょっぱい気持ちで思い出します。毎年、ここからお正月が終わるまでが一番辛い時期だったなぁ、と胸がキュッとなります。 私がアメリカに留学していたのは丁度90年代丸々で、その間に七面鳥を焼いてみたのはたったの一度きりでした。まだ来て間もない冬、感謝祭でも帰る家のない留学生の友人とその友達12、3人を自宅アパートに招いて色々な料理を振る舞ったのですが、残念ながら彼らが帰った

Bucket List:死ぬまでに全部やりたい!

Bucket Listとは死ぬまでにやりたいことを書き留めて実行に移していくリストです。なんとなく、小さいことから大きいことまで、人生の目標なようなものをリストすると残りをどう過ごしたいかがぼんやり見えてきます。 Bucket list、は新語で(辞書では2006年とありました)、死ぬと言うスラングの Kick the bucket からきてるようです。"Kick the bucket" 自体は昔の豚の屠殺場での様子を表したもの、新しい解釈では自殺をするときにバケツの上に立

生徒と私に必要な”幸せについて”の授業が始まります

一週間の感謝祭休みも終わり、いよいよ月曜日から冬学期が始まります! 今年からのオンライン授業で時間割が変わり、何年かぶりに選択科目を教える時間ができたため、必修の授業で教えられないものをカバーしたいと思い新しいコースを作りました。カリキュラムの制限がある必修科目とは違い、選択科目は内容や教材も自由に組み立てられるので、その準備段階はまた違った楽しさと苦労があります。この1週間はほとんどがその準備に消えてしまったけれども、自分が生徒と一緒に楽しく学びたいことに焦点を置ける時間