陽子が元素を決め、電子が物質を決める

113番目の元素

2016年、アジア初、日本発の元素が正式に認められ、周期表にのりました。
その名も「ニホニウム」。
時々勘違いしている人もいますが、これは人工的に合成された元素です。
ですから、日本が創った物質ということになります。
物質の基本構成成分を元素といいます。
元素を決めているのは陽子の数。これが原子番号と呼ばれるものです。
振る舞いや性質を決めるのが電子。結合を支配する。
この陽子の数を変えることができれば、自由に物質を作り出したり作り変えたりできるわけです。まさに錬金術!

恒星では激しく、地球の自然界では緩やかに起こっていますが、技術の発達によって、人間も人工的に起こすことができるようになりました。
陽子と中性子のかたまりである原子核を壊したり融合させたりするために、高速で原子をぶつけあわせる加速器という装置です。これにより、新しい元素を人工的に合成することができるようになったのです。
(これは高校物理、化学で学びますね)
ですがこの結果、核兵器による原爆投下というおぞましい悲劇を引き起こしてしまうことにもなってしまいました。
唯一の被爆国である日本が、新たな元素合成技術の第一線を牽引することは、医療分野など人類の幸福のために利用するという実績を見せつけるという役割を果たすことになるので、正しい使い方を示して欲しいですね。そしてそれを日本人として後押しします。

何が正しくて何が正しくないのか。
善悪は相対比較です。
その基準は時代の権威が決めてきました。今愚かしいと言われていることが正義であり、今正義だと言っていることが悪であった時代もあった。まわりに染まって振り回されない自分の軸を持つために、自分に恥じない生き方をするために、歴史学、地政学、科学、そして哲学を、しっかりと学びましょう。実は、高校で学べることはかなりすごいのです。

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