熱中症の対処法
武漢ウイルス感染拡大を防止するための対策中ですが、季節はちゃんとめぐっています。五月に入り、暑くなってきましたね。
体調管理できていますか?
「熱中症」という言葉もすっかりおなじみになりましたが、「実はよくわからない~熱中症ってどういうこと?」という声もよく聞きます。
ですので、熱中症についてまとめてみました。
☆熱中症とは
「熱中症」とは暑さが原因で生じる健康上の障害を総称して熱中症といいます。
具合が悪くなった人がいたら、まず意識があるかどうか、体温がどれくらいかを確かめましょう。
意識に異常があったら、迷わず救急車を呼んで下さい
熱中症には、次のような分類があります。
①熱失神
長い間立ったままの姿勢を続けたときや急に立ち上がったとき、運動の後などにおこります。
体温を下げようとして、皮膚の血管が拡張すると血圧がさがります。
その結果血液が皮膚や筋肉にたまって脳が貧血状態になるのです。
顔面蒼白になりめまいがしたり失神することもあります。
涼しいところで衣服を緩めて、頭を下にして横になっていると回復してきます。
ぬれたタオルなどで体を冷やして下さい。水やスポーツドリンクで水分補給もして下さい。
吐き気があって水が飲めないときなどは、病院へ行って点滴をうけるなど治療を受けて下さい。
お茶やコーヒーは脱水作用がありますので、水や経口補水液やスポーツドリンクにして下さい。
休んでも回復しないときは迷わず救急車を呼びましょう
②熱疲労
大量の汗をかいて体内の水分が欠乏したときに生じます。激しくのどが渇き、脱力感、めまい、倦怠感、吐き気などが表れます。
熱失神と同様の対処をして下さい。
③熱けいれん
大量に汗をかいたとき、水だけを補給したために血液の塩分濃度が低下して生じます。
手足や腹部の筋肉に痛みやけいれんがおこります。
熱失神や熱疲労と同様の措置の他に、体内の塩分不足が原因なので塩分の入ったスポーツドリンクや生理食塩水、ほんの少し塩を入れた水などを飲みましょう。
症状が改善されなければ迷わず病院へ!
④熱射病
体温の調節機能が失われて、体温が40度以上になったりすると、中枢神経に障害が発生して、全身がけいれんしたり、虚脱症状に陥ったり、意識を失ったりします。
汗がでなくなることもあります。
臓器に障害がおこることもあり、熱中症の中で一番死亡率が高いです。
暑いところでの作業中におこりやすく、高齢者や子供はそれほど激しく体を動かさなくても発症しやすいので注意が必要です。
体温が異常に高くなっていて、意識がなかったり、朦朧として反応が鈍かったら、熱射病のおそれがあります。
死にいたる危険性が非常に高いので、すぐに救急車を呼んでください。
救急車を待っている間に少しでも体を冷やしてください。
全身に水をかけて、あおいだりして風を送ってください。
水が蒸発するときに熱を体から奪うのでこれが一番効果的です。
水がすぐに手に入らなかったらお手持ちの清涼飲料水でとりあえずしのいでください。
飲むのではなく、体にかけるのです!
また、太い血管が皮膚の近くにある首、脇の下、足の付け根を、冷たい水でぬらしたタオルや氷などで冷やすのも効果的です。
運動部の練習や、スポーツ、暑い日のお出かけの時には、凍らせたお絞りやアイスノンのようなもの、保冷剤などをお弁当などといっしょに持っているとよいでしょう。凍らせたペットボトルも便利ですね。
☆どうして熱中症になるの?
人間は体温を一定に保つために、体からの放熱は皮膚から主に行なわれています。
皮膚の近くにながれてきた血液が冷やされて、体の内部に戻って体を冷やします。
早く冷やすために皮膚近くの血管が膨張して血液の流れを多くします。体温が上昇すると赤くなるのはこのためですね。
体の中で発生する熱と皮膚からの放出のバランスがとれなくなって体温が異常に高くなると熱中症になってしまいます。
皮膚からの放熱に重要な役割を果たしているのが”汗”です。
汗が蒸発するときに、体温を下げる働きをするんです。
汗の蒸発の仕方に関係するのは湿度と風です。
湿度は空気中の水蒸気の量、湿り気具合なので、湿度が高いと汗は蒸発しにくくなって、湿度が低ければ低いほど汗の蒸発は盛んになります。
同じ温度でも、湿度が高ければ蒸し暑いと感じるのは、汗の蒸発があまりされていないので体温を十分に下げることができていないからなのです。
汗が出ても、蒸発できずに肌の上を流れているだけでは、放熱していないので体温を下げる効果はありません。
汗が蒸発すると、皮膚のまわりの空気の湿度があがります。
すると、湿気が多い空気に皮膚が包まれているので次第に汗が蒸発しにくくなります。
風のない場所や、エアコンも扇風機もない締め切った部屋の中にいると蒸し暑く感じますよね。
風があると、皮膚の近くにある湿度の高い空気を吹き飛ばしてくれるので、湿度の低い空気が皮膚の近くにきてくれて、汗の蒸発を続けることができます。
扇風機をかけると涼しく感じるのは、汗が蒸発できて放熱でき続けているからです。
洗濯物と同じです。
からっとしたり風がある日は洗濯物がよく乾くけれど、じめっとしたり風のない日は洗濯物がなかなか乾かないという経験はみなさん、よくされているのではないでしょうか。
気温が低いときには、汗による蒸発がなくても、冷たい空気が皮膚を冷やします。
皮膚の周りの空気が皮膚から温められても、風によって吹き飛ばされてしまうと、次から次へと冷たい空気が皮膚に接することになりどんどん体温が奪われてしまいます。
皮膚の温度と気温の差が大きいほど、また風の強さが大きいほど、皮膚から奪われる熱は多くなります。雪山で遭難してしまうときなどは、このような状況ですね。
熱中症になってしまうような気温の高いときには、皮膚と空気との温度差は小さいので、こういった効果は少なく、汗による放熱量は少ないのです。
晴れた日に日なたにいると日陰にいるより暑く感じます。
人間は空気よりも日射のエネルギーを吸収しやすいのです。ですから人体は空気よりも温度があがります。
直射日光があたっている地面は空気よりも温度が高くなります。
そのため、地面に近いほど空気は熱くなっています。
また、地面からの照り返しもあります。
そして、芝生などの草地よりもアスファルトやコンクリートは更に温度が大きくあがります。
背の低い子供やベビーカーに乗っている子供は、地面により近いので、大人が感じるよりもはるかに高温にさらされています。特に、疲れて下を向いてしまったりかがんでしまったらなおさらです。
このことを常に気にかけてあげなければなりません。
また、気象観測での気温は、全国同じような条件になるように、長期間の適切な統計がとれるように、ある程度の広さをもった芝生の土地で、地面から1.5mの高さで観測します。
コンクリートの街の中の気温はもっと高くなっていることが多いので、その辺を考慮して観測値を利用してください。
熱中症の原因と、熱中症になってしまった時の対処法で、水分を補給すればいいだけではないことがお分かりになったのではないでしょうか。
熱中症予防には水をこまめに飲む、というのは結構浸透してきましたが、体温をこもらせない、ということには気をつけない人がまだ多いです。
半袖、腕捲り、首もと開けるだけで違います
ビジネスパーソン、農作業、日焼けしたくない女性、気をつけて下さいね。
屋外の長時間作業を避けこまめな水分補給、体温のこもらない服装をしましょう。
扇子やうちわで汗の発散も助けてくださいね。
熱中症を予防するにはどんなことをすればいいのでしょうか?
それは次回に。
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