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社員のおすすめ新書・ビジネス書⑦

こんにちは、志高塾です。
本日は社員のおすすめ新書・ビジネス書、第7弾をお届けします!

春爛漫の今日この頃、新入生・新社会人としてスタートを切った方、新体制に慣れていこうとしている方、新天地に飛びこんだ方、なにか新しいことに挑戦しようとしている方……様々いらっしゃるかと思います。

「なんかうまくいかないな」「どうしたらいいのかわからない」と悩み迷ったときは、ぜひ以下の書籍をひもといてみてください。


徳野のおすすめ本『電通マンぼろぼろ日記 ゴルフ・料亭・×××接待、クライアントは神さまです』

われわれ志高塾の社員がビジネス書の紹介文に取り組むのは、社会における「仕事」とは何たるかを知るためです。その目的と照らし合わせると、本作はうってつけの1冊かもしれません。現実が抱える清濁の「濁」の部分が暴露されている、という意味になりますが。バブル期からコロナ禍前の巨大広告代理店を舞台に、堕落したクリエイターやずる賢く立ち回る営業マン(本当に男性しか登場しません)の、読んでいて気分が良くはならない実態が赤裸々に描かれていますし、電通の営業部で身を粉にして30年近く働いた著者が早期退職に追い込まれ私生活が崩壊するまでの過程は壮絶です。

しかしながら、巨大な組織に在籍していたからこその経験が綴られているのも事実です。大手企業なので顧客も競合相手も一流であり、その中でいち早く利益を勝ち取るために心血を注いだ情熱には心を打たれました。特に印象的だったのが、某化粧品メーカーのリニューアル商品の広告戦略に関するコンペティションに参加したエピソードです。福永氏はリーダーとして営業部とクリエーティブ部が連携する形でプロジェクトを進めたのですが、クライアントと直接連絡を取る前者が強い権限を持つことで社内の優秀な人材を呼び込み、関係者全員が満足のいく成果を手にすることが出来ると力説します。つまり、イニシアティブを取りつつ、集団のより多くのメンバーが各々の能力を伸び伸びと発揮できる環境を作るのが、営業が担うべき本当の役割なのです。私事ですが、社員講師としてのあり方を改めて考える機会になりました。

三浦のおすすめ本『東大生、教育格差を学ぶ』

ビジネス書としてではなく、「教育」を考えるための選書である。

本書は『現場で使える教育社会学』を教科書として用いた講義の内容を記したものであり、実際にはその教科書と共に読み進めることが推奨されている。今回は本書単体のみで読み進めていったので、色々と不足があったかもしれないが、それでも十分に興味深い内容だった。

東大生というまさしくエリートと呼ばれる存在が、自身が受けた教育や周囲の環境を振り返りながら、「教育」というものを見つめ直していく講義を本に起こしたものである。親の学歴や家庭環境や経済環境、地方と都市部など、様々なところに教育の土壌の違いがある。その上で「大学に行くことが当たり前」という価値観がそもそも当たり前でないことに気づいたり、そしてそのような人に「大学に行くべきだ」と勧めることは正しいのかと問うたり、いわゆる教育困難校での、勉強の質そのものではなく生徒個人との心のつながりを重視する教育を知ったり……それまでの人生だけでは知ることのできない他者というものを考えるきっかけとなる。

その中で、「他者の合理性」という言葉が登場する。自身からすれば一見不合理に見える他者の行動も、当人からすれば合理的であり、その背景を知ることで相手への理解が深まる、というものである。忘れてはいけない視点だ。

塾という場所はまた学校とは違う。塾が身近にあるかないか、塾の情報が入ってくる環境にあるかどうか、金銭面や時間面で通えるのかどうか……そういった「差」の上で、限られた人々にのみ開かれていることは確かだ。その中で何をするべきか、何ができるのか、どうやってその「差」を脱するのか。教育そのものを改めて考える機会となった。

竹内のおすすめ本『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』

九州ほどの面積で、人口は千葉県民の総数(約630万人)よりも少ない約590万人。そんなデンマークには、日本でも親しまれるレゴブロックを扱うLEGO社をはじめとして、世界を土俵に活躍している企業が複数存在している。「国際競争力ランキング」では2022年から2年連続で世界1位。これは国際経営開発研究所が調査し結果を公表しているもので、経済状況・政府の効率性・ビジネス効率性・インフラの4つのカテゴリの総合評価から導き出される。ちなみに日本はこの間34位→35位と順位を下げているのだが、特にデンマークと対照的なのが「ビジネス効率性」である。現地で暮らす筆者は、デンマークの人々の仕事観を探るために現地で働く人々へインタビューを行ったが、その回答からは仕事のみならずより広義の価値観が窺われる。

「4時で帰る」ことはつまるところ「プライベートの充実」が目的である。その実現は翌日の仕事の原動力になるし、その実現のために効率性を追い求める。効率的に、かつ生産性を高めるためには、仕事仲間と良好な関係性を築くことや、自分が意義を感じることを仕事として選ぶことが必要になる。なお、4時で全ての仕事が片付くかと問われれば、多くの人がそうではないのが実態でもある。夜や早朝をそれに充てることはやはりデンマークでも必要になるのだが、だからこそ「人生の一部となる仕事」であるかが重視されているように感じた。言葉にしてみればさも当たり前のことだが、これを当たり前に行えるマインドの定着こそが、彼らの心の豊かさをもたらしている。

日本でもキャッシュレス化が進んでいるが、現金払いも併用されていることが多い。一方でデンマークでは、新しいものが導入される際には古いものがばっさりと切り捨てられる。また、会議を30分ではなく25分間に設定するという工夫によって、「終わりの時間」への意識を向ける風潮がある。「形から」ではないが、このようなシステムの部分を取り入れていくことが良い仕事に繋がっていくのであろう。

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