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伝統工芸の職人は不器用な方がいい?



有田焼の陶芸家で、人間国宝にもなった第14代酒井田柿右衛門さん。

日本セラミックス協会の機関誌である『セラミックス』誌の中で、第14代酒井田柿右衛門さんは「伝統工芸の職人は不器用な方がいい」と語っています。

 「よく作家と職人を混同されることがありますが、作家と職人は全く別のものです。両方できる人は非常に少ない。
作家は自分の世界を出すものですが、職人は先輩の背中を追い、技術を磨き、伝承している人です。
これまで見てきて一人前の職人と言えるようになるのは50代になってからでしょうか。
職人には向き不向きがあって、不器用で素直な性格ほど良い。
器用な人は、自分の仕事をやってしまうんですね。手が動いてしまう。」

職人の仕事といえば手先が器用でなければ出来なさそうに思えますが、不器用な方が向いている、という視点もあるんですね。

また、”素直な性格”の人が良いというのは、職人さんとお話していてもよく聞きます。

逆に作家の場合は、手先が器用で、個性的な性格の方が向いているという事なんだろうと思います。

職人と作家の違いというのは度々議論になりますが、こういった解釈も面白いですよね。



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