発売約1カ月で12万部を突破した『数値化の鬼』を識学社員が要約してみる。
こんにちは。識学でマーケティングを担当している城所と申します。
今回は、『数値化の鬼』という本についてです。
そのタイトルの通り「数値化の鬼になりましょう」というものになります。
『数字に強い、圧倒的ビジネスパーソンになる方法』を教えてくれる一冊ですね。
仕事ができる人や急成長する人の共通点って「数字に強い」ことですよね。
無駄な感情や現実的じゃない妄想を挟まずに、数字というブレない事実と向き合う姿勢からできる人は生まれます。
数字という事実を元に、自分はどこが足りない部分なのか、その問いから逃げないからこそ、できる人は、よりできる人になり続けていきます。
一方で、できない人は数字から逃げ回っています。つまりは曖昧な表現ばかりということです。
「かなり出来ました」や「ちょっとだけ足りない」など飾られた言葉を並べますが、そこに数字は存在しません。
自分では一生懸命伝えているつもりが、できるビジネスマンたちからすれば、何の意味も持たない言葉なのです。
ではそんなできない人、つまり「数字に弱い人」は、どのような特徴があるのか、解説していきたいと思います。
数字に弱い人の3つの特徴
数字に弱い人に見られる代表的な特徴を3つご紹介します。
数字に弱い原因というのは、「計算が遅い」や「暗算ができない」など、そういう安易な話ではありません。
そしてそれを改善するために、必要なのは正しい思考法です。数字と向き合うため、思考の癖を矯正することが求められるのです。
数字に弱い人の特徴だけではなく、その矯正方法についてもお伝えします。
数字に弱い人の特徴①パーセントで逃げる
数字に弱い人の特徴の一つ目は、「パーセントで逃げる」というものです。
多くのビジネスマンがやりがちなのが、このパーセントを自分の安心材料として使ってしまうというのです。
例えば、自分が営業マンだったとして、今月獲得した契約が8件だったとします。
一方で、ライバル営業マンの契約件数が10件だとします。
今まで勝てていたのに契約係数を抜かされてしまったということは、きっと何か原因があるはずです。
本来なら、その原因と向き合わないといけないのですが、多くの人はパーセントで逃げてしまいます。
私も心当たりがありますが、「割合」でごまかしてしまうのです。
例えば、自分は10回の商談で8件の契約を獲得した。
しかし、ライバル営業マンは、20回の商談で、10件の契約を獲得した。
契約件数では劣っているが、契約率で言えばライバル営業マンが契約率50%。
自分は契約率80%であるから問題ない。
このような感じで、パーセントを自分の安心材料として都合よく使ってしまうと危険です。
メンタルを保ちたいからこそ、私も含め多くの人がやってしまいがちな考え方ですが、絶対にやってはいけません。
何故なら、営業マンとしての成果を正しく測る数字とは、契約率ではなく『契約件数』だからなのです。
まとめるとパーセント・割合を自身の安心材料として使ってはいけないということです。
数字はあくまで、自分の不足を把握して積極的な行動に結びつけるために存在するものです。
行動をしない為の言い訳として、数字を使い出したらその時点で我々は、数字に振り回されてしまうのです。
数字に弱い人の特徴②数値目標だけで満足する
続いて、数字に弱い人の特徴二つ目は、「数値目標だけで満足する」です。
数値で目標を立てることも良いですが、その数値目標に合わせて、さらに数値で行動と振り返りまでしないと意味がないということです。
先ほどお伝えした1つ目の特徴とも深く関わるのですが、数字は積極的な行動・行動量を増やす方向につなげないと意味がありません。
そのため、数値目標を設定するだけではなく、自身の行動量まで数値で管理しないと意味がないのです。
例えば、また自分が営業マンだったとします。
6カ月で12件の契約を獲得するという数値目標があった場合。
この数値目標だけで、目標を数値で管理できているので、大丈夫だと思ってしまったらいけないということです。
6カ月で12件ということは、月に2件ペースで契約を取らないといけないですよね。
そのために、毎週4件は必ず新しい得意先とも商談を入れる。という具体的な行動も数字で管理しないといけないのです。
より具体的に言えば、毎週新規で4件という1週間単位の行動目標数値を達成するためには、1日単位ではどんな数字を達成すればいいか。ここまで考えましょうということです。
これは「できるビジネスパーソンがやるべきこと」だと言えます。
何故なら、1年単位や6か月単位の目標数値というのは、会社や上司があなたに設定するはずです。与えられてしまうので、それに満足をしているということは、何もしてないに等しいですよね。
そこから、さらに与えられた目標からさらに自分で細かく区切った目標を数字で作れるか、ここが非常に大事なポイントなのです。
そして自ら細かい単位の行動目標を数字で作ったら、それで終わりではありません。
その行動目標を元にまた「数字」で、自分を管理しないといけません。
例えば、毎週4件の商談を入れるという目標を作ったとします。
しかし、今週は3件で終わってしまった。4件中3件達成したので75%も達成できた。
上記のような振り返りをしていたら、意味がありません。
何度も言いますが、自分の不足を知って行動につなげるのが「数字の価値」です。
なので、正しい振り返りはこちらになります。
1件足りなかったということは改善をしないといけない。新しく商談を取り付けられた得意先を数字で分析すると、従業員数10人未満の会社が多かった。
そのため、来週からは従業員数10人未満の会社へのアプローチを5件に増やす。
これが正しい数字での振り返りです。
数字数字で息苦しいと思われるかもしれませんが、実際は真逆なのです。
曖昧な目標で振り返りをしているということは、つまり「具体的に何をしていいかわからない」「迷っている」という不安な状態なのです。
また曖昧な目標で振り返りをしていた場合、「今季の目標数値は達成できるの?」や「目標達成のために具体的に来週から何をするの?」という上司の問いに応えることができませんよね。そうならないための武器が数字なのです。
上司から与えられた数値目標だけではなく、さらに自身で行動目標からその振り返りまで、数字できっちり管理することで、やることを明確にし不安を取り除けるのです。
その結果、数字によって自分のメンタルを守ることに繋がるのです。
数字に弱い人の特徴③変数がわからない
数字に弱い人の特徴の3つ目は、「変数がわからない」ということ。
ビジネスの世界における頭が悪い人というのは、計算が遅い人とか暗記が苦手な人ではなくて変数がわからない人です。
変数というと、難しい数学的な話に思えるかもしれませんが、そんなことはありません。
シンプルな話です。
変数というのは、注力すると影響が大きい、変化の度合いが大きいポイントということです。
ビジネスの世界にも変数と定数があります。変数はよく「x」などで表現されますが、決まってない数字のこと。つまりは自分のさじ加減でいくらでも変えていい数字のことです。
一方で定数は、自分では動かせない数字のことです。
できる人というのは、目の前の仕事において「どこが自分で変えられる変数」で、「どこがどうにもならない定数」なのかというのを的確に分けることができます。
裏を返せば、ここでいう頭の悪い人というのは、その真逆です。
自分では変えられないポイントを必死で変えようとし、逆に変えられるポイントを変えられないとあきらめている人ですね。
例えば、飲食店を経営していて売り上げが伸び悩んでいるとします。その時に変数をわかってない経営者は、「雨の日が多かった」など、自分ではコントロールしようがない定数「天気」について悩んだりします。
一方で、変数を理解している経営者は、ポイントカードを導入したりし、お客様の「来店頻度」や「一組あたりの単価」など自分の工夫でどうにかできるポイント、いわゆる「変数」となる部分にだけ着手します。
そんなのビジネスセンスがある人だからできるのだろう?と思われる人も多いかもしれませんが、機械的にこなせば誰でもできてしまいます。
シンプルに言えば、「要素を分解して、変数と定数に仕分ける」これだけなのです。
例えば、先ほどの飲食店の売り上げであれば、ざっくりと「お客様の数」と「そのお客様一組あたりの単価」の2つに分解できます。
さらにそのお客様の数も「新規の数」「リピーターの数」といったように分解できます。
このように細かく分解して、構成する要素を洗い出しながら、着手すべき変数かどうか一つずつ確認していけばいいのです。
うまくいかない問題があったら、まず分解し、自分でコントロールできる変数と絶対にコントロールできない定数に仕分ける。機械的にこれを行うだけなのです。
しかし、この機械的な仕分けだけで、どんな問題もすぐ解決できるほど甘くありません。
細かく分解して変数と定数に仕分けたら、次はその中で最も注力すべき変数を突き止めないといけません。ここはセンスが求められるかもしれないですね。
要は変数を減らす、変数を絞るステップが必要なのです。
試験的に、全部の変数に軽く着手してみるって言うのは良いのですが、最終的に本命の変数とするのは、なるべく一つに絞りましょう。
飲食店であれば、リピーターを増やすためのポイントカード作戦が最重要など、これだけは絶対やるという感じで1つに絞ることが大切です。
一つに絞って改善にチャレンジしたらそこも数字です。その結果を数字で振り返って、本命と呼ぶにふさわしい変数かどうか改めて見極めます。
ちなみに、この変数探しに終わりはありません。外部環境の変化によって本命の変数はずっと変わり続けていくものです。
常に数字で振り返って、今自分が試しているポイントが、本当に一番影響度合いが大きい変数なのか。
できるビジネスマンになるには、問い続ける必要があるのです。
まとめ
今回は「数値化の鬼」という本について解説しました。
簡単にまとめると本書の内容は、タイトルの通り「数値化の鬼になりましょう」というものです。
「数字に強い、圧倒的ビジネスパーソンになる方法」について書かれた一冊になります。
その内容を今回は、数字に弱い人の3つの特徴としてまとめました。
できるビジネスパーソンになるために、目の前の仕事・数字と向き合いましょう。