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東京駅上空にて、不思議気分を振り返る。
東京駅直結の高層ビル6階、そこは地上より間違いなく天空に近い場所。
だから、東京駅上空。
京都や北海道の真っ直ぐな道を思わせる十字路を見下ろすカフェで、みずみずしいフリュイのてんこ盛りをいただきながら、取り急ぎで書いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1717410073236-LizY1MxrKa.jpg?width=1200)
お客さん達の語らう声がそよそよと流れる店内。
わたしは、今は一人。
目の前にいる友は、ワイヤレスキーボードのみ。
さっきまで、そのまた少し前までまったく知らなかった女性と、結構な長時間立ち話をしていた。
ここから7キロ北にある神社の境内で。
*
彼女は生まれた年がわたしと同じ、しかも誕生日が数日違い。
残念ながら、出身地はまったくのバラバラ。
イキイキ、ハツラツ、充実感。
そんな言葉がよくお似合いの輝く表情、自信に溢れる笑顔の方。
なんというか………
風の時代に、圧倒的なまでにマッチングしている女性だった。
お子さんを育てながら、やってみたいことに手探りながらもチャレンジを続けてきた。
未来の子供たちのために、自分がどうにかしなくちゃという使命にも似た感情に動かされるように。
そうして積み重なったものが、今しっかりと彼女の有り様を支えている。
一方のわたしは、望まないものが積み重なった土台の上で生き続けて来たうえ、この数日、どうしても何も書けなかった。
だるさ、ストレス、邪魔者、体の不調。
書こうとすれば残念な話しか出ず、読まれるかどうか以前に、貴重な時間にそんなことをだらだらと書いている自分になりたくなかった。
それなりにいくつもあるSNSアカウントも、どうしたものかと持て余し始めた。
女だとはっきりとうたってるのに、イーロンになってからエロアカばっかりアクセスしてくる旧Twitterのやつをひとつ、とうとう削除したのが昨日のこと。
全部統合なり連携できれば、どんなにどんなに楽だろう。
しかし、いくつもあるわたしの個別分野ごとのアカウントをひとまとめにするのが、どうしてもどぉしてもしっくりこない。
それはつまり、わたしがわたしというまるっとまとめたひとりの人間として、全部を発信することの違和感を表している。
そして、鳥でいることに早くも飽きはじめ、人に戻りたいけどこれから風の時代をどうやって飛べばいいのか迷いあぐねている。
今ふうのその彼女がフレンドリーに接してくださっているのに、わたしときたら、そのポジティブさに打ちひしがれて、引っ込み思案丸出しで目をそらしてぼそぼそと返答する始末。
だいたい、どうしたって人付き合いが苦手というのは、今の時代じゃ致命傷だ。
人と人の繋がりがさらに風を呼んだり流れに乗れる。それが風の時代なのだ。
知っているよ、わかっているよ。
苦手を克服するという素敵ストーリーが流行りなのもわかっている。
でも、苦手なものはどうしてもどぉ~しても苦手なのだ。
がんばらないのが良しとされる時代でもあるでしょうに。
*
彼女と話し始めたきっかけは、「願い事を叶える蛇がいる樹」だった。
そんな言い伝えがある樹のことを彼女が神社の人から教えてもらっていた。
たまたま近くにいて、その話を勝手に耳にしたわたしは、ふぅぅん……と思いながらその樹に向かった。
そして、写真を撮っていた。
上手く撮れましたか?と声をかけてくれたのが、後からそこにやってきた彼女だった。
それから色々なことに話が及んだ。
これを物語として、もっと具体的かつ丁寧に描けば、ちょっと感動的かもしれない。
何事もストーリーが物を言い人の気持ちを動かすのだから。
が、そこまで書いている時間が今はない。
あまりに不思議で、これは何かあるんじゃないかという気分をとりあえず残すべく、今ひたすらこれを書いているのだから。
彼女と話題になったこと。
写真のこと、スピリチュアル的なあれこれ、
彼女の経歴と世の中に対する真摯な意気込み、
直感は大切にした方がいいこと、
そして、わたしの中で纏わりついてこのうえなくネガティブに君臨しているもの。
心からあらゆる分野のクリエイターを応援したい、クリエイトとは0から1を造りだすことだ、そんな人が増えれば世の中も変わるはずだ、作り出せる能力が素晴らしい、とそんなことを仰っていた。
初対面で話が弾んだのは、彼女の性格と親しみやすさゆえのこと。
とはいえ、共感しかない話が次々と繰り広げられ、わたしにしては相当珍しく、自分自身のことも自然と話す気になっていた。
彼女はそれを解決してくれたわけではないけど、聖母のように癒しつつ、わたしが写真を撮る意味かもしれないことにそっと繋げてくれた。
そして、ビッグチャンス……なのかもしれない、という話まで舞い込みけた。
そこに乗らなかったのは、乗るには力量が足りなさすぎると自分で自覚があったから。
勢いで飛び込むのも大事だろうけど、もやもやしながら進む時のほとんどが、わたしに良いことをもたらさずに終わる。
と、抽象的にあれこれ書いてもちょっと伝わらないとは思うけど、話しているうちに「……え、ちょっと今、何が起こってるん?なんかめちゃくちゃ不思議でしかないんだけど……」というふわふわした謎気分に包まれた。
そして、不思議の総仕上げのように表れたのが、トカゲ。
話していたら、その樹のふもとに現れたのだ。
青く光るしっぽが美しいニホントカゲの幼体が。
トカゲが神社にあらわれるのは、幸運、金運アップ、そして理屈は考えずに「すぐにやれ」という意味らしい。
トカゲは龍神の化身という説もある。
そうして色々と話した後で、彼女と願い事を叶える蛇の樹を見上げてたら、何かに導かれるように明るく解放される感覚に陥った。
彼女も、「この樹の神様が、私に喋らせているのかもしれませんね」と穏やかに笑っていた。
彼女もわたしも、今日あの場所で出会わなければ、こんな不思議気分に浸ることはなかったはずだ。
今日のことを、生かすも殺すもわたし次第。
何事も、やるもやらぬも自分次第ではある。
とりあえず、チャンスかもしれない話に乗らなかった理由を自分で自覚しているのだから、そこを払拭して堂々と風に乗れる自信をつけるのが、今のわたしがやるべきことだ。
そして、すぐにでもやれということだ。
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