北大路翼

歌舞伎町俳句一家「屍派」家元。廃人。https://www.shunyodo.co.j…

北大路翼

歌舞伎町俳句一家「屍派」家元。廃人。https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000676/

記事一覧

給食日記 SEASON2 文月

1日 麦御飯、鮫の下ろし炊き、南瓜の味噌汁、野菜の辛子酢和え スーパーで見かけてもまづは買ふことはないだらうといふ鮫。身の赤い斑点が気持ち悪いが味はたんぱくでまあ…

北大路翼
3日前
4

給食日記 SEASON2 水無月

3日 シーフードピラフ、カルボナーラポテト、白隠元豆とトマトのスープ 御飯にスイッチを入れるときの酒の匂ひに眩暈がした。身体が喜んだのか拒否したのかはわからない。…

200〜
割引あり
北大路翼
3日前
3

666 北大路翼作品集立夏前後

野焼きする炎の中の田力男 春の闇カイジの心の声響く 白バイを包んでしまふ雪柳 ひそひそ話卒業式の挨拶に 力自慢酔うて集まる花の下 ふらここを漕ぐやう国が墜ちてゆく 水…

300
北大路翼
1か月前
7

給食日記 season2 皐月

1日 高野豆腐のそぼろ御飯、野菜の味噌汁、抹茶ケーキ 連休の間の平日。パートタイマーは休めば休んだだけ収入が減るといふものさ。なんで抹茶なのか疑問に思うてゐたら八…

300〜
割引あり
北大路翼
1か月前
2

給食日記 seazon2 四月

4月10日 麦御飯、鰆の香味焼き、新じやがのそぼろ煮、小松菜の甘醤油和え 新学期スタート。一日洗ひ場だつたが、スポンジが出てなかつたり、塩素の位置が微妙に変はつて…

200〜
割引あり
北大路翼
2か月前
3

俳人はなぜモテないのか1

3月3日 女の子にちなんでマッチングアプリを始める。出会いは欲しいが、俳人といふ肩書が世の中にどう思はれてゐるかも興味があるので、ありのままの姿で実験したい。選ん…

北大路翼
4か月前
33

給食日記 如月

1日 何の抵抗もなく二月。老いるとは万物を受け入れることである。 ドライカレー、油揚げのサラダ、林檎 流れゆく歳月のごと林檎剝く カレー喰ふ頬で涙の乾きをり おいし…

300〜
割引あり
北大路翼
4か月前
5

給食日記 睦月 ★特別無料公開★

10日 今日から給食再開。あつといふ間の休みだつたが、もう10日といふことに愕然とする。休憩室はみんなのお土産のお菓子で沢山。 麦御飯、ぶりの照り焼き、しらたま雑煮…

北大路翼
4か月前
12

探梅

しみじみと意中の子から雪礫 ラーメンに葱足す包丁始めかな 駅伝の殿がまだ雪を出ず 舌打ちす美談ばかりの駅伝に 塩味の届かぬ七草粥の底 餅詰まる人を見送る日本晴れ

300〜
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北大路翼
4か月前
5

年末年始いろいろ 北大路翼

年末年始いろいろ つぶされぬ柚子一つ浮く仕舞ひ風呂 冬至柚子たぐり寄せてはまた離す 想像でサンタを熱く語りをり シャンメリー低学年しか愛せない 指先の小さき火傷クリ…

300〜
割引あり
北大路翼
6か月前
17

給食日記 師走

12月1日 丸い物は大概かはいく見えるものだが肉団子はいかがだらう。肉を丸めるとは考へてみればすごい行為だ。 麦御飯、おから入り肉団子、卵スープ あんかけ団子暖房が…

300〜
割引あり
北大路翼
7か月前
9

洋梨  2023年11月作品集

1レース目から来てゐる毛糸帽 闇鍋を牽制し合ふ料理人 柄が抜けるぐらゐ手鍋を振り回す 手袋にビニールを嵌め糞摑む マフラーのほつれ母郷に立ち尽くす

300〜
割引あり
北大路翼
7か月前
11

給食日記霜月

11月6日 ちやんちやん焼きはバターが入つてゐないのが残念。ふと北海道出身のN嬢のことを思ひ出したりした。そぼろ煮は生姜が効いてゐて、つまみにもよささう。 麦御飯、…

300〜
割引あり
北大路翼
7か月前
5

歌舞伎町俳句一家「屍派」解散宣言

屍派を名乗り始めたのは震災の次の年の2012でありますから今年でちやうど10年目になるわけです。 10年といふと、生まれた子どもが小学4年生になるわけですからそれなりの…

北大路翼
1年前
76

つらぽよ19

12月20日 今週は(も?)月から金まで毎晩深酒。最近は、飲んだ後はダウンして一日あけてゐたので、忘年会の時期を体が覚えてゐたのだらう。肝臓の薬を3種類ブレンドして…

北大路翼
3年前
9

18

12月14日 カップラーメンはうまいと思ふ。寒い夜は猶更だ。生きていくこと以上の美意識はないのかもしれない。だからこそ美意識に拘ることは美しいのかもしれない。今夜は…

北大路翼
3年前
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給食日記 SEASON2 文月

1日
麦御飯、鮫の下ろし炊き、南瓜の味噌汁、野菜の辛子酢和え

スーパーで見かけてもまづは買ふことはないだらうといふ鮫。身の赤い斑点が気持ち悪いが味はたんぱくでまあまあだつた。ツノザメの仲間。

午睡して南瓜の中を抜け出せず
人間を食べたる鮫もをりたれば人に食はるる鮫もをるなり

2日
なみすけドライカレー、油揚げのサラダ、小玉スイカ

地元野菜デーといふので楽しみにしてゐたらまたじやがいも。もう

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給食日記 SEASON2 水無月

3日
シーフードピラフ、カルボナーラポテト、白隠元豆とトマトのスープ

御飯にスイッチを入れるときの酒の匂ひに眩暈がした。身体が喜んだのか拒否したのかはわからない。

じやがいものレパートリーや梅雨に入る
ただ一人のために作りし除去食がラップのままに戻つてきたる

4日
和布御飯、ニギスの唐揚げ、豚汁、切干とキャベツの胡麻酢和え

昨日から調理師の教育実習生が来てる。初々しくて微笑ましい。歳をとつ

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666 北大路翼作品集立夏前後

野焼きする炎の中の田力男
春の闇カイジの心の声響く
白バイを包んでしまふ雪柳
ひそひそ話卒業式の挨拶に
力自慢酔うて集まる花の下
ふらここを漕ぐやう国が墜ちてゆく
水温む村に伝はる力石
月朧力石徹のダイエット
酢海鼠の歯ごたへに足す梅の味
卒業証書つけた折り目は戻らない
新任がやたら眼鏡に触れてゐる
スロットで指折ることも聖五月
野遊びや野球用語に死の多し
遠足のいただきますが馬鹿でかい
ふらここ

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給食日記 season2 皐月

1日
高野豆腐のそぼろ御飯、野菜の味噌汁、抹茶ケーキ

連休の間の平日。パートタイマーは休めば休んだだけ収入が減るといふものさ。なんで抹茶なのか疑問に思うてゐたら八十八夜らしい。

八十八夜その日暮らしの長くなり
連休は他のバイトを入れてをり生まれ月なる我の五月は

2日
中華お強、ホウレン草と卵のスープ、フルーツ蜜豆

子供にこれはなんの豆と聞かれて蜜豆の豆だよと濁しておいたが、正しくは赤豌豆ら

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給食日記 seazon2 四月

4月10日
麦御飯、鰆の香味焼き、新じやがのそぼろ煮、小松菜の甘醤油和え

新学期スタート。一日洗ひ場だつたが、スポンジが出てなかつたり、塩素の位置が微妙に変はつてゐるなどでとまどつた。同じメンバーなので、実家に帰つてきたやうな気がした。

はじめましてお帰りなさい鰆焼く
じやがいもで始まり終はる日もじやがいもならん給食の道

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俳人はなぜモテないのか1

3月3日
女の子にちなんでマッチングアプリを始める。出会いは欲しいが、俳人といふ肩書が世の中にどう思はれてゐるかも興味があるので、ありのままの姿で実験したい。選んだアプリはティンダー。別にどれでもよかつたが、俳句の同人誌にU君がティンダーで出来た彼女のことを書いてゐたので、こちらに決めた。登録画面では、ジェンダーの選択肢が多くて驚く。マイノリティにケアしてゐるやうで、人間が商品化されてゐるやうでい

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給食日記 如月

1日
何の抵抗もなく二月。老いるとは万物を受け入れることである。

ドライカレー、油揚げのサラダ、林檎

流れゆく歳月のごと林檎剝く
カレー喰ふ頬で涙の乾きをり
おいしいと思うて無言で食べ進む顔はほのかに笑みてをるらむ

2日
節分御飯は大豆と青のりをかけた御飯。粘りがなくても大豆が御飯にまざつてゐると納豆に見える。もちろん味も納豆だ。

節分御飯、鰯の竜田揚げ、味噌汁、おひたし、みかん

福豆の

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給食日記 睦月 ★特別無料公開★

10日
今日から給食再開。あつといふ間の休みだつたが、もう10日といふことに愕然とする。休憩室はみんなのお土産のお菓子で沢山。

麦御飯、ぶりの照り焼き、しらたま雑煮、白菜のおかか醤油和え

しらたまのつるんと仕事始めかな
新学期の初めに食べる出世魚幼女のままであれと願ふも

11日
一日で筋肉痛になつた。やはり給食は重労働だと思ふ。麻婆豆腐なのに、スープにも豆腐が入つてゐた。

麻婆ライス、春雨

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探梅

しみじみと意中の子から雪礫
ラーメンに葱足す包丁始めかな
駅伝の殿がまだ雪を出ず
舌打ちす美談ばかりの駅伝に
塩味の届かぬ七草粥の底
餅詰まる人を見送る日本晴れ

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年末年始いろいろ 北大路翼

年末年始いろいろ

つぶされぬ柚子一つ浮く仕舞ひ風呂
冬至柚子たぐり寄せてはまた離す
想像でサンタを熱く語りをり
シャンメリー低学年しか愛せない
指先の小さき火傷クリスマス
にんにくマシマシメリークリスマス

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給食日記 師走

12月1日
丸い物は大概かはいく見えるものだが肉団子はいかがだらう。肉を丸めるとは考へてみればすごい行為だ。

麦御飯、おから入り肉団子、卵スープ

あんかけ団子暖房がすぐに効く
大皿に二つ添へたる肉団子小さきゆゑにさみしきおかず

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洋梨  2023年11月作品集

1レース目から来てゐる毛糸帽
闇鍋を牽制し合ふ料理人
柄が抜けるぐらゐ手鍋を振り回す
手袋にビニールを嵌め糞摑む
マフラーのほつれ母郷に立ち尽くす

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給食日記霜月

11月6日
ちやんちやん焼きはバターが入つてゐないのが残念。ふと北海道出身のN嬢のことを思ひ出したりした。そぼろ煮は生姜が効いてゐて、つまみにもよささう。

麦御飯、ちゃんちゃん焼き、村雲汁、南瓜のそぼろ煮

鮭喰へば北が恋しくなりにけり
アレルギーの代表として寒卵
ハロウィンの前後に南瓜続くのを疎みつつそぼろ煮おかはりす

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歌舞伎町俳句一家「屍派」解散宣言

屍派を名乗り始めたのは震災の次の年の2012でありますから今年でちやうど10年目になるわけです。
10年といふと、生まれた子どもが小学4年生になるわけですからそれなりの年数といへるでせう。
育ちの早いガキなんかはもう色恋に目覚めてゐる齢です。

子どもが大人になるのだから、大人は当然老人になります。
組織の高齢化です。

俳句は体験がベースだと思うてをりますので、経験は大事ですが、慣れはいけない。

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つらぽよ19

12月20日
今週は(も?)月から金まで毎晩深酒。最近は、飲んだ後はダウンして一日あけてゐたので、忘年会の時期を体が覚えてゐたのだらう。肝臓の薬を3種類ブレンドして飲んでゐるのが、功を奏してゐるのかもしれない。初めてのお客さんや、ゲームさんぽの打ち上げ、会田さん、福島泰樹さんとそれぞれ趣向の違ふ飲み会で充実してゐた。
土曜日からは実家に戻り叔父の納骨。日曜日の朝はラブパトの時間にそつと起きたが、家

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18

12月14日

カップラーメンはうまいと思ふ。寒い夜は猶更だ。生きていくこと以上の美意識はないのかもしれない。だからこそ美意識に拘ることは美しいのかもしれない。今夜は最後の汁まで飲むよ。俺はカッコよく生きてゐるのかい。