憑依系能力者です。
―役者さんがそうなのだと思いますが、与えられた役に「憑依」するほどなり切ることで、その人の考え方が深く、自分に刻み込まれることがあります。誰かになり切るということは、本を読む以上にコスパのいい学びかもしれません。
最近、とあるセミナーの内容を原稿にまとめるご依頼をいただいているのですが、取り組んでいると、話者さんの信念や人生そのものを自分が代弁しているような感覚になります。
その人の考え方が理解できてくると、自分が役に憑依しているかのように筆が進むものです。
思えば、インタビュー原稿を書くことも同じで。やはり、その人になり切り、その人の言葉を指先を通して出力していくような感覚を覚えます。
ちなみに僕がインタビューものの原稿を書くときは、
・お聞きした内容をいったん洗いざらいアウトプットして
・マインドマップ上で同じ意味の塊をつないで
・話に山ができるよう順序立てて
・書く
インタビュアーの大半が、このようなやり方なのではないかと。話をしているとどうしても話が行ったり来たりするので、一度解体して再構築せざるを得ないのです。
書き始めるのに時間がかかりますが、手が動き出したらインタビュー原稿を書くときにしか使用できない、謎の集中力が発動します。
ハイになるような感覚です。話者の意識のなかに深くダイブできたものほど、だいたい喜んでいただけるんですよね。手前味噌ですが。
そして不思議なことに、書き上げたあと、憑依した残滓(残りかす)のようなもののが、確実に自分のなかに残っています。
“それ”は本を読んで学ぶ以上に、自分の頭のなかの深いところに、ノミで打ったかのように刻み込まれている。自分が持っている考え方にインストールされていく。
インタビューとまではいかないまでも、人から話を聞いたら、聞きっぱなしで終わりにしないこと。まるでその人が生き生きと語っているかのようにアウトプットしてみれば、とてもコスパのいい学びになると思います。
生々しい一次情報を自分の栄養として取り入れるわけですから。
さて、次は誰に憑依しようか? できるだろうか?
新たな憑依先を求めて歩き回ろう(笑)。
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