四條 識

小説家『蚕録』(2017)『棺を蹴る』(2020) 2020年にMOUNT ZINE…

四條 識

小説家『蚕録』(2017)『棺を蹴る』(2020) 2020年にMOUNT ZINEに出品した『棺を蹴る』を改題改稿なし、コロナ禍当時のままでnoteで再販しています

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    棺を蹴る

    作家、四條 識4年ぶりの新作。亡くなった実母の散骨を義理の妹と巡る短編小説『棺を蹴る』 「この世で一番の幸せは、もう何も話す事のない相手との沈黙の間にあるのかもしれない」 『棺を蹴る』文中より抜粋 サイズ / B3
    580円
    shijoshiki
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    棺を蹴る

    作家、四條 識4年ぶりの新作。亡くなった実母の散骨を義理の妹と巡る短編小説『棺を蹴る』 「この世で一番の幸せは、もう何も話す事のない相手との沈黙の間にあるのかもしれない」 『棺を蹴る』文中より抜粋 サイズ / B3
    580円
    shijoshiki

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棺を蹴る(2020年発表)

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    • Lady Gaga『Chromatica』

      #georgefloyd 15年以上前に海辺の部屋で同棲していた彼女が窓を開けて化粧をしている朝に起きると部屋に流れていたマドンナのアルバム『Ray Of Light』1998年の傑作アルバム、僕はそれを知らず寝起きおぼろげに生まれて初めて「幸せ」だと感じ確信した。 レディーガガのニューアルバムと聴くより僕にはこのアルバムのサウンドの輪郭が『Ray Of Light』そのものを想起させれように聴こえる。紆余曲折を経たあの頃のマドンナの音楽制の転機より、今起きている世界の

      • BiSH『CARROTS and STiCKS』

        あなたなしでは難しいの 2020年代を象徴するアーティストはBishだと思う。 ビジュアルがコンセプトでキレイにまとまっていない点、個性の塊であるメンバー1人1人のキャラがはっきりとしていて、歌が決して声を揃えて上手い訳でもない、アイナの声、チッチの声、アユニの声、リンリンの声、モモコの声、ハシヤスメの声、Bishだけだ。歌を聴いていて誰が今歌っているのが分かるグループは他にいない。グループとしてそれがいかに凄い武器であることは他のアイドルグループを聴けば分かる。 無論、B

        • Massive Attack 『Mezzanine』

          心刻まれ、健やかなる時も。 このアルバムはUKミュージックを語る上で欠かせない作品である。言ってしまえば最新鋭のロック・ミュージックと言える。とにかく攻めのアルバム、全体を通して硬質なベースサウンドにギターやシーケンサーが鳴り止むことなくリズムもとことん閉鎖的でこのアルバムに似た作品は他になく、今もこのアルバムを超える作品をマッシブ・アタックでさえ作り出せない。時代やブリストル・ミュージックと評される海外のジャーナリズム、音楽への理解度より、今作が放つ曲の力は重く冷たく

        棺を蹴る(2020年発表)

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          45本

        記事

          ZARD『Oh My Love』

          ZARDの中で一番好きなアルバム リアルタイム、中学生の時に聴いていたアルバム。 しかも、友達がたむろするうちで一人の時に決まって今作を歌詞カードで歌を追いながら聴いていた。 そのジャケットの写真の坂井泉水も凄く綺麗なのを今でも忘れない。私にとってZARDは友達に教えたくないアーティストだった。孤独な坂井泉水を独り占めした気分になれる、ZARDの歌にはそれだけ親近感が強くまるで自分のことを歌ってくれている気分でいた。 ZARDのアルバムの中でも自分には今作に一番夢中にな

          ZARD『Oh My Love』

          ZARD『揺れる思い』

          青春の意味を知らされた 今年で40歳になる世代にとって安室奈美恵、浜崎あゆみの二代歌姫(松田聖子、中森明菜)の両者の間には必ず孤高の歌姫がいた、それは山口百恵であり坂井泉水である。 自分はよくある話、親の財布からお小遣いには少し足りない3千円に届く金額を抜いた記憶が鮮明にある。ZARDはアルバムの曲が良い、それはファンの方なら全員が頷くのではないかと思う。勿論、シングルも欠かさず買うし、他のアーティストより一番歌詞カードを見て歌を覚えたのはZARDが圧倒的だと思う。 今でこ

          ZARD『揺れる思い』

          JAMES BLAKE

          リキッドルームのざわめき このデビューアルバムを引っ提げて初来日したリキッドルームで観たライブは孤高とはジェイムス・ブレイクのことを呼ぶとあの場にいた全員が共通認識として感じたはずだ。 ステージには小さなDJの卓とキーボードのみ、ステージには彼1人、しかも大抵の曲をマイク一本のみで弾き語るわけでもなく淡々と歌う姿が延々と続くのではないか、それだけでもずっと観ていたい。 静けさまでがジェイムス・ブレイクの音楽そのものだった。 既発の『CMYK』EPの演奏で沸く時間があった

          JAMES BLAKE

          ebaby『BIRTH』

          実力派 筆者がebabyを知ったのはYouTubeのオススメで観たM6『TWINKLE』だった。新人とは思えない快活に聞き取れるリリック、フロウも輪郭がしっかりしていて彼女が何かの企画や〜を得て、となくとも単身ヒップホップシーンに乗ってきたことに嬉しく思った。分かりやすく大人に作られず、自らDIYの精神できちんとヒップホップのマナーの上でラップをしているこのEPは既発の『I keep going my way』でその生真面目さを意思表示していて、EPも全曲通して統一感のある

          ebaby『BIRTH』

          Age Factory『EVERYNIGHT』

          Testify 名盤に必須な項目、1曲目が最高。筆者が彼らの『Dance all night my friends』のMVを初めて観た時、初めて観たとは到底思えない自覚のある光景と青春の苛立つ胸の高鳴りを感じた。例えばGoo Goo Dolls『Here Is Gone』やDeftones『Change』のミュージックビデオに準える曲の颯爽とした良さ。何度も同じ景色を観ながらまるでどこかへ向かっているような気持ちにしてくれる、その1曲目が無論素晴らしいサウンドであること。そ

          Age Factory『EVERYNIGHT』

          BEEZ『EP』

          Shook Ones Part Female 日本でも今やフィメール・ラップが台頭しているヒップホップのシーン。アングラであればあるほど過剰に複雑だったり、チャラチャラしていてラップが耳元で鳴らない場合が多い。初EPであるこのBEEZはどうか? M1からはっきりと90年代を意識しているトラックを使い、ラップもとにかくイナタイ。Mobb Deepのプロディジーを彷彿とさせる硬さ。 BEEZのラップも非常にスマートで女を張っている。 加工もなし、明日も生きれるか分からないメ

          BEEZ『EP』

          岡村靖幸『操』

          マジ他人だけど岡村ちゃんって呼ぶわ 岡村ちゃんと言うと映画『モテキ』で真木よう子も呼ぶファンの間での愛称だが、尾崎豊の親友として1980年代から彼とは真逆な変わらないポップスを貫いている。 今作に至るまで、筆者は音楽を聴くようになった幼少の頃から全く岡村ちゃんの歌にサウンドを聴いたことがなかった。 今作に収録されているDAOKOとの『ステップアップLOVE』のミュージックビデオにジリジリとハマってから昔の曲も聴くようになったばかり。 そこにこのニューアルバム。M1から岡

          岡村靖幸『操』

          yonige『健全な社会』

          STAY HOME マンガ『ソラニン』で種田に迫られた選択。 自らなのか、偶然なのか芽衣子を始め周囲の近い人間達にも分からない。 yonigeがアジカントリビュートで歌った『ソラニン』は原作ファンには、とてつもなくエモーショナルなもので、感傷的になる為にある曲と言っても過言ではない。 今作ではその経緯を踏まえ冒頭のM1.M2をアジカンの後藤正文がプロデュースしている。 牛丸ありさは今作について「特別何もない」と語っているが、例えばステイホームの続く今の日常の中でうちで過ごす

          yonige『健全な社会』

          パナソニック Technics ワイヤレスステレオインサイドホン EAH-AZ70W レビュー

          Apple信者として、クラブで10年以上働きJBLスピーカーへ絶対な安心感を持つ筆者。 普段、音楽を聴く時はAirpods Proを、スピーカーは勿論JBLで視聴している。 今回、クラブ業界ではブース機材としてスタンダードなTechnicsからBluetoothのインナーイヤフォンが発売されると耳にし、家電量販店で試聴、注文、到着。 実際に手にし今、装着しながらこれまでと同じ音楽を聴きながら筆を手にしている。 家電量販店で試聴し、耳につけ音楽を流した時の第一印象はAirpo

          パナソニック Technics ワイヤレスステレオインサイドホン EAH-AZ70W レビュー

          ¥ELLOW BUCKS & Tee『Aight』

          MAPS M1を聴いて、これはUSラップの真似事じゃないと胸を張って断言する。 もうyah yahなジャパニーズ・トラップミュージックには聴き飽きた。 M3ではOZworldが自分の作品とは違うアプローチのフロウでパンデミックを掌で踊らせる。 ヒップホップには稀に遊び心が必要だ、今作での¥ELLOW BUCKSのラップへのアプローチはこれまでになく変拍子満載でそのリズムだけでも各トラックが白眉モノ。 M5.M6は、このEPを本来の¥ELLOW BUCKSだと知らせるよう

          ¥ELLOW BUCKS & Tee『Aight』

          Rykey『BEEF&CHICKEN』

          同調、順応、適応、相応、至当。 また色々あり収監され出てきたRykeyの復帰作。その色々は実話ナックルズさんに任せておいて、Rykeyの復帰作はそれらをすべてリリックにする為だと思うと随分とサクリファイスだ。今作『BEEF&CHICKEN』ではこれまでの作品のような世間や特定の人への攻撃的なRykeyのリリックとは違い自身の「贖罪」に溢れた真っ当なヒップホップを成り立たせている。 M1.M3ではYDIZZYのシングが中心に新しく耳障りが良い。M2からM4.M5.M6とこ

          Rykey『BEEF&CHICKEN』

          KOHH『worst』

          ラストアルバム 東京都北区のMCとして、普段の人との喋り方をフロウに県境を埼玉から世界に広げたkohhの引退作品。 M1のイントロから今までにない聴きやすさが分かる、それはM2からも遂行されていてM3.M4.M5.M7とすべてシングルで聴いたとしても一切遜色のないkohhの現在形のリリックがラストアルバムとも感じさせない。 『worst』という皮肉めいたタイトルも気持ちがいい。 M11とアコギとラップだけの『Is This Love』はkohhが今を流行らせる売れ線バンドへ

          KOHH『worst』