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Massive Attack 『Mezzanine』

心刻まれ、健やかなる時も。

このアルバムはUKミュージックを語る上で欠かせない作品である。言ってしまえば最新鋭のロック・ミュージックと言える。とにかく攻めのアルバム、全体を通して硬質なベースサウンドにギターやシーケンサーが鳴り止むことなくリズムもとことん閉鎖的でこのアルバムに似た作品は他になく、今もこのアルバムを超える作品をマッシブ・アタックでさえ作り出せない。時代やブリストル・ミュージックと評される海外のジャーナリズム、音楽への理解度より、今作が放つ曲の力は重く冷たく計り知れない。
筆者としては、リマスター版の輪郭が強調され整理された音源よりも今作のじめっと梅雨のように気怠い切迫感のあるものを聴いてほしい。
ファンでなくても知られている名曲が収録されている点で一聴の価値があるが、アルバム単位で聴いてほしい。M6以降の『Man Next Door』『Black Milk』もシングル曲でもおかしくはない脅威的な音の洪水だし、それはインタールードであり最終局の『Exchenge』まで抜かりなく終わることがないからだ。
マッシブ・アタックを体感し、痛感するにはこのアルバムが適している。

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