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BiSH『CARROTS and STiCKS』

あなたなしでは難しいの

2020年代を象徴するアーティストはBishだと思う。
ビジュアルがコンセプトでキレイにまとまっていない点、個性の塊であるメンバー1人1人のキャラがはっきりとしていて、歌が決して声を揃えて上手い訳でもない、アイナの声、チッチの声、アユニの声、リンリンの声、モモコの声、ハシヤスメの声、Bishだけだ。歌を聴いていて誰が今歌っているのが分かるグループは他にいない。グループとしてそれがいかに凄い武器であることは他のアイドルグループを聴けば分かる。
無論、Bishはアイドルグループではない。このアルバムでこそ、彼女達が楽器を持たないパンクバンドであることが頷ける。グループというより、アーティストの集まりだと感じる。上手いことより個性の真似は出来ない。
M1『DiSTANCE』の「今僕はあなたなしでは難しいの』という一人称の男言葉の歌詞はアイナだからこそ歌える歌詞だと思う、ものすごく魅力的だ。
アルバムを通して、前作のことなど知るかの如くな今作の作風も以前より大きなキャパシティを意識しているような曲が目立つのも聴きやすい。『I am me』『優しいPAiN』『アイデンティティ』『CAN YOU??』等、最後の『GRUNGE WORLD』はCMのタイアップがなくてもBishのアンセムであることに変わりはない。
今はアイナのソロやPEDROの活動でもまた多くのファンが清掃員ならずともBishが好きと周囲から聴くとモモカンのエッセイを読んだ身としては、まだまだこんなものではないのだと思う。
今のこの時代だからこそ、Bishが突き抜けていくべきだと思う。こんなに面白いグループは久しぶりだ。

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