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Age Factory『EVERYNIGHT』

Testify

名盤に必須な項目、1曲目が最高。筆者が彼らの『Dance all night my friends』のMVを初めて観た時、初めて観たとは到底思えない自覚のある光景と青春の苛立つ胸の高鳴りを感じた。例えばGoo Goo Dolls『Here Is Gone』やDeftones『Change』のミュージックビデオに準える曲の颯爽とした良さ。何度も同じ景色を観ながらまるでどこかへ向かっているような気持ちにしてくれる、その1曲目が無論素晴らしいサウンドであること。その調子は4曲目まで。驚きにこのバンドに期待していたものがM5に端緒に表れる。行定勲監督の映画化『GO』の冒頭のシーンのようにギターボーカルの清水エイスケは吐きだめに声を落としていく。それはM6でも絶えることがない。表現が崖の淵に立たされたような3人の音に聞こえる。

自ら作り出した万物の死生観が大衆に受け入れられないことは焼け野原の跡に立たされているような気分だろう、Age Factoryの今作『EVERYNIGHT』には、その焼け野原で大衆に喉を締めつけられ苦しさから唸るボーカル、清水エイスケの呻きがきこえる。そこは戦場でもなければ、ビジネスライクなヒットチャートの中でもない。そこはどこか、ここだ。

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