日記の最後に「継続は力なり」と書いている
僕の友達は日々の出来事を魚のエラに書いている。世界一臭い日記だ。毎日、母親の作った弁当を爬虫類に例えて酷評しているそうだ。
さすがに真似しようと思わないが、日記をつけることは良い習慣だから見習うことにした。
そんなわけで今日買いに出かけたのだが、最近の日記はなかなか個性的なものばかりだった。
チャーシューみたいにヒモでがんじがらめに固められている日記
隅っこにお寿司のガリが乗っている日記
これらは冷暗所で保管しないと腐ってしまう日記らしい。サーモグラフィーで見るとものすごく灰色に見えるそうだ。
他にも
筆圧で次のページに青い文字が複写されてしまう契約書類日記
ページをめくる動作がレタスを剥いているみたいになる球体の日記
書くたびに、お腹に新しい命が宿る日記
など色々あった。
僕は子供の魂が閉じ込められた日記を買った。
句点を打つと「からの~?」と小さな男の子の声が聞こえて、読点を打つと「もう終わり~?」と小さな女の子の声が聞こえるというものだ。
早速日記を書き始めるわけだが、僕の筆圧がすごすぎて日記全体にローマ人の顔くらい凹凸ができあがってしまった。デスマスクに見えなくもなかった。
書くことがあまりなかったのでとりあえず日記の最後には「継続は力なり」と必ず書いておいた。
うんこを漏らした日なんかはちょっとずつ漏れていることを読点の量で表してみた。
途中で読点を打つのが面倒になってきて代わりにししゃもの卵を置くことにした。
ある日、僕のデスクから日記が姿を消した。
後日、樹海で白紙化して見つかった。
小さい頃からお金をもらうことが好きでした