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専門性・プロ性を活かすのは多動力+アマチュア精神!

世の中多品種少量生産の時代。そんなご時世に大量生産時代の大企業または工場の組織を想像してみよう。
ファンクションカット(機能割り)の組織内では、仕事の目的と戦略を設定するのは統率者の役割。
現場は機能、業種や職種別に綺麗に区分され、できるだけ同じ作業に集中して成果を上げることを求められていた。製造者だけではなく、分析官や企画者も同様。例えば、ハードウェアの企画をする人とソフトウェアの企画をする人は分れている。さらに基盤プログラムの企画者とアプリケーションの企画者は分かれている……というのが通常。しかし、逆説的だけど、このやり方が通用しなくなってきている。

というのは、
かつての大量消費時代は受容側=市場側の価値観が揃っていて、その単一の価値を会社全体で創出すれば儲けることができた。しかし今の時代は違う。これを作れば確実に売れる、すぐに利用されるという商品やサービス見えない。消費者の財布の紐は硬い。そしてライフサイクル(売れる期間)が非常に短い。

こんな時代の商品開発は常にMIXプロダクトになる。一社の力で頭からお尻まで企画・開発して市場を動かすことは難しい。また、一つの製品に特化し過ぎた汎用性のない部品を作るのはリスクが大きい。なのでプロダクトや市場の変化に強い組織や人材が必要とされている。
今をときめく米国プラットフォーマーのGAFAですらも、様々なアルファ版や捨て石になるプロダクト・サービスを常時企画して、基盤となる技術の選択肢を拡げて世界中のスタートアップをウォッチ。必要があればM&A、というやり方だ。
戦略を明確に絞り込まず、確率論者的な立場で、その時々のプロジェクトに人材リソースと資金を投入している。

こんな時代、あなたは何の専門家=プロフェッショナルを目指したいだろうか?
ディープラーニングのエンジニア?データサイエンティスト?オンラインメディアのプランナー?美容機器のインダストリアルデザイナー?スマホUI・UXの設計者?実店舗のプランナー?音声認識プログラムのエンジニア?

どれも素晴らしいし、これからの社会で活躍できる職能だがそこにちょっとした落とし穴があるかもしれない。
こういう時代のプロって、専門性のアピールだけだとその価値・効力を組織や市場の中で活かし切れない(認めさせられない)
自分のスキルを様々な経営や市場開発局面、ビジネスシーンで利用してもらうような的確な示唆を与える必要がある。
簡潔に言えば、専門性の深さだけじゃなくて、市場まで見据えるメンタルの幅+専門性を飛び越える多動力※が必要になるのだ。『私はこれができます!』じゃなくて『私ならこんなものが欲しいです!』という需要側の視点で専門家同志は繋がる。生活者、消費者としての視点である。
そのサービスを享受する生活者としての視点があって、供給に貢献できる専門性があれば、新しい商品やサービスの創造に関わることができる。パートナーを巻き込むこともできるだろう。