プラットフォーマーが壊した消費・市場経済を再構築する未来図と未来職種 その2
前回の続きです。
まず僕の考えている未来の(といっても5年以内位)メディアデバイス型社会空間は、都市の建物の室内の内壁、内装、テーブルの上面が全てディスプレイ化されて、GUI化されたイメージだ。
びっくりしないでね。そのコンセプトは20年以上前からあり、海外では一般的になってきてるから。
言葉にするならば『フルUI型インテリア』とか『フルUI型内装』。
以下の複数の欧米の紹介動画をご参照。
(別に全部じゃなくても良いんだが、イメージしやすいので一旦その観点で議論する)
流通業では、商品在庫を店舗に大量に置くのがこれまでの常識だが、実は商品の店舗への物流と展示・陳列・管理には膨大なコスト=人件費がかかってる。もちろんサンプルとして商品在庫があるに越したことはないが、現物はなくても高解像度の3D画像や動画、VRがあればそれだけで選べて買えるケースは多いだろう。
『だったらスマホで良いじゃん?』と指摘する方が居るが、スマホでは例えば洋服の素材感、ドレープ、シルエット、試着感等を表現するのは難しい。また高解像度動画を配信可能な5Gは、今年の後半からまず事業者向けに提供され、個人向けは後回しだ。
バックヤード在庫は置かずに1点だけサンプルで置くというのもありだ。それが無かったとしても、大画面の画像や動画ならば少なくともスマホの極小画面での表示よりは全然マシでリアリティがある。
さて、大型の有機ELディスプレイが配備された壁面やテーブル。
GUIと言ってもタッチ操作だと壁面ディスプレイに近づかなければならないので煩わしい。音声操作+ゼスチャー操作(懐かしのトムクルーズのマイノリティレポートで見せてたやつ)だろう。通行者の全身のアクションをカメラでセンシングして操作するというのも、ありだろう。
そしてキーとなるのは個人認証による各ロケーションのデバイスの同期だ。ID・PW入力なんてのはスマートじゃないし、いちいちやってられない。
光彩認証か顔認証などのカメラ認証で自動ログインだろう。既に中国深センでは普通に実用化されてる。
ディスプレイ領域の1.5メートル以内に近寄ると自動ログインされて、自分のパーソナルデスクトップとパーソナルウィンドウが表示される。近くに別の人がいた場合は、その複数人がマルチログインした状態になり、その人の最も近い場所にその人のパーソナルウィンドウが表示される。
そして自分が歩くとパーソナルウィンドウも着いてくる。ウザいと思ったら消すこともできるが、ゼスチャ操作で再表示可能だ。
パーソナルウィンドウには、自分のこれまでの購買履歴や商品閲覧履歴などが表示される。もちろんそればかり見ててもスマホ内のレコメンドと同様で興味喚起しない。
それぞれのテナント店舗がUI・UXに工夫をこらした、商品展示や動画、シーン提示がパーソナルウィンドウの背景に表示されており、その各画像・動画なども音声とゼスチャで自由に操作可能になるだろう。
販売スタッフや接客スタッフは、お客様の横に立って画面操作によって接客する。スタッフはその場に居るケースもあるが、ビデオチャットにより遠隔地からの接客も可能だ。
へたくそな絵だが、以下のようなイメージ。
国内だとこんなのも出始めた。
スマホを持たなくても、どこのディスプレイの前に行っても自動ログインで自分プロファイル仕様の画面になるので、スマホをのぞき込む必要はない。もちろん誰にも覗き込まれたくない個人情報やメッセージ関連はスマホで見るだろうが、これから買おうと探してる商品や最新ニュースとか映画、旅行、レジャー情報とかを小さいスマホの画面で見る必要はない。4K解像度とか3Dでリアルに表示させれば良い。
パーソナルウィンドウは好みで小さく表示させることができるので、他人から見られないくらいのサイズにすればよい。それらの設定は全てオンラインプロファイル保存されているので、どの場所のディスプレイで表示しても同じ設定が維持される。
言うなれば…『内装空間フルデバイス社会』登場。
この時代
顧客への提案や陳列やシーンプロデュースを企画して、消費を生み出すための事業者と職種構成はどうなるだろうか?