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大企業の人事が言えない「本音」

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日は、「「これからどうなるのだろう?」悩み多き中堅・ベテラン世代のキャリア」というお話をしました。

今日は、「大企業の人事が言えない「本音」」というお話です。

音声はこちらです。

企業の人事の方とお話する中で

さまざまな企業の研修や講演をさせていただいている仕事柄、企業の人事の方や、それに近い方とお話をさせていただく機会がよくあります。

Z世代・さとり世代の上司になったら読む本』という本を刊行させていただいたこともあって、世代に関するテーマで話をさせていただく機会がよくありますが、近年、いろんな会社で起こっているのは、「ベテラン世代が多くて、中堅世代が少なく、若手世代多い」という状況です。

なぜ、このような構造になっているか? というと……

職場に「中堅世代がいない」

以前、バブルという時代がありました。世代的には、2024年の時点で55歳前後の方ですね。

その後、バブルが崩壊。就職氷河期になります。言葉の通り、各企業が雇用を控えて、就職が難しくなった時代です。

就職氷河期に採用を控えた企業は、いま、中堅世代が少ないのが特徴です。しかし、そのままでは、次の世代を担う社員がいなくなってしまいます。そこで、多くの企業では若手社員を採用しました。

その結果、ベテラン世代が多く、中堅世代が少なく、若手世代が多いという、"凹"のような社員の構成になっている……そんな話をよく聞きます。

それが、世代間ギャップをひろげているひとつの要因でもあるのですが。

ベテラン世代の「今後のキャリア」をどう支援していくか?

このような会社の方々からよく聞く話がもうひとつあります。それは、ベテラン世代の方々の「今後のキャリアをどう支援していくか?」という話です。

いままでだったら、50代ぐらいまでは現場や管理職などでバリバリ働いて、その後は、役職定年になり、その後、定年になって……というのが、働き方のモデルでした。

しかし、少子高齢化の影響だったり、法律が変わったりして、ベテラン世代の方々をできるだけ雇用するようになってきました。

もっとも人が多い「団塊ジュニア世代」

また、人口の構造的に、いま、ベテラン世代になりかかっている方――つまり、僕がそうなのですけれども――2024年の段階で、53歳~49歳ぐらい方、1971年から1974年生まれぐらいの世代を「団塊ジュニア世代」と言いますが、団塊ジュニア世代は、人口の構造的に、また、労働力人口としても、もっとも多い世代です。

青い生産年齢人口の中で、もっとも人口が多いのが、1971年から1974年生まれの団塊ジュニア世代

その世代が今後、ベテラン世代になり、あと10年後ぐらいには退職を迎えます。つまり、今後はベテラン世代が非常に多くなっていくわけです。

そうすると、何が起きるかというと「ベテラン世代をどのように活かしていけばいいか?」というのが、企業の課題になっていくわけです。しかも、人数がもっとも多い世代です。

いままでだったら「そろそろ、会社を辞める」となっていました。役職定年を迎え、そして、給与が少しずつさがっていき、定年退職を迎える。それが一般的です。

ですが、人数が多いということは、今後、会社にとって負担になっていきます。

また、ずっと雇用し続けるわけにもいかないので、いい形で社会と適合させていくことが、今後、定年を迎えるわたしたち、団塊ジュニア世代の大きな課題だと思っています。当事者として。

社員と社会との接点をつくる

たとえば、社会との接点を作って、第2、第3のキャリアをうまく構築できるようにしたり。特に、全国的に展開している企業だったら、社員と、地域との接点を作って、いままで雇用していた社員が、地域の中で活躍できるようにできないか? とか。

このようなことが、今後、多くの企業の課題になっていきます。

こういった課題に対して、すでに気づいている人事の方々も多いと思いますが、これを、社内で表立っていう言うことは、相当難しいと思います。

一方で、今後、ベテラン世代とどのように関わっていくか? 教育していくか? リスキリングしていくか? は課題だ……という話は、人事の方々と接していると、本当によく聞きます。自社の中では言えないが、多くの企業で抱えている本音ではないかと思います。

ということで、今日は「大企業の人事が言えない本音」という話をしてみました。では、今日の話はこれで終わりにします。

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#創作大賞2024 #ビジネス部門

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