料理と仕事の共通点

私には3歳の娘がいる。妻とは共働きのため、家事は分担している。なんでも50:50でやる気概でいるし、そうしている。
しかし、どうしても妻のクオリティに敵わず、妻にやってもらっている家事がある。

料理である。

私は結婚するまで一切、料理はしていなかった。子供が出来てからようやく、料理をする機会が巡ってきた。

料理をやりながら、気づいたことがある。

料理とは、複数に並行して走る工程を管理しつつ品質をキープする、工程管理そのもので、会社業務と同じなのである。

さらに料理は、出来上がりの時間を揃えて、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく提供しなければならない。この点を考えると、料理の方が難しい気がする。しかも時間軸も料理の方が短い。

夕食のメインが生姜焼きだとする。
1時間前からお米を研ぎ、炊飯器をセットする。豚肉に下味をつけて冷蔵庫で冷やす。野菜を切りサラダをつくる。味噌汁をつくる。ここまでが下準備だ。

夕食20分前から、途端に忙しくなる。味噌汁を温め、同時に肉を焼く。その間に食器を並べる。味噌汁は沸騰させてはいけないし、生姜焼きはしっかり火を通したい。ご飯をよそって飲み物とドレッシングを出し、娘を席に着かせる。味噌汁と生姜焼きを食卓に並べれば完成だ。

生姜焼きだけ先に焼く、味噌汁だけ先にだす、とすると冷めてしまう。完成タイミングを揃えるべく、各料理の所要時間を整理して、全体工程を組み立てる。マルチタスクの極みである。

会社業務に置き換えて考えるとどうだろう?
客先への見積回答業務を想定してみる。

見積回答期限に向けて、自社内の技術部門に仕様、製品納期をインプットする。同時にサブベンダーの見積を入手する。予算管理部門と金額を相談する。ここまでが下準備だ。

見積回答期限直前には、仕様が固まってきたことによって沢山の確認事項が出てくる。これらを処理しつつ、金額調整、製品納期調整を進める。そしてすべての関係者とコンセンサスをとり、見積回答書を作り上げる。

この通り、料理も会社業務も、構造が似ている。

「料理できません」と言うのは、「マルチタスクの仕事できません。」と宣言してるようなものだ。

「俺は男だから、料理ができなくていいんだ。」とどこかで言い訳していた自分が恥ずかしい。
苦手意識のあった料理を頑張ることで、マルチタスク脳を鍛えられると思う。俄然、料理に対するモチベーションが上がった。

家事も仕事も、まずはやってみる、頭を使ってみる、ことを意識して頑張っていきたい。



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