部屋に籠ってひたすら田植えをした話
こんにちは、黒坂はじめです。
毎日暑いですね。
さて今回は、突如思い立って九州と新宿で開催される鉄道ジオラマコンテストに出すことにしました。エントリー締切日に申し込んだので、残り1ヶ月ちょっとという短い期間ですが、やってみようと思いました。
作品の概要
まず今作ですが、これは以前作った作品をベースに、今の自分の技術でリメイクしたものです。
今から3年ほど前に気分転換に関東近郊を一人旅しました。そのときに目にした、田植えを済ませたばかりの初夏の田んぼが青空を映して、キラキラ輝いていたのが美しく印象的だったのです。その時の感動をもとに作ったのが前作なのですが、その作品は当時の自分の表現力が未熟だったため(水田の表現は単にフイルムを貼っただけ)、自分としても納得のいく出来ではありませんでした…。
以前作った作品
それからずっと、この作品はなんとかしなければいけないと思っていましたが、こういうご時世でなかなか遠出も難しい今、時間に余裕があるのでふと以前作った水田の風景にリベンジしたくなりました。こうして、私の作品作りは始まったのです。
ここでの一番の肝は水田の表現です。季節は初夏の田植えを行った直後の水田地帯としているため、数多くの稲を植えられていなければならないのですが、これが実はむずかしい。
ジオラマの世界では、きれいに水(レジン)を張って整然とした稲を植えた作品は私の知る限り、あまり出て来ないように思えます。なぜなら失敗しやすいからでしょう。そこで今回はその一点にこだわって、一本一本「田植え」をして作り込んでいくことにしました。
作業工程
ここは写真で見せていきます。
①罫書き作業
②土台作り
③下地処理
「田植え」の表現
あらかた土台を組み上げたところで、いよいよ水田部分を作ることになります。
ここからは、家族の協力も得て同時進行で作業していきます。
まず、稲を作るのですが、細いファイバー系の模型素材を使用します。この素材はとても細く、コシのない素材だったので加工するのが大変でしたが、数本ずつ束ねて根元を接着します。すると以下のような感じになります。
乾燥後、一本一本カッターマットから削り取り、根元部分と先端部分をそれぞれ整えるためにカットしました。だいたい3センチくらいになります。これを約700本作りました。
稲作りと並行して、今度は土台に孔を開けていきます。
竹串を使って、やや大きめの孔を開けていきます。この際、水田の稲が植っている向きなどもなるべく再現するようにしました。
全て開け終わったら、今度は先ほど作ってきた稲を一本一本植えていきます。接着剤をつけてピンセットで押し込んでいきます。
この辺、ほぼ植毛に近いですね。
全て植え終わったら、水田に水を張りましょう。ということで、ユザワヤで購入した手芸用の2液レジンを流し込みます。
漏れないようにアルミテープで周りを塞ぎ、攪拌したレジンをスポイトで隙間から慎重に垂らしていきます。結構大変でした。
余談ながら、塞いだアルミテープ、実は100均の簡素な製品を使ってしまったため、乾燥させた際にほぼ漏れてしまう! というアクシデントがありました。「あちゃ〜」と思いましたが、その後近所の大型スーパーでDIYコーナーにあるアルミテープを購入してやり直したところ、今度はちゃんと漏れずに固まってくれました。
レジンが固まり、これまたユザワヤで購入した手芸用バサミで、根元を数ミリ残してカットしていきます。どんどん完成に近づいてきました。
最後は、周りの地面を緑化したり、ビニールハウスを仕込んで完成となります。
まとめ
今回、九州と新宿で開催されるジオラマ大会に出品したわけですが、その中で全く見ず知らずの人から「水田の表現が素晴らしい」とか、「よく頑張って作りましたね」などなど言われてとても嬉しかったです。
もちろん、私よりもキャリアの長い方々も大勢いらして、色々ご指摘も受けました。それでも以前作った作品よりも、特に水田の表現が自分としてはしっかりしたものができたのかな、と思います。
今後もコンスタントに作り続けていきたいです。同時にジオラマの精度も上げていければと思います。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
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