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熊注意

焦ると固まる習性がある私です。どうもこんにちは。アドリブ力、やや弱めです。

先日、北の方面に行ったときのこと。
伺ったのは至る所に「熊注意」などという看板が立っている実に不穏な地域。東京とはまた異なる治安の悪さを実感しつつ、山道を歩いておりました。

普段からの運動不足が祟り、勾配が非常に辛く、山道を歩くたびに「運動せねば」と思う私。しかし、東京に戻るとすっかり忘れて運動をしない私。その一連の流れが容易に想像してしまい、「これが喉元を過ぎればナントカか」と適当な思いを抱きつつ、息を切らせつつ、ヒイヒイ言いながら歩くのでした。

山道は足下が悪いので、どうしても俯き加減で足下を確認しつつ歩くことになります。もし、山道なんかですっころんで怪我でもしたら大事です。スマホを確認するとアンテナは立っていますが、いざ怪我をするとアンテナが消えてしまうのでは不安に駆られるような地域です。現代の神隠しは携帯電話のアンテナを消すところから始めるのでしょう。恐ろしい。

そのような不安もある上、元からバランス感覚が悪い私は、ちょっとしたことで躓いてしまうので余計に慎重に歩かねばならないのです。

そんなこんなで15分ぐらい歩いたところでしょうか。
疲れたなと顔を上げると、10メートルほど先に黒い物体がいるのです。
明らかに獣でした。なんだかモサモサと動いています。

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真っ先に頭をよぎったのはこの看板。
「うわっ!」
思わず私は叫んでしまいました。

その声に相手も驚いたのか動きを止めます。
暫し対峙する私と獣。

「熊と出会ったときって何をするんだっけ?寝たふりはあっけなく襲われて駄目って聞いたことあるな。走って逃げるとすごい速度で追いかけてくるらしいし、木登りもうまいはず。そもそも疲れていて足が動かねぇ!」

などと考えているので身体はフリーズです。
獣も「焦った人間は思考する」ということを知っていれば、フリーズ中の人間を確保するのがより簡単になるはずです。
獣よ。人間を襲うときはフリーズした瞬間がチャンスだ。

敵に塩を送るようなことを考えていると、奴が先に動きました。
興味をなくしたのか、山のほうに入っていきます。
私は刺激しないようにそれを静かに見送ります。

大分遠ざかったことを確認し、奴の写真をすぐに収めました。
そのときの写真がこちら。

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さて、此奴は熊だったのでしょうか?
実際にはよくわかりません。

もしかすると「シカでした」という水曜どうでしょう的なオチだったのかもしれません。
まぁ、山道歩くときはご注意を。

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