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【詩】『天満月』

『天満月』

月が眠りにつく頃
あなたの名前を呼んだ

誰にでも降る夜は
人の心に何をもたらすのだろう

寂しげな声が花と散る

もう闘わなくていいから
少しだけこの宵に目を閉じて
あなたが想いたい夢だけを
想ってみてほしい

殺しきれない性(さが)と
報われない声が交じる

一切音の無い闇は
この痛みに何を及ぼすのだろう

いたいけな問いが傷と成る

もう闘わなくていいから
少しだけこの宵に目を閉じて
あなたが想いたい夢だけを
想ってみてほしい

壊れそうな胸に秘めた
儚い記憶が
私を何処かへと駆り立てる

もう闘わなくていいから
少しだけこの宵に目を閉じて
あなたが想いたい夢だけを
想ってみてほしい

もう傷つかなくていいから
今だけその痛み共に抱いて
あなたを想いたい私だけを
確かめてみてほしい

月が沈む頃
あなたが私を呼んだ

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